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ごめんなさいが止まらない

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18歳で上京して以来、日々暮らす日常の時の中で胸の奥底からズゥンという嫌な感じが突き上げてくることある。その度にグッと嗚咽をするように背中をすくませる。ものすごい罪悪感・自己嫌悪…
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#不安障害

あとがき 苦しみを抱えるあなたへ

あとがき 苦しみを抱えるあなたへ

 私はこの文章を私と同じように機能不全家庭に生まれて生きづらさを感じていている人に読んでほしい。私は10代は親からの過剰な干渉に苦しみ、20代30代は、その後遺症である心的外傷ストレス症候群と解離性同一性障害に苦しんできた。「なんで?どうしていつも私はこうなんだろう?助かりたい、変わりたい」と思いつつもどうすればいいのか、自分の性格がおかしいのか、病気なのか何なのかさえ分からず。ずっと何も見えない

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謎の生きづらさの正体

謎の生きづらさの正体

 自分がどうなりたいとか、子供をどうしたいとか、親がどうしてほしいとか、兄弟をどうにかしたいとか、恋人をどうしたいとか、そういうことから離れて生きることができたなら、なんと楽なことだろう。思い浮かべるだけで呼吸が楽になり、目の前が明るくなるような気がする。

 ある日、自分という種が偶然この世の土に蒔かれて、芽が出て、それが育ち、いつか死ぬ。私たち人間を種と例えるなら神様はこの空だ。空は変わらず私

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思い出の味

思い出の味

 誰にでも思い出の料理があるはずだ。私の思い出の料理は、お母さんの作るオムライスだ。小さい頃、自営業のビルの一角で昔ながらの雰囲気の喫茶店を経営していた母は、よくオムライスを作って出していた。チキンを細かく切って玉ねぎとケチャップとご飯を合わせて炒めたチキンライスを薄い卵焼きでくるりと巻く。今はやりのトロトロ卵じゃなくて、クレープみたいな黄色い卵焼きでチキンライスを包むのだ。そしてケチャップが上に

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上質な「おばちゃん浴」を求めて vol.2

上質な「おばちゃん浴」を求めて vol.2

 「おばちゃん浴」それは、お母さんが、ただそばにいてくれているような雰囲気や安心感を身近にいる母親と同じくらかそれ以上の年齢のおばちゃんたちとの触れ合いを通して感じる擬似行為。例えば、私がぼおっとテレビを見ている横でお母さんがスーパーのチラシを見ながら「最近あの店あの商品売ってないわね」とか「あ、図書館に本返すの忘れたわ〜 今日近くに行ったのに、もぉ〜」とかいう独り言をなんとなく聞くような、そうい

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回復へ 片付けが、苦しい。

回復へ 片付けが、苦しい。

 一人目の子供を出産して1年くらいした頃、中古の家を買った。古いけど、その代わりとても広くて良い家だった。リビングダイニングの他に4部屋もあるのだ。都内に住んでいた時は、考えられない広さだけど、ここは田舎だから、そういうびっくりするような広さの中古の家が都内でワンルームマンションを買うくらいの値段で普通に売りに出ているのだった。 

 私たちは、その4つの部屋を、①家族みんなで寝る寝室、②旦那の部

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機能不全家族と不安障害

機能不全家族と不安障害

 機能不全家族(きのうふぜんかぞく、英: Dysfunctional Family)とは、家庭内に対立や不法行為、身体的虐待、性的虐待、心理的虐待、ネグレクト等が恒常的に存在する家庭を指す。機能不全家庭(きのうふぜんかてい)とも称され、その状態を家庭崩壊(かていほうかい)、もしくは家族崩壊(かぞくほうかい)と言われている(英語では family breakdown と表記されている。(出典:ウィキ

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私の心は、ゴミ屋敷。

私の心は、ゴミ屋敷。

 36歳の時、心療内科の先生から「君の症状は、典型的なPTSDの症状だね」と診断された。その後、解離性同一性障害もあることがわかった。私の通っている心療内科の先生は、患者にはっきりとした病名はつけないし告げるのがあまり好きではないらしい。「あなたは、XX病です」「あなたは〇〇症です」と言って、患者を病気の型にはめて限定して扱うのが嫌いなのだそうだ。先生曰く、「僕のすべての患者さんは、みんなただの不

