無料連載小説|紬 14話 ベンチ
翌日、私はいつものように院内の外出を許可してもらい、病棟の外に出て一階の長椅子に座って純露を舌の上で転がしていた。今日は一階の駐車場に面した窓際にある長椅子を選んだ。特に変わった風景ではない、ただの駐車場に車が出入りするのが見える。いつか外に出るのかな。想像もつかない。ここはとても安全な場所な気がするし、ここから出たらまた私は壊れてしまうんじゃないかと思う。
窓の外には病院の職員さんがちらほらと行き来している。制服姿の看護師さんなんかはどこか後ろめたそうな印象だ。そんな駐車