白瀬隆

歯科医師・翻訳家兼コンテンツライター。 専門は口腔粘膜疾患。 泣けてリアルな感動する医…

白瀬隆

歯科医師・翻訳家兼コンテンツライター。 専門は口腔粘膜疾患。 泣けてリアルな感動する医療小説 キャンサーイート〜癌が喰う〜 2025年2月発売予定 詳しくは下記リンクより https://cancereat.blog メッセージはInstagramからお願いします。

マガジン

  • 【日記】白瀬の診察

    日々の記録です。皆様への感謝も綴っています。

  • 絶望のキッズ携帯

    全ての引きこもりに捧げる! 【あらすじ】 嫁の友達である神戸在住42歳のババアには春から中学生になる不登校児の息子がいる。癇癪持ちでゲーム廃人のクソガキ。何とかならないかと嫁に相談していた。ヒステリックで神経質なババア。相談は罵りへと変わり、可哀想になったので俺が住んでいる長崎に気晴らしに来ないかと提案したところ、クソガキがやってきた。引きこもりのゲームバカは中華街から中華街へとやってきて、在宅フリーランスというゴミである俺と出会う。ガキで遊んでいた俺は、いつのまにか前に向かう勇気をもらうことになり…。

  • 【徹底紹介】キャンサーイート〜癌が喰う〜

    2025年2月発売予定の白瀬隆著、「キャンサーイート〜癌が喰う〜」を紹介していきます。まずはプロローグからお楽しみ下さい。登場人物の紹介なども追加していきます。

  • 詩集|歌詞になる前の短編集

    メロディに詩をのせるとき、物語を削っていきます。削られる前の物語を短編集にしてみました。 どんな演奏にのせるかは、ご自由に想像してください。出来上がった歌詞も載せません。曲をどこかに投稿もしません。なんとなく楽しんでいただければと思っています。

  • 白瀬歯科医院〜悩める僕と大好きな歯医者さん〜|連載小説?

    僕は小学五年生。いろいろなことに悩み始める年頃だ。何かに疑問を覚えたり、つらいことに直面したときは、近所の歯医者さんである白瀬先生のところへ駆け込む。大好きな先生はいつだって僕を救ってくれる。そう、間違えた答えで。

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キャンサーイート〜癌が喰う〜|長編小説発売予告

泣ける本格医療小説 キャンサーイート〜癌が喰う〜 2025年2月発売予定 ストーリー そしてジミ・ヘンドリックスは悲しく響いた かつてオペの鬼と呼ばれ、大学病院の耳鼻咽喉科でメスを握っていた北里純は、娘のように可愛がっていた歌姫、麻酔科医の倉木真弓の後ろでドラムを叩いていた十年前を思い出していた。それは真弓も同じだった。オペ室で心電図モニターの音を聞きながら、口腔外科の神谷圭吾を思っていた。北里の親友であり、患者となった圭吾。真弓の患者となり、恋人になった歯科医師。圭

    • 【日記】白瀬の診察;2024/11/11(日)悲しみに暮れた白瀬

      僕は昨日頑張りました。たまには人の役に立とうと、歯科医師として文章を書きました。しかし閲覧数を見て愕然としました。ほとんど読んでいただいていない。 病気のこととか歯科医師らしい白瀬には皆様あまり興味がないことが分かりました。まあ皆様が健康だということなら安心なのですが、歯科医師ってこんなに興味を持たれない仕事なんですね。今日アクセス状況を確認し、涙を濡らしながら二度寝しました。12時起床は最高ですね。 そんな白瀬ですが、無謀なことに開業計画を進めています。かつて翻訳事務所

      • 【日記】白瀬の診察;口腔粘膜疾患って何?

        こんばんは、白瀬隆です。今日は突然ですが、僕が専門としている口腔粘膜疾患というものがあまり知られていないので、こちらで紹介してみようと思います。たまには有益な男、白瀬です。 口腔粘膜疾患と言ってもたくさんありますので、僕が特に取り上げたい3つの病気に絞ってご紹介させていただきます。一般的な歯医者さんやお医者さんがあまり診たがらない厄介な連中ですので、当てはまる方がいたらコメントをいただければお答えできる範囲で返信させていただきます。それでは早速。 口腔乾燥症(ドライマウス

        • 【長編連載小説】絶望のキッズ携帯 第11話 太麺皿うどん

          長崎空港からの高速バスは繁華街から少し離れたところにある長崎バスターミナルとかいう建物に着く。俺たちは午後八時にそのボロボロの建物に降り立った。ガキは明らかに落胆している。無理もない。アル中のおっさんが三人でワンカップ大関を飲んでいるような空間だ。長崎の玄関は廃墟なのだ。長崎は人生のターミナルと言っても過言ではない。そうは言えど、さすがに高速バスが着く場所だけあって、観光地までのアクセスはいい。中華街まで徒歩2分だったりする。もちろんガキを案内するのも、最初は中華街だ。 長

