花の王国(3) 有用植物
博物学者、荒俣宏【あらまた ひろし】さんの『花の王国』シリーズ、第三巻の『有用植物』です。このシリーズは、全四巻です。
『花の王国』シリーズの第一巻『園芸植物』と、第二巻『薬用植物』と、どちらも、私は、レビューを書きました。
しかし、なぜか、『花の王国』で検索しても、出てきません。それぞれ、『園芸植物』、『薬用植物』で検索して下さい。
そのかわり?、なぜか、この第三巻だけが、『有用植物』で検索しても、出てきません。『花の王国』で検索できるのは、この第三巻のみです。
内容については、まず、何よりも、図版が美しいです!
つややかなリンゴは、磨きぬかれた芸術作品のようです。真っ赤なイチゴは、小さな草とは思えぬ迫力です。精密に描かれたパイナップルは、南国情緒にあふれています。
どの植物も、たいへん魅力的に描かれています。
『有用植物』の巻ですので、果樹や野菜が、多く取り上げられています。
したがって、見慣れた植物が多いのですが、このように精巧な図版で見せられると、違った味わいがあります。
文章のほうも、味があります。
それぞれの植物について、簡単ながら、栽培の歴史や、利用の仕方を紹介しています。そこに神話や伝説もからむのは、さすが荒俣さんですね(^^)
まえがきでは、「有用植物と経済戦略」を取り上げています。有用植物とは、経済的価値を生む植物ですからね。どうしても、生ぐさい話も、からんできます。
それも、荒俣さんの筆にかかれば、あまり嫌な気分にならずに、楽しむことができます(^^)
以下に、本書の目次を書いておきますね。
金のなる木が育つ園――有用植物と経済戦略
オレンジ
キンカン
ダイダイ
マルメロ
カリン
リンゴ
ナシ
ウメ
ユスラウメ
スモモ
アンズ
ビワ
モモ
サクランボ
スグリ
ナツメ
キイチゴ
イチゴ
ブドウ
イチジク
(中略)
ヒョウタン
紙をつくる植物
クワ
ワタ
アマ
サボンソウ
レバノンスギ
イトスギ
プラタナス
ポプラ
モミ
セイヨウヒイラギ
トウヒ
カエデ
ボダイジュ
マツ
イチョウ
ユリノキ
オーク
タケ
天と地の庭園巡り
宇宙樹の庭
古代エジプトの庭
ヘスペリスたちの庭
ヴィラ・デステ
エピクロスの庭
など
参考・引用文献
図版出典索引
有用植物関係人名索引
用途索引
和名索引
学名索引
英名索引
参考文献(欧文)
参考文献(邦文)