詭弁家

バンされればそれまで

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バンされればそれまで

マガジン

  • 詩小説『白鯨』

    ハーマン・メルヴィルの『白鯨』をモチーフにした連作です。

  • 『夜明けの詩人』(仮)

    18歳の時、僕はあなたに恋をした。あなたに憧れて詩を綴りはじめた。酷い出来だったけど、あなたは僕の詩が好きだと言ってくれた。それだけで僕は嬉しかった。 ※上から時系列通りに並べています

最近の記事

一行詩:誹謗とか中傷とか

他人を謗る人は皆死ねばいいのに

    • 詩:最低弦を響かせて

      嫉みと妬みを捩じ込んだ 聞くに耐えない雑音は 未だ熟れざる果実が一つ 木から落ちていくようで G線上を滑る弓 最低弦を響かせて 歪んだ心の表象か 心を悼む独唱歌 兎角孤独な部屋の中 最低限の灯りの中で 窓を閉め切ったままでいる 夜明けの光を待っている ------------------------------------------------- 「G線上のアリア」

      • ミニストップのハロハロを食べたい

        一行詩:誹謗とか中傷とか

        マガジン

        • 詩小説『白鯨』
          5本
        • 『夜明けの詩人』(仮)
          15本

        記事

          詩:四季・夏

          夏場の太陽に触れてしまった 指先が真っ黒に焦げてしまった 魂が燃えて爛れてしまった あれが冬の朝日だったなら 仄かに暖かかっただろうに! ------------------------------------------------- 「四季・夏」 夢を見る人です

          詩:四季・夏

          詩:四季・冬

          凍てつく部屋に月の明かり 長方形にペンが滑る チ。 生み出されるのはゴミばかり 凍える指が震え出す チ。 夜を照らした街灯も 所詮は月の紛い物  徐々に擦り減る精神と 溶け往く蝋は紙一重  斜陽を睨めば降った夕立 口を出るのはカスの舌打ち 街を練り往くバカばかり どこか見覚えのある奴ら 凍てつく部屋に月明かり 舌打ちばかりが響く部屋 チ。 ------------------------------------------------- 「四季・冬」  

          詩:四季・冬

          詩「白鯨:海の上の散歩」

          どれだけ歩いてきただろう 人のいない海の上を 波先が白く輝いて 太陽が散っているみたい 歩くたび波紋が広がりやがて凪ぐ 僕の軌跡を消していくように 海の上を歩くが如き我が命 真下を見れば暗闇が覗く どれだけ歩いてきただろう あなたのいない海の上を 波が太陽を反射して 心が散っているみたい 波がたち海の底が白くなる 水面を揺らし現れた 巨大なそれは僕を飲み込み 海の底へと沈んでいった そんな夢がみたい --------------------------------

          詩「白鯨:海の上の散歩」

          詩:最終電車

          最終電車がやってきて あなたの声を掻き消した 光を放ってやってきて あなたの影を照らし出す 最終電車に乗り込んで メロディと共に扉が閉まる 車窓越しに僕を見据える あなたの顔がよく見えなく、て 最終電車は発車した 夜に溶けていくように 眩い光は見えなくなって ホームに残った僕一人 ------------------------------------------------- あなたを見送る僕の詩です。 伊豆半島に行ってきました。最終電車の中で綴りました。

          詩:最終電車

          詩「白鯨:雪の国」

          在りし過去の夜、夏祭り 祭り提灯が頬照らす ぼうと染まったその頬が 燃えてるように赤ら引く あなたは照れているのかや 夏が終われば秋が来る 悲しみ深き秋の日の 胸の痛みを如何せん 雪が降った。はらりと降った。 あなたの影が埋もれてく 記憶の底が白くなる これじゃあまるで徒労じゃないか 思い出だとか記憶とか 妄想と何が違うのか 形が無ければ意味も無い あなたの記憶を何如せん 胸の緋色を如何せん あなたの頬が埋もれてく 頭に残った白雪を そっと触れればひんやりと 冷え切っ

