御徒町エレジー第1話【いつも買えない吉池の弁当屋】
御徒町(おかちまち)というエリアを貴方はご存知だろうか?
東京都台東区のJR上野駅の隣に位置する駅である。
改札を抜けるとすぐに有名なアメヤ横丁(通称アメ横)の入口があり、駅前には宝石店が軒を連ねるジュエリータウンとしても有名だ。
駅周辺には、居酒屋を中心とした飲食店も多く、色とりどりのネオンが輝き、仕事終わりの呑兵衛たちの楽しそうな笑い声が聞こえる。
今回なぜこの土地をフューチャーしようと思ったのか。
それは単に私の勤める職場がここにあるからだ。
このnoteでは、ここ御徒町にて私が探訪した数々のスポットをシリーズ化して、今後ご紹介して行こうと思う。
昭和通りと呼ばれる大通りには様々なオフィスビル、飲食店、商店が立ち並んでいる。
筆者が勤める職場のビルからはスカイツリーを臨むことも出来る。
少し歩けば、日本が世界に誇るカルチャータウン秋葉原へ行くことも出来る。
そんな利便性の良い街だ。
そして、今回のテーマである吉池(よしいけ)という一風変わった鮮魚専門のデパートのビルが駅前にある。
ここでしか手に入らない新鮮な魚介類が買える鮮魚売り場や新鮮な食材を使った吉池食堂というのも併設している。
かく言う私も1Fの鮮魚売り場で以前ホタテ貝を購入した事がある。
身がドッシリ大きく、そしてブ厚く、濃厚な風味が感じられた。
価格はやや高めだったと記憶している。
いわゆるご馳走価格であった。
ちなみに9Fにある吉池食堂に食べに行った事はない。
新鮮な食材を使っているため、気軽に食べに行ける価格帯ではなさそうなイメージである。
ビルの反対側のガード下には、直営の居酒屋もある。
酒類は紙コップ、ツマミは紙皿で提供されるのだが、刺身や日本酒のクオリティが高く、おまけに安い。
立ち飲み形式なので、チョイ飲みで一軒目にオススメである。
さてここで急に、筆者である私の生活スタイルの紹介をブッ込ませて頂く。
私は、毎朝5:00に起床し職場の最寄りであるこの駅に6:30には到着する。
始業時間は9:30からである。
なぜそんなに早く出勤するかと言えばただ単に満員電車が嫌だからである。
到着しても流石に、この時間帯に営業しているのは、チェーン店だけである。
6:45からオープンする職場の最寄りのドトールで毎朝何らかの朝活をするのがルーティンなのだが、その道すがら通りかかる場所がいつも気になっている。
それが、こちら。
吉池が経営する弁当屋である。
以前13:30に購入しに出かけた時は営業していなかった。
その時は、今日は休みだったか。
そう思って、別の日の14:00位に店の前を通りがかった。
しかしまた、やっていない。
廃業したのだろうか…
いやいや、そんなはずはない。
毎朝ここを通る度、白いユニホームを着た従業員が開店の準備をしているのを見ているのだ。
その疑問は店前で立ち止まって、営業時間を見る事で解決した。
なんと営業時間が8:00から13:00と書いてあった。
どちらが本当かは実際に確かめてみる必要がありそうだ。
何と、限定的な営業時間!
実質午前中しか買えないのだ。
きっと、良い食材を使っているから数量限定とかでしか出す事が出来ないのかもしれない。
否が応でも期待が高まる。
ぜひ食いたい。
この店の弁当が食いたい。
だが問題があった。
12:00から13:00は電話番をしなければならないので、ランチタイムにこの弁当を購入する事が出来ない。
となると、方法はひとつ。
始業時間が9:30からなので、ドトールを早目に退出して弁当屋のオープン時間に行けば、買いに行く事が可能である。
問題は購入した弁当をどこで食すかという事である。
毎日ランチは外食をしているので職場内の休憩室で、コソコソ弁当を食べる行為に抵抗があるのだ。
というか、絶対無理だ。
コロナ禍で染みついた忌まわしき習慣。
顔パンツ(マスク)のせいだ。
賃金を得る為だけに仕方なく働きに出てきているのに、仲良くもない同僚たちの前でパンツ(マスク)を下ろして、せっかくの弁当を恥ずかしそうに食べたくはない。
となると、公園のベンチか…
そこに座って食すしかない。
ただそうなると、天候が悪い日に購入は出来ない。
最高気温が30度以上の日もなるべく避けたい。
心地良い気候の日に開放的な気分で吉池の弁当を食したい。
ナイスコンディションの日。
そんな日を待つしかない。
生憎今年2024年9月現在気温が下がる様子は一向に見られない。
今日も仕方なく、近所の蕎麦の名店「かめや」にて蕎麦ではなく、うどんを啜る筆者であった。
果たして、吉池の弁当を食す日は来るのだろうか。
第二話へつづく。
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