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        キャンサーイート〜癌が喰う〜|長編小説発売予告

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        • 【日記】白瀬の診察
          5本
        • 絶望のキッズ携帯
          11本
        • 【徹底紹介】キャンサーイート〜癌が喰う〜
          3本
        • 詩集|歌詞になる前の短編集
          9本
        • 白瀬歯科医院〜悩める僕と大好きな歯医者さん〜|連載小説?
          12本
        • 連載中無料小説|紬(長編恋愛小説)
          37本

        記事

          【登場人物紹介】キャンサーイート〜癌が喰う〜 神谷圭吾

          「キャンサーイート〜癌が喰う〜」の主人公を紹介します。 神谷圭吾、二十八歳。地方国立大学の医学部附属病院で口腔外科に所属している歯科医師。同科の大学院二年生。腫瘍学の研究に従事していたが、口腔外科准教授の堀下浩二の妨害に遭い、現在研究テーマはないに等しい。ジミ・ヘンドリックスを愛する超絶ギタリスト。使用ギターは中古で購入したFender USAストラトキャスター。ファズフェイスとVOX社のワウペダルを使用し、アンプはマーシャルと決めている。 2025年2月発売予定 キャン

          【登場人物紹介】キャンサーイート〜癌が喰う〜 神谷圭吾

          小説のPRのためとはいえ、インスタに載せる写真がなかったからといって、僕の写真を使うのはどうかと思う。ただ妻には逆らえない。今インスタに投稿してます。

          小説のPRのためとはいえ、インスタに載せる写真がなかったからといって、僕の写真を使うのはどうかと思う。ただ妻には逆らえない。今インスタに投稿してます。

          【日記】白瀬の診察;2024/11/7(木)白瀬歯科医院開院計画中

          こんにちは。 たくらむ歯科医師、白瀬隆です。 時は来ました。 来たつもりになっているだけかもしれませんが、この手のことは勢いも重要です。 今、妻と白瀬歯科医院の開院について計画を立てています。 インプラント埋めませんかー!! セラミックどうですかーー!! 矯正ホワイトニングでデンタルIQガーー!!! などと言わないクリニック。 本当に困っている人をそっと救うクリニックです。 僕は口腔外科に所属していたときから口腔粘膜疾患、特にドライマウスや舌痛症に興味を持ち、国内外の

          【日記】白瀬の診察;2024/11/7(木)白瀬歯科医院開院計画中

          【先行公開!】キャンサーイート〜癌が喰う〜 1話 プロローグ

           時は2010年、今から十年前だ。世間はバンクーバーオリンピックに出場した浅田真央の話題で大盛り上がりだ。そんな時代の話になる。もちろんこの頃には働き方改革などはなく、大学病院の職員は多忙を極めており、皆慢性的な睡眠不足だった。  地方都市にある大学病院で、耳鼻科の手術が行われる直前のことだ。執刀医の北里純は、白髪をジェルで固めたオールバックの上にオペ帽を被り、手洗い場に向かってオペ室の廊下を歩いていた。すれ違う若手外科医の多くは長身で目立つ北里を見つけると、笑顔で挨拶をし

          【先行公開!】キャンサーイート〜癌が喰う〜 1話 プロローグ

          【ストーリー】キャンサーイート〜癌が喰う〜

           大学病院で口腔癌の治療に携わっていた口腔外科医である神谷圭吾は、ハラスメントと長時間勤務の中で疲弊した日々を送っていた。不遇な生い立ちを思い出したある夜、圭吾はその淀んだ日常に嫌気がさした。  仕事を放棄し、圭吾が憂さ晴らしに向かった店はライブ&バー・レッドハウス。ジミヘンドリックスを敬愛するギタリストである圭吾は生音を欲してドアを開けた。  そこでは同じくジミヘンドリックスを愛するドラマーで、オペの鬼と呼ばれる敏腕耳鼻科医の北里順がドラムを叩いていた。また華やかなジャ

          【ストーリー】キャンサーイート〜癌が喰う〜

          【長編連載小説】絶望のキッズ携帯 第10話 長崎市内行き高速バス

          俺とガキは並んで席に座った。出だしから立腹していたガキだったが、気分はすぐに持ち直したようで、外の景色に夢中だ。俺はそんなガキを見ながら、この間まで精液だったんだから仕方ないなと呆れていた。しかしせっかく来たのに会話がないようでは意味がない。バーで一人、ウイスキーをロックで飲みながら時間を潰している女を包み込むような声で、大人の余裕を感じさせる言葉をかけた。 「お前んちのババア、頭おかしいのか?」 ガキの空気が凍った。二杯目はフローズンダイキリだ。人の母親に何てことを言うんだ

