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#日記

【ショートショート】夢の中

【ショートショート】夢の中



夢の中、線のように不確かな海辺で、ルアーを付けた釣り糸を水面に垂らす
一握りの憂鬱と釣り上げたいのは、魚ではなく言葉
ふいに潮風に似た風が髪を揺らし、風の行き先を目で追えば、
遠くに走り書きのような高層ビルの輪郭が見える
暮れると夜は無機質じみていて、
かつてときめいた記憶の隙間から
美しさを思い出せば、グラフィックで飛び出してくる

・ ●

思い出せば、それ以上は砂上の楼閣
砂を握るよう

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【詞】日没の歌

【詞】日没の歌

陽が深く当たり 紅い色が街を染める
家を求めて 人は帰路を行く

海辺からも人気はなくなり
微かに聴こえる波の音

耳に付けたイヤホンから
この景色の様な曲を流す

ものすごく遠くを行く鳥も
哀愁漂わせ過ぎていく

今日の陽は沈んでいき
薄暗くなっていく周りと

そんな空を見上げれば
そこには半透明の月

即興で作った詞と
今流れている音楽を合わせて

日没の歌を歌うよ
それを口ずさむよ

"夜に

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【詞】ただいま

【詞】ただいま

晩夏の道に麦が笑う
帰り際に会釈する
狗尾草摘んで、いつも手に振る私たちみたいな人と
 
半透明の月と滴る夕景
祠の傍で変わらず眠る猫
同じ街、何れの光景
途端、俄雨 若い雨

 
一夏の終焉と しずかな気楽と
そよいだのは 馴染みの声
繰り返す“ただいま”
 
どこか憂いの漂う外と 翌月へと継ぐ淡い波長
呟く 暮らしの音
鳴らした“ただいま”
 
 
タ凪の様に 心を撫でたなつかしさ
春を急いで

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【詞】冬眠(仮)

【詞】冬眠(仮)