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季刊誌「Be!」

季刊誌「Be!」

 次男を産んでから「あ、私、もう一皮剥けそうな気がする」と云う気がしてきた。2度目の出産後の私の体調は良かったし、一人目の産後は荒れて離婚寸前だった旦那との関係も2人目の子供の出産後は、良好だった。1人目の赤ちゃんを産んだ時は、猛烈な焦燥感に襲われて「やばい、やばい、どうしよう」という恐怖と不安が止めどなく溢れてきていた。でも、今回は違った。生まれた2人目の赤ちゃんのことも1人目の長男のこともかわ

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不安の海を漂う妊婦

不安の海を漂う妊婦

 妊娠中幸せな気分に溢れる女性も多くいるらしい。流行を通り越して今や普通になっているマタニティフォト(自分が妊娠している姿を撮る記念写真)では、大きなお腹を幸せそうな顔で撫でながら写真に写る女性が沢山いる。私は、マタニティフォトは撮らなかった。なぜなら私は妊娠中は、いつも不安でいっぱいだから。「元気に生まれてくるかな」「ちゃんと育てられるかな」「私がママで大丈夫かな」「お継母さんみたいに世の中には

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自分で自分のお母さんになる

自分で自分のお母さんになる

 長男を産んで1年ほどした頃だっただろうか。子供がだんだん自分で立ったり、歩いたりするようになった。赤ちゃんは、生まれてすぐから半年くらいは、一人で寝返ることもできない。だから最初の半年は、一方的に私が抱っこしたり、着替えさせたり、おっぱいをあげたりする日々だった。でも1歳過ぎた頃から「あーあー!」とか、そういう簡単な言葉のようなものを発したり、両手を広げて私に抱っこを要求したりするようなポーズを

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先生の治療3、 EMDR

先生の治療3、 EMDR

 さて私の治療の話に戻る。私は、先生に苦しかった過去の体験を紙に書いてくるように言われた。私は自分の過去を思い出し、苦しくなりながらもそれをなんとか箇条書きに紙に書き出した。そしてそれについて先生の前で話をした。思い出しながら怒りがこみ上げてワナワナしてきたり、シクシク涙が出てきたりした。先生は相槌を打ちながらもそういう私の姿を観察しながら、淡々とカルテにメモをとっていた。そしてひとしきり私の話を

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先生の治療2、 安心が、わからない。

先生の治療2、 安心が、わからない。

 先生のところに初めて行った時に木の絵を描くように言われた。私の絵を見た先生は「君は、刺激しか求めてないね」と言って眉をひそめた。その後何度も通う過程で先生が私に再び言った言葉は「安心ってことが、どういう状態なのか君は、わからないんだね」という言葉だった。「刺激しか求めていない」といわれた時よりは受け入れやすい言葉だったが、「え?私そんなこともわかってないの?」と私は、キョトンとした。

 先生は

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先生の治療1、 先生との出会い

先生の治療1、 先生との出会い

 「10年来の鬱で引きこもりになってしまった親類を回復させた名医がいるからあなたも行ってみたら?」ということで友人が、心療内科を紹介してくれた。

先生のところに初めて行ったのは5年前。長男を産んで4ヶ月くらいが経った頃だった。今でも日々の生活で辛いことがあり気分が沈みすぎたり、昔のことを思い出して苦しくなったりすると行っている。逆に「最近調子いいから今のうちに通って自分に向き合ってみようか」と

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「また、お話聞かせてくださいね。」

「また、お話聞かせてくださいね。」

 心療内科で「何もできることはない」と言われ、保険がきくような病院だとダメなのかと思った私は、保険適用外の心理カウンセラーに予約をとってカウンセリングを受けに行ったりしたこともある。カウンセリング料は、だいたい1時間五千円〜1万円。正直言って頻繁に通い続けるにはきつい金額だ。1時間なんてあっという間に過ぎ去る。カウンセラーに現在の自分の不安な気持ち、一生懸命やってるつもりが問題に巻き込まれて困難な

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