光合成から意識まで、生命の根源を説くニック・レーンの本を紹介しまくる
こんにちは!
「noteの本屋さん」を目指している、おすすめの本を紹介しまくる人です!
今日は私の大好きな生物学者、ニック・レーンの著書を3冊、紹介します!
というか……、日本語で出ているのはこの3冊ほどかと思うので、この記事さえ最後まで読めば、あなたはニック・レーンマスターになれると思います。
ちなみに私はビル・ゲイツが絶対読むべき本で紹介していたことで、この本に出会いました。
それではわたしたち生体命の巨大な旅路を追う、壮大なスケールで3冊紹介しまくります!
まず、ニック・レーンとは?
ニック・レーンは、イギリスの生化学者で、ミトコンドリアの進化に関する研究で知られています。ミトコンドリアが古細菌と真正細菌の共生によって誕生したという共生説を提唱し、広く支持されていているそうです。(ごめんなさい、専門外なので調べて書きました)
1冊目『生命、エネルギー、進化』
『生命、エネルギー、進化』は、生命の起源と進化を、エネルギーの流れという視点から論じたものです。
この本の主なポイント!
生命は、エネルギーを効率的に利用するため進化してきた
酸素の出現は、生命進化の大きな転換点となった
ミトコンドリアの獲得は、真核生物の誕生に必要なエネルギーを供給した
性は、遺伝的多様性を生み出すメカニズムとして不可欠である
死は、生命の進化にとって不可欠である
『生命、エネルギー、進化』は、従来の進化論では説明できなかった、生命の多くの謎を解き明かす糸口となる本です。内容はわかりやすい語り口で、一般読者にも理解しやすいように書かれているので、専門書みたいに読むのが難しすぎる! ということもありませんでした。
また、科学的な根拠に基づいていますが、独創的な視点も盛り込まれていて、気付けばページをどんどん繰っていました。
そして、この『生命、エネルギー、進化』では、生命の起源と進化を、以下の5つの段階に分け、それぞれの段階においてどのようなエネルギーの流れがあったのかを説明しています。
無機物から有機物へ 地球初期の無機物から、有機物がどのようにして誕生したのか。熱水噴出孔や隕石衝突などの説が紹介されている
光合成の誕生 光合成によって酸素が生成され、地球の大気組成が大きく変化した。酸素の出現は、生命進化の大きな転換点となった
ミトコンドリアの獲得 古細菌と真正細菌が共生することで、ミトコンドリアが誕生した。ミトコンドリアは、真核生物にとって必要なエネルギーを供給する重要な細胞小器官である
多細胞生物の誕生 単細胞生物が協力し、多細胞生物が誕生した。多細胞生物の誕生は、生命の複雑性を飛躍的に高めた
性の誕生 性によって遺伝的多様性が生み出され、生物の進化を加速させた
これらの5段階において、生命は常にエネルギーを効率的に利用するために進化してきました。
例えば、光合成によって酸素を生成するようになったのは、酸素呼吸によってより多くのエネルギーを獲得できるためです。
また、本書では、死が生命の進化にとって不可欠であるという点を強調しています。死によって古い個体が淘汰され、新しい個体が生まれることで、生物はより環境に適応できるよう進化してきたのです。
この本は、生命の本質について考えさせられる、非常に示唆に富んだ内容でした。特に、エネルギーの流れという視点から生命進化を論じているところが斬新で、今まで知らなかった生命の側面を理解することができました。(できたかもしれないと言ったほうが正解ですかね……)
生命科学に興味がある人であれば、ぜひ一度読んでみることをおすすめします。
2冊目『ミトコンドリアが進化を決めた』
2冊目のこの本は、生命の進化におけるミトコンドリアの役割を論じた著書です。
この本の重要ポイント
真核生物の誕生 古細菌と真正細菌の共生によるミトコンドリアの獲得が、真核生物の誕生を可能にした
内部共生 真核生物細胞内に存在するミトコンドリアは、単なる細胞小器官ではなく、かつて独立した生物であった
生命のエネルギー革命 ミトコンドリアの獲得によって、生物はより多くのエネルギーを利用できるようになり、複雑な生命の誕生を可能にした
性の起源 性的な生殖は、ミトコンドリアDNAの多様性を生み出し、生物の進化を加速させた
老化と死 ミトコンドリアは、老化と死の原因であると同時に、生物の進化にとって不可欠な役割を果たしている
同じ著者なので、少しかぶってしまうところもありますが、この本では、ミトコンドリアが生命進化に果たした重要な役割を明らかにしています。従来の進化論では説明できなかった生物の謎を解き明かしています。
ミトコンドリアが単なる細胞小器官ではなく、かつて独立した生物であったという点が、結構驚きだったので、皆さんも読んでみてほしいです。
余談ですが、この本に付けられていた帯の惹句は瀬名秀明が書いていたようにます! わたしの愛読書である瀬名秀明のデビュー作『パラサイト・イヴ』(角川書店1995,4月)はミトコンドリアの叛乱を描いたSF小説。分子生物学というサイエンスの領域をホラーの形式で掘りさげた本作は、学会に通暁する研究者視点によって書かれたことで話題になりました。『ミトコンドリアが進化を決めた』を読んだことで、より理解が深まったように思います!
3冊目『生命の跳躍ーー進化の10大発明』
3冊目のこの本は、地球誕生から人間誕生までの生命の歴史を、10の重要な進化の出来事「発明」に焦点を当てて解説したものです。その発明は以下の通り。
10の「発明」
生命の誕生 約38億年前の地球上で、最初の生命がどのように誕生したのか?
DNA 遺伝情報を記録・伝達する仕組みと、生命にとっての重要性とは?
光合成 植物が太陽光エネルギーを利用して生きる仕組みと、地球環境への影響は?
複雑な細胞 真核生物を構成する細胞の構造と機能、そして多細胞生物の誕生について。
有性生殖 遺伝的多様性を生み出すメカニズムと、進化への影響について。
運動 動物が運動する仕組みと、生存や繁栄にどのように役立つかについて。
視覚 視覚器官の進化と、動物にとっての重要性について。
温血性 体温を一定に保つ仕組みと、恒温動物の生存戦略について。
意識 意識の起源と、脳の働きについて。
死 死が生命にとってどのような役割を果たしているのかについて。
本書では、これらの「発明」が互いにどのように繋がり、生命の進化を促進してきたのかを丁寧に解説しています。 単に生物学的な知識としてだけではなく、生命の神秘や壮大な歴史を理解し、私たち自身がどのように進化してきたのかを考えるきっかけを与えてくれます。
『生命の飛躍 進化の10大発明』は、生命の歴史を新たな視点から捉えさせてくれる、非常に興味深い書籍でした。専門的な知識がなくても理解しやすい内容なので、多くの人にオススメしたいです。 特に、生命誕生と死という一見相反する2つの「発明」が、実は生命にとって不可欠なものであるという点は、深く考えさせられました。 生命の神秘を探求したいと感じている人であれば、ぜひ一度読んでみることをオススメします。
ということで、今日はニック・レーン先生の3つの著書を紹介してみました。気になった本が一冊でもあったら、ぜひ買ってみてください!
あなたもニック・レーンと共に、生命の奇跡を見つめてみませんか?
【編集後記】
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