          【長編連載小説】絶望のキッズ携帯 第10話 長崎市内行き高速バス

          【長編連載小説】絶望のキッズ携帯 第9話 出発

          翌日、ガキは空港へと送られた。一応本人も興味を示していたようだから拉致や虐待の類には当てはまらないだろう。それにこの時代だ。LINEがある。困ったときはビデオ通話で居場所を探せばいい。俺はババアにガキの連絡先を聞いた。 教えられたのは今時珍しく電話番号だけだった。古風な家柄に相応しい。やはり陶芸家の孫だ。あまり新しいものを取り入れることを快く思わないのだろう。しかしババアが口にした、ガキの携帯電話でLINEが使えない理由は革新的だった。 「キッズ携帯だからLINEが使えなく

          【長編連載小説】絶望のキッズ携帯 第9話 出発

          【長編連載小説】絶望のキッズ携帯 第8話 ガキ

          ババアの酎ハイが3本目に差し掛かった。大人の意見が聞きたいと言ったババアはブレスを挟むことなく捲し立てている。きっといいラッパーになれる。口を挟む余地を与えない鋭いリリックに、俺は医療従事者特有の心無い頷きで対応していたが、一向に話が進まないので腹が立ってきた。一層のことガキと話したほうが早い。家にいるなら話せないかたずねたところ、隣に座っていたそうだ。おい、クソガキ。お前は自分の悪口を何時間聞かされてたんだ。まったく一方的なMCバトルだ。 ガキが画面に映った。確かに内気そ

          【長編連載小説】絶望のキッズ携帯 第8話 ガキ

          【長編連載小説】絶望のキッズ携帯 第7話 大学院

          歯科という業界が嫌になった俺は、正しいことをしてお天道様に恥じない人生を送ることを決意した。正しいこと。それは真実を追求することだ。そして真実を追求するという仕事の一つが研究者だと考えた。研究者になるためには大学院に行かなければならないため、研修医として働いた教室とは別の科の大学院に入学した。 結論から話す。教授だか教室に寄付をしないと学位をもらえない教室だった。ひどいや。俺の職歴がホワイト以下になった。もはや何もできない。仕方がないので論文の読み方などを勉強していたら、友

          【長編連載小説】絶望のキッズ携帯 第7話 大学院

          【長編連載小説】絶望のキッズ携帯 第6話 心眼

          院長はなかなかに物腰が柔らかな五十歳くらいの男だった。そしてクリニックもなかなかに繁盛していた。ここまで書くと、良い院長の素敵なクリニックと聞こえるかもしれないが、ここはなかなかに凄い。 まず、歯なんて見えないんだから削っちゃえというマインドを持っている。レントゲンで見えない小さい虫歯を心の目で見つけるのが一つ目の俺の仕事だ。あとはガンガンいくのみで、もともと何もないところなので程よいサイズに削って詰めたら終わりだ。 ここで注意してほしいことがある。このクリニックの場合だ

          【長編連載小説】絶望のキッズ携帯 第6話 心眼

          【長編連載小説】絶望のキッズ携帯 第5話 歯医者さん

          町の歯医者さんに勤めることになった俺は、郊外の焼肉屋さんというアットホームな空間で歓迎会を開かれた。自己紹介を早々に済ませると、衛生士さんや歯科助手の皆さんもそれぞれ名前を教えてくれた。和やかなパーティーだ。ジャイアンもスネ夫GDもいない。やはり町の歯医者さんには穏やかな空気が流れている。サバンナとは違う。 一同に酔いが回り、会話も弾んでいる。俺が六杯目の生ビールを頼むと嬌声まで上がった。俺の出身大学は長崎大学で、九州だ。酒は死ぬほど飲んできた。そんな俺にとって、こんな酒は

          【長編連載小説】絶望のキッズ携帯 第5話 歯医者さん

          【長編連載小説】絶望のキッズ携帯 第4話 研修医

          もともと俺は歯医者だった。正確には免許が取り消しになった訳ではないので現在も歯医者なのだが、歯科医師として働いてはいない。一応理由がある。まずはこれまでの経緯を書かせていただく。 俺が研修医のときに勤めた病院は恐ろしいところだった。だいたい午前7時から午前2時まで仕事をさせられる。歯医者というと定時上がりの年収一千万というイメージがあるかもしれないが、当時の俺は手取り二十五万でこの仕事をこなしていた。そんな時間に患者がいるのか不思議に思うかもしれない。しかし大学病院にはデー

          【長編連載小説】絶望のキッズ携帯 第4話 研修医