さえお
俺が働く街、御徒町。冴えないリーマンの唯一の楽しみ。それはランチタイム。独断と偏見に満ちた昼メシレポート。
御徒町(おかちまち)というエリアを貴方はご存知だろうか? 東京都台東区のJR上野駅の隣に位置する駅である。 改札を抜けるとすぐに有名なアメヤ横丁(通称アメ横)の入口があり、駅前には宝石店が軒を連ねるジュエリータウンとしても有名だ。 駅周辺には、居酒屋を中心とした飲食店も多く、色とりどりのネオンが輝き、仕事終わりの呑兵衛たちの楽しそうな笑い声が聞こえる。 今回なぜこの土地をフューチャーしようと思ったのか。 それは単に私の勤める職場がここにあるからだ。 このnoteで
御徒町タイム18:20。 やっと終わった。 クソみてぇな一週間が。 全く働かない同じチームのジジィが実は課長の職位だと、初めて同僚から教えてもらい憤慨して職場のビルを後にする。 あんなに席を離れてタバコ休憩ばかりしてるクセに給料は俺の倍もらっていると思うと腹が立つ。 世の中不公平だ。 せめて、電話番やってくれ。 と、その時LINEに通知が来てた。 妻からのLINE。 唐突に御徒町駅前のパンダ広場の画像が。 これは、何を意味するかと言うと、妻が現在御徒町にい
御徒町タイム、午前6:25。 改札口を出てすぐのところ。 いつも横目に前を通り過ぎる。 「よもだそば」 当然だが、まだやってない。 いつも気になっているのが、看板のフレーズ。 よもだカレー。(インドカレー) そば屋のクセにインドカレー。 非常に気にはなっていた。 その日のランチタイム。 すっかりカレーの口になっていた。 しかし、外は横殴りの雨。 傘を両手持ちの大剣のように構えても、ズボンの裾がビチョビチョになるヤツだ。 仕方ない。 近くのあそこへ行
遅くなった。 御徒町タイム現在15:00。 もはや、ランチタイムではない。 電話番で出た電話の取引先のオヤジの話が長引いたのだ。 要件は1分で済んだのだが、その後、オヤジの武勇伝から身の上話に展開し、14:15に出た電話が終わったのは35分後だった。 鼻をほじりながら 「流石ですねぇ!社長!」 鼻毛、耳毛のチェックをあちこちしながら「ご尽力いただきありがとうございます!」 などと持ち上げ、さっきやっと解放されたのだ。 休憩から職場に戻って、ちょっと仕事したら退
グランドライン。 JR御徒町駅からアメ横へ渡る横断歩道を二分したライン。 御徒町駅から春日通りを渡った所が上野、手前が御徒町。 俺の中で、勝手にそう定義している。 なぜなら、休憩時間に職場のビルに戻れるか否かのギリギリのラインだからだ。 第13話で紹介した御徒町パンチョまでが俺の中のレッドライン。 店が混んで提供までに時間がかかってしまえば、それでアウト… パンチョは人気店なので、正直言って食べ終わった頃には残り時間が20分と危ない所だった… だが、俺は御徒町
御徒町、午前6:30。 ここは昭和通り。 人もまばらな早朝の時間帯。 急ぎ足で目の前を歩くリーマン。 小走りで駆けていく作業着のオッさん。 フッ・・・ アレッ? き、消えた・・・ 次々と目の前の人が消えてゆく。 こ、これは神隠し! 謎のミステリースポットに近づいてみる。 早朝なのに灯りがついてる店。 そうか。 神隠しの真相はこの店だ。 コーヒーショップもまだオープンしていない時間。 まだ明けきらぬこの街に浮かぶ、オレンジに灯る看板を目指し、オッさ
キムタク。 またの名を木村拓哉(さん) 老若男女問わず絶大な人気を誇る国民的なスーパースター。 そして俺と同世代。 だがそれはどうでもいい。 そんな彼の活躍する数々のドラマの名作たち。 「あすなろ白書」 「若者のすべて」 「ロングバケーション」 リアタイで見ていた世代である。 だが、人の興味と記憶はそう長くは続かない。 「あすなろ白書」に実は若かりし頃の西島○俊が出ていた事を皆忘れているように… 色んな事が忙しくなり、すっかりドラマを見る事がなくなった
「カーンチ!」 鈴木保奈美が後ろから声をかけ、織田裕二が振り返る。 柴門ふみ原作の月9ドラマの名作 「東京ラブストーリー」 そして、クライマックスに小田和正の「ラブストーリーは突然に」が流れ… ふたりはすれ違う。 そう、いつもすれ違う。 携帯電話なんて無かった時代。 黄金期の月9の良い所は、すれ違う恋人たちのもどかしさ。 保奈美がスッとスマホを取り出し 「あ、カンチィ?今どこぉ?」 何て事になったら、興ざめだ。 ただ、この文明が発達した令和の時代にもす
