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大人の英語講座

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文法をイメージでとらえること、文学の英語など。大人の学び直しの英語教科書。 エッセイも多く含みます。初級者から上級者まで、英語が好きな人が集まる場にしたいです。
単に学習法だけを取り上げるのではなく、英語の周辺の知識と身につける方法を考えます。また英語を学ぶ意…
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#英文法

動詞なのか、それとも形容詞なのか?

動詞なのか、それとも形容詞なのか?

「動詞」(過去分詞あるいは現在分詞)なのか、それとも「形容詞」なのかを判断する基準に、「very」で修飾されるのか、それとも「much」で修飾されるのか、という基準がある。
 「very」も「much」も、「とても」という意味の「副詞」だが、「very」は形容詞の意味を強めるときに使い、「much」は動詞の意味を強めるときに使う。
 

たとえば、次のような2つの文があるとき、「very」が適切だ

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中原道喜 | マスター英文解釈(聖文新社)

中原道喜 | マスター英文解釈(聖文新社)

 英文法書は何冊も持っているけれども、お気にいりの本は限られています。

 私は主に文学作品を読んで、英語学習をつづけています。当然のことながら、学校の教科書ではないので、非標準的な言葉の使い方やスラングも登場します。

 私の母語は英語ではありませんから、微妙なニュアンスはつかみきれません。なんとなく「こういう意味なのかな?」ということはわかっても、余計な誤解は招きたくありません。それゆえに、な

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Think different について

Think different について

「Think different.」

 スティーブ・ジョブズの言葉だと言われています。
 出典を調べてみましたが、最初に言われたのはいつなのかということや、前後の文脈がよくわかりません。

 この記事では、文献的な詮索をしたいのではなく、「Think different.」という短い言葉の文法について書きたいと思います。

「Think different.」というフレーズを単独で聞けば、
「(

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襲撃 | スタインベック

襲撃 | スタインベック


(1) スタインベック「襲撃」について

 スタインベックの短編小説「襲撃」を読みました。この短編小説「襲撃」(The Raid)は、Peguin Classics の John Steinbeck, The Long Valleyの中に収められています。また、「襲撃」の日本語訳は、大久保康雄(訳)「スタインベック短編集」として新潮文庫に収められています。

 「襲撃」はPenguin版では 6

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英語 | 形容詞の並べ方

英語 | 形容詞の並べ方

 久しぶりに英文法の話を書きます。今回は形容詞の配列に関する話題です。

(1) 形容詞の「限定用法」と「叙述用法」

 英語の形容詞には、大きく分けて、「限定用法」と「叙述用法」があります。

 叙述用法とは、She is charming and old. のように「○○(主語)は~です」という用法のことです。述語として用いられ、主語を説明する役割があります。

 それに対して、限定用法とは、

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一語の宇宙 | someとanyの使い分け

一語の宇宙 | someとanyの使い分け

 中学生で英語を学ぶとき、「some」も「any」も、「いくつかの」という意味で教えられることが多い。そして、「some」は肯定文で、「any」は疑問文・否定文で使いましょう、と。

 そのような「縛り」があるせいか、中学生の問題集をたまに眺めると、本来は「some」のほうがよいと思われる文脈でも、「any(この場合はsomeでもよい)」という解説があったりする。

 また、「いくつかの」という日

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AIを疑う | 英語5文型🤔ご意見求む!

AIを疑う | 英語5文型🤔ご意見求む!


(1) はじめに 英語5文型

 高校生が用いる参考書では、一般的に「英語の文型には5つの型がある」と説明されています。

第1文型(SV)
→「主語+動詞」
第2文型(SVC)
→「主語+動詞+補語」
第3文型(SVO)
→「主語+動詞+目的語」
第4文型(SVOO)
→「主語+動詞+目的語+目的語」
第5文型(SVOC)
→「主語+動詞+目的語+補語」

 英文がこのように、きれいに5つの

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文法 | 第4文型不要論

文法 | 第4文型不要論

 英語で学ぶ5文型。
 そのなかで、第4文型と呼ばれるのは、「SVOO型」(主語+動詞+目的語+目的語)である。

(1) 第4文型における「HAVE関係」

たとえば
He gave me a book.
(彼は私に本をくれました)のように、
「主語が(人)に(物)を与える」という意味を含むので、第4文型をとる動詞のことを「授与動詞」という。

 授与動詞が使われる場合は、どんな時もニュアンス

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一語の宇宙 | より多い | outnumber

一語の宇宙 | より多い | outnumber

outnumber (~の数より多い)。

「B(の数)よりA(の数)のほうが多い」なら、
The number of A is larger than the number of B. 
と比較級 (larger than) を用いても表現できますが、outnumber を使えば、

A outnumbers B. 
と簡潔に同等の意味を持つ文を作ることができます。

非英語ネイティブ・スピーカ

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一語の宇宙 | 3単現の -eth

一語の宇宙 | 3単現の -eth

  シェイクスピア前後あたりのちょっと古い時代の英語を読んでいると、3単現の「-eth」という形を見かける。

 リーダーズ英和辞典(研究社)で「-eth」をひくと、「エス」(「エ」は曖昧母音)あるいは「イス」[ iθ ]と発音するらしい。

 一般的によく使われるのは「現代英語」だし、非ネイティブ・スピーカーならば、いま現在使われている英語を使って読み書き出来ればよい、と思っている。

 けれど

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英語表現を覚えたらアレンジを加えてみよう

英語表現を覚えたらアレンジを加えてみよう


(1) make a contribution to ~ing

 たとえば「make a contribution to ~」(~に貢献する)と表現を覚えるとする。
 そのまま覚えておけば、少なくても他人の書いた文章のなかで「make a contribution to ~」という表現が登場すれば意味を理解することができる。

 しかし、このままだと「to ~」のあとに名詞がつづくのか、それと

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英文法 | 使役動詞の使い分け

英文法 | 使役動詞の使い分け

 最近、英文法の記事を書いていなかった。語学に関する記事を書くことが、そもそもnoteを始めた動機の1つだから、たまには初心にかえってみようと思う。

 わりと自分ではうまく説明できたかな?、と思ったのだが、あまり読まれることのなかった「使役動詞」の記事を加筆・修正してみた。

使役動詞とは?

自ら行うのではなく、
「相手に何かをさせる」という意味を表す動詞は「使役動詞」と呼ばれる。

このよう

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エッセイ | なんとなく繋げる表現法

エッセイ | なんとなく繋げる表現法


It being Sunday, I stayed at home all day. 

日曜日。私は一日中家にいた。


Admitting what she said was true, I kept quiet. 

彼女の言葉は真実だと認めた。
私は黙っていた。

①も②も、英文法では「分詞構文」と呼ばれる。
①のように、主語が異なるものを「独立分詞構文」と言う。

①の主語は、前半

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