眠れない夜に
魚が天の河渡る想像してる

眩い鱗は冬の星
源流まで白く色めく

私も透明傘に映る記録を
束ねては

名も付けずに風に乗せ
現世に似た地のあの人へ

魂を撫でる様に
都市部の蛍光がなびいてる

スワロー憩う夜の畦から
浮かべた願い

魂を撫でる様に
テーブルの上 言葉が踊ってる

スワロー似た絵を野原へ
儚いしゃぼんに手を振るみたいに

喩え虚空も恋しく感じるよ
枝分かれのあの葉はい

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【詞】ユーモア

【詞】ユーモア

読みかけの本を僕は棚に仕舞って
ペンを持ち 紙に文字を綴っていく
何の捻りもない徒然を書き起こし
古ぼけた箱のなかに溜めていった

偉そうにしていたんだ 仕舞いこむ所くらい
中身は全くの薄っぺらさ
愚痴の掃き溜めさ

まだ読みかけの本の影響受けて
構想も無しに
その日なりの気分で綴ったからさ

自分に備わってない可笑しさ
誰かを網羅し 零れる笑みが見たい
頑なでつまらない僕の頭のなかに
ユーモアが

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【詞】Now

【詞】Now

今、遠い 遠い 遠い土地の
また、何も 何も ない土地の

今、深い 深い 深い空と
また、長い 長い 長い海の

味を知る

味を知る

まるで此処は底のない
底のない哀愁 漂って

まるで残像を揺らして
そこに歩く人々がいる

まるで此処は底のない
底のない哀愁 漂って

まるで残像を揺らして
今心踊らす人々がいる

今、遠い 遠い 遠い土地の
また、何も 何も ない土地の

今、深い 深い 

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【詞】灯りが幾つ

【詞】灯りが幾つ

窓の外 同じ景色に
ほっとしたりする
何気ない毎日 変わらぬ儘で
在れる様に

言うほど欲張りはしないよ
この暮らしが続けばいいと
浮かぶ月 祈る様に
ふと一句詠んでみたり

灯りが幾つか
灯りが幾つと
おもかげに似た灯りがゆれては

鳴る鼓動 自分の心が
過ぎる季節にまた
年をとっていく

大きすぎる程の楽しみは
別に求めてはいないのです

ほどよいサイズの部屋と
何気なく漂う言葉や顔を見てたい

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【詞】雨に本音

傘を出して 傘を開き
雨粒の それぞれのリズム

雨に濡れたい 雨に触れたい 
無邪気なこども 自分の横目

傘が並ぶ 街を回る 
雨音の それぞれの唄よ

雨に濡れたい 雨に触れたい 
その内 そう想う

 
視界は雨に溢れている 心は雨には触れている
言葉を水に流している それは戯言も掻き消して
ふりそそぐ世界に

 
しゃら しゃら しゅら しゅら 
言葉 河に流している

しゃら しゃら 

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【詞】キンモクセイ

【詞】キンモクセイ

雫を求めているんだろうと

誰かの優しさから零れる
雫を求めているんだと
同じ様に
歩幅合わせて行ければいいな

他人行儀にあなたを見るけど
それも終いにしようと
ちょうど秋風の便りよ
心で描いた手紙を送ってくれないか

赤黄色 空に鳥たちが
イネが揺れる 窓を開けて
あの花の匂いも来るでしょう
乾いた天気に祈るでしょう

垢抜けたい 自分たちも
凪の様に 夕日に揺れる
その花を渡すでしょう
天気

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【詞】空気

【詞】空気

空気に乗った 
あるはずのない想像が遠くに浮かぶ
空気に乗った
もどかしい行動、言動 遠くに浮かぶ

空気の流れ ふと彼方へ
大きく伸びた背で あの頃
空気のなかで 振り返ってみた
ちいさな歴史

ゆらっゆらっゆらっ からの 
ふわっふわっふわっ

笑ってみても 泣いていても

ゆらっゆらっゆらっ からの 
ふわっふわっふわっ

有るのよ

空気の流れ ふと彼方へ
大きく明けた空に あの頃
空気の

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【詞】空の下

【詞】空の下

この空の下
火が堂々巡る
赤は空虚に添って
春を読み返す

あの空の下
趣のある古さと
廻る生き物の縁
秋風に載って

砂嵐舞う 生き急ぐ
素質を確かめる
砂埃舞う 生き急ぐ
樹木が霞むなか

陸で得た愛は水の色
叙情的な水彩の色
予見を測る 果ては遠い
虫の蜜舐めて泳ぐ

陸で得た愛は水の色
叙情的な水彩の色
予見を測る 果ては遠い
虫の蜜舐めて泳ぐ

君が風に仰いだ 掌の汗の純粋

陸を味見し

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【詞】それる

【詞】それる

次の季節色付く、僕は
何もかも 刹那に感じる

カランと鈴 鳥はさえずる
カフェが開く

もう1度 葉脈の様に
伸びる街の構図を
塊にせずに 1つ1つ

もう1度 葉脈の様に
伸びる街の構図を
塊にせずに 1つ1つ読み出すのは

螺旋なアートの側
どこへも続いてない段差

螺旋なアートの側
どこまでも続いてくダンサー

久々の詩です!

【詞】Meow

【詞】Meow

純文学の方に行った猫
僕の横目に風の種が笑ってます

純文学の方に行った猫
書店の扉 開けて

僕の論理や感情は蕾です
起床して読む本に君を感じます

僕の論理はいまだに未熟です
深く炒って その時を見出してます

見上げる 果実の時雨 雨予報
瓶に入れて 飲み干す人たちよ

俯く 思わぬ暗幕 曇天の実が
空に生えていく いきます

夏終い 笹舟がひとつ浮かんでる

純文学の方に行った猫
僕の横目

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【詞】Camp(仮)

【詞】Camp(仮)

"あの星座の名前は何?"夜空に指を向けて話す君細かく星を見ることはそういえばなかったな蠍、魚、羊たち流れ星を手に遊んでる星の刹那の更なる刹那くらいの僕やこの陸は透き通った形だけれども時々、暗がりが沁みていく笑った顔も むかしの方へ行ってしまいそう"哀しい顔しないでよ"そう横から君の声夜空の星とどこへ行こうどれくらい遡れば僕は星々を知れるのだろう永い永い髪の様な銀の河しずかに見上げる透き通った形だけ

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