侍ラーメン 正しくは「横浜家系らーめん侍」 遡ること約15年前。 俺はブラック会社にいた。 明治通りの渋谷警察署近くにその会社はあった。 ブラック過ぎてスタッフの殆どが逃げ出し、潰れるまでの最後の3年間。 この地で生殺与奪の権利を名古屋出身のチンピラオーナーに握られ野良犬のような生活を送っていた頃。 約10年間勤めたこの会社の最後の3年間は明らかに経営が傾いていた。 ある事件があってから俺はオーナーの逆鱗に触れ、横領の濡れ衣を着せられた。 要は口減らしで、気
時代は変わる。 タイムイズチェンジン。 あれだけ仲の悪かったノエルとリアムが和解してオアシスが再結成したり。 リンキンパークの新ボーカルが女性になったり。 だがしかし、変わらないものもある。 いつもは昼メシレポートをしている俺でも、金曜日の夜はたまには飲みに行く。 職場の帰り道にいつも気になっていたストリートがあるのだ。 いわゆるコリアンタウン。 キムチ専門店やら、焼肉店やらがひしめく昭和レトロな一角がいつも気になっていた。 その中で一際興味を引く店があった
韓国。 海外旅行で10年位前に行った場所。 韓国通の当時の上司に連れられ、初めて行った真冬の韓国。 到着してすぐに連れて行かれた、冷麺が美味いと評判のおばあちゃんの家みたいな店。 震えながら食べた氷の浮いた蕎麦みたいな色の細い麺。 あまりの寒さに正直味は覚えていない。 そして、暖房のない店内でドラム缶の上で焼くカルビの店。 吹雪の中、夜に食べたネギたっぷりのタッカンマリ。 屈強なオッさんに、台の上で全裸で擦りまくられ、途中ぬるま湯をブッカケられ、寒さに震えたサ
やっちまった。。。 午前中に客先への電話でミスってしまった。 致命的なエラーではなかったが、気分はモヤモヤしたままだ。 誤解しないで欲しいのだが、仕事のミスなんてどうでもいい。 会社の評価など俺には関係ない。 ただその後の後処理で昼メシに出る時間が遅くなってしまうのが嫌なのだ。 こういう時俺は辛いものを食べたくなる。 これは、脳が辛いものを接種する事により麻薬物質を分泌させてストレスを鎮静化させるために起こす行動らしい。 そんな事はどうでもいい。 とにかくス
御徒町。 ここにはありとあらゆる国から観光客が集まって来る。 大体は上野の観光に来ているのだろうが、外国人向けの宿泊施設がこの辺に多いのだ。 デッカいリュックとキャリーケースを転がし、通行の妨げなどお構いなしに大声をあげながら団体で行動する。 「いい気なもんだ」 こちとら、これから行きたくもねぇつまんねー仕事へ向かう途中なのに。。。 プーーーン。 いい匂い。 金髪の腹の出たイギリス紳士が片手にパンを持っている。 ホットドッグなんかで使う真ん中に切れ込みの入っ
午後14:00。 マイランチタイム。 御徒町の迷路のような裏路地を今日も彷徨い歩く。 今日はいつもの店じゃない所へ行ってみたい。 少し遠くまで歩く事にした。 早速、古びた蕎麦屋を発見。 だが、近づいてみると、本当にただ古びて廃業してる店であった。 ガソリンスタンド、法務局… メシ屋は見つからない。 仕方ない、引き返すか… そう思った瞬間。 見慣れたノボリが見えた。 【ラーメン】 もう他の店を探す時間はない。 とりあえず飛び込む。 俺は、食べログの
炒飯(チャーハン) 炊き上がった白飯を具材と共に油で炒めたもの。 和の具材と合わせた薄味のものは焼飯というのが俺の認識だ。 今日俺が食いたいのは。 しっとりとした、味の濃いヤツ。 何なら化学調味料タップリでラードで炒めた、胸焼けするほどジットリした炒飯が食いたい。 そんな欲求を抱えて今日も電話番を終えた午後13:30。 さて、行くか。 今日はあそこだ。 炒飯単品だと少し寂しい。 餃子とセットにすると腹が膨れすぎて、午後から強烈な睡魔に襲われるに違いない。
午後1:30 ようやくピークのランチタイムから第一陣のスタッフが昼休憩を終えて戻って来る。 ヤツらが昼メシを食ってる間、俺は取引先の電話を優先的に取らなければならない。 いわゆる電話番ってやつだ。 電話が鳴るのを待つ間、PCをカタカタ動かしながら考える。 「今日の昼メシは何にしよう」 結局、職場のエレベーターを降りて職場のビルを出るまで何も思い浮かばない。 そんな時は一択だ。 「今日はあそこだな」 町中華。 豊富なメニュー。 定食から麺類何でもござれだ。