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大人の英語講座

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文法をイメージでとらえること、文学の英語など。大人の学び直しの英語教科書。 エッセイも多く含みます。初級者から上級者まで、英語が好きな人が集まる場にしたいです。
単に学習法だけを取り上げるのではなく、英語の周辺の知識と身につける方法を考えます。また英語を学ぶ意…
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2025年1月の記事一覧

スタインベックの短編 | 朝めし (Breakfast)

スタインベックの短編 | 朝めし (Breakfast)

 今年になって、英語学習の一環として、ラルフ・エリソン「透明人間」を、原文で読んでいたのですが、少し飽きてきたので、ここ数日スタインベックの短編を読んでいます。1つの短編ならすぐに読み終わりますしね。

 「怒りのぶとう」という長編小説を書いたスタインベックは短編小説の名手としても知られています。

 ペンギン・クラシックスに収録されているスタインベック短編に「Breakfast」という作品があり

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ん | 日本語の発音、外国語を学ぶ意義。

ん | 日本語の発音、外国語を学ぶ意義。

 日本人なら日本語の発音なんて簡単だ!、と思いがちなのですが、意外と知らないことはあります。

 とりあえず下の写真をご覧ください。

「日本橋駅」の表記
Nihombashi Sta.

「毎日新聞」の表記
The Mainichi Shimbun

 ここで注目していただきたいのは「ん」の発音がどう表記されているのか、というところです。

 「日本橋」は「Niho『m』bashi」というように

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襲撃 | スタインベック

襲撃 | スタインベック


(1) スタインベック「襲撃」について

 スタインベックの短編小説「襲撃」を読みました。この短編小説「襲撃」(The Raid)は、Peguin Classics の John Steinbeck, The Long Valleyの中に収められています。また、「襲撃」の日本語訳は、大久保康雄(訳)「スタインベック短編集」として新潮文庫に収められています。

 「襲撃」はPenguin版では 6

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英語ギャグアンケート🙄Jokes / Behind the ears

英語ギャグアンケート🙄Jokes / Behind the ears

 英語でギャグを書いてみました。伝わるかな?
 あえて解説はしません。面白くなかったらゴメンなさい。

 もし「面白い!」と思ってくださる優しい方がいらっしゃいましたら、どのギャグがいちばん好きか、①から③の番号でお答えいただけると嬉しいです😃

ギャグ①

"You are really ignorant of the world. You are wet behind the ears."

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毎ショ [月夜の寝ぐせ] / Gemini英訳付き

毎ショ [月夜の寝ぐせ] / Gemini英訳付き

 国道8号線で前橋から新潟方面へ車を走らせた。前橋から小1時間経った頃、辺りに山が広がる。ここまで来ると、街中からだいぶ離れたな、と実感する。
 
 ここは沼田駅。周辺には人家が少ない。だが、街が広がっているのは、段丘崖の上の平地なのだ。沼田の中心部へ行くには、段丘を上っていかなければならない。

 利根川の上流にあたる川は、沼田では片品川と呼ばれる。日本を代表する河岸段丘はここにある。新潟へ急が

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英語 | 形容詞の並べ方

英語 | 形容詞の並べ方

 久しぶりに英文法の話を書きます。今回は形容詞の配列に関する話題です。

(1) 形容詞の「限定用法」と「叙述用法」

 英語の形容詞には、大きく分けて、「限定用法」と「叙述用法」があります。

 叙述用法とは、She is charming and old. のように「○○(主語)は~です」という用法のことです。述語として用いられ、主語を説明する役割があります。

 それに対して、限定用法とは、

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大統領の演説は良い英語教材だなと思う。

大統領の演説は良い英語教材だなと思う。

 先日深夜、トランプ新大統領の就任演説を生放送で聞いていた。一般的に大統領就任演説では、個別具体的な政策について言及されることは少なく、方向性や理念が語られることが多い。また、巧みなレトリックが散りばめられていて格調高い文章が並ぶ。

 トランプ新大統領の就任演説は、格調高いわけでもないし、個別具体的なことに言及している箇所が多かった。内容的には、選挙演説と大きく変わるものではなかった。けれども、

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10行詩 | 無になる瞬間

10行詩 | 無になる瞬間

One by one, I put what I thought into words, seeing the sun in the evening. 

But gradually and naturally, I stop to be what I am, forgetting all the words. 

In oblivion of words, I am nothing, being

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「透明人間」の非標準英語について

「透明人間」の非標準英語について

 何度か記事に書いていますが、現在、ラルフ・エリソンの「透明人間」を読んでいます。
 この本はアメリカ文学史に残る不朽の名著ですが、非標準的な英語がかなり会話に使われていて慣れないと読むのに手こずります。そうかと思えば、標準な英語で書かれている箇所には、難解な言葉が使われていて英語で読むのはけっこう大変です。

 この記事では、非標準的な英語で書かれている箇所と、標準的な英語で書かれている箇所を引

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高度な英語力とは?

高度な英語力とは?

 一週間くらい前から、Ralph Ellison, "Invisible Man"を読んでいる。1人称に3単現のSがついていたり、綴りがおかしかったり、musta (must have )などの短縮形が使われたりして、作中人物の非標準的な会話が読みづらい。

 考えてみれば、学校英語の試験問題や資格試験では、非標準的な英語にお目にかかることはまずない。しかし、小説の中では、非標準的な英語がひとつも

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一語の宇宙 | creole

一語の宇宙 | creole

 地図帳を見ていると、その国や地域で話されている主要な言語が掲載されていることがあります。
 英語、フランス語、スペイン語などの大言語とともに「クレオール語」が目立ちます。英語よりも広範囲に話されているような印象を持つと思います。
 「クレオール語とは何か?」という説明がないと、英語やスペイン語のような大言語だと錯覚してしまうかもしれません。

 言語学辞典では、クレオールは以下のように説明されて

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