          詩「白鯨:雪の国」

          扉を開ける。雲の白さに目が焼けた。

          扉を開ける。雲の白さに目が焼けた。

          エッセイ:忘れられない一節

          私は出掛けた時、基本的に書店に行きます。そこでブラブラと30分ほど本をつまんでいます。たまにグやロフトも覗くくらいしますが。 三月の下旬だったかな、いつもみたいに書店で本をつまんでいました。その日も、なんの気無し選んだ中原中也の詩集を手に取り、いつものようにてきとうな頁を開きました。その時に目に飛び込んできた一節が忘れられません。 「げに秋深き今日の日は石の響きの如くなり。」 読んだのは春先でしたが、この寂寥感たるや、一気に秋のような虚しさを感じました。石の響き、というの

          エッセイ:忘れられない一節

          詩「白鯨:嵐」

          空を見上げれば綿雲が 白鯨と見紛うほど雄大に 青空の底を泳いでいた 息を呑むほどの大きさで 足がすくむような純白で 青海原を泳ぐように あの雲の大きさが あの白の恐ろしさが 写真に写せてたまるものか あの雲の上に神様がいるのなら 恐ろしい雨を降らせてくれよ 雷さえ鳴りて命限りと思えるような 岩をも動かすほどの暴風を 世界を沈めてしまうほどの嵐を その雨の後に泳ぐのは 空浮かぶあの白鯨だ ---------------------------------------

          詩「白鯨:嵐」

          詩「白鯨:病室にて」

          白い夏の陽、病室にて 横たわるあなたの影を見た 小説を持つその指先は 細く悲しく、白鯨のよう 海を泳いでいるかのように あなたの瞳はやさしかった あなたの指に触れた 夜の海の冷たさに触れた あなたの髪を梳いた 海の底の静けさを感じた ベッドに差した木漏れ日に 訳も分からず苦しくなった 水に窒息するようだった 声が出ない事に気がついた ただ声も無く、海の底へと沈んでいく

          詩「白鯨:病室にて」

          詩:林檎を一つもぎります

          あなたとの思い出が詰まった 林檎を一つもぎります 口に運ぶと少し甘くて 少し苦くて悲しくなります 少し疲れたから木陰で一休み 空の上、大きな雲を見上げます 流れの早いあの入道は あなたの所まで届くでしょうか 家に戻り、部屋から窓の外を覗くと あの木には檸檬が成っていました その淡く綺麗な黄色と言ったら 鼻を撲つ匂いがするようでした 白百合を愛でるあなたの影が 今も頭に浮かびます あなたが手折ったあの花は 机の上の花瓶にあります とっくに枯れてしまったけれど それでも愛

          詩:林檎を一つもぎります

          詩:もし太陽を見た事がなかったら

          夜明けがいつ来るのか分からなくて 今日も一人 詩ばかり綴る もし太陽を見たことがなかったら 朝を待つこの心はこんなに苦しくないのに もし太陽も見たことがなかったら 明日に期待することもなかったのに あの海辺の暁光を見てしまったから、 不明瞭だった境界線を浮かび上がらせ 夜を明るく照らし出した、強く明るく 残酷なほど美しい太陽の光を 窓を開けると月が覗き込み 水のような月光が部屋を浸す 夜明けがいつ来るのか分からなくて 今日もまた あなたの詩を綴る どれだけ夜が深くて

          詩:もし太陽を見た事がなかったら

          エッセイ:コンバースが破れた

          最近、歩いてると踵が痛いなぁなんて思ってたんですけど、今日確認したところコンバースの踵の部分が破けていた事がわかりました。 履き潰していたので、中がだいぶ汚れっちまってました😢見苦しくてエッセイは、短文で書かれた文章のことです。すみません。中敷というか、踵の部分ですね、かなり豪快に破れていました。靴に詳しくないので正式名称は分かりませんが、破れた箇所からプラスチック製の型?のようなものが出てきて踵を攻撃していたようです。 もともと歩くのが得意じゃないので、靴が変形するのは

          エッセイ:コンバースが破れた