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【30】 私のネガティブをかみ砕いてみると、まず「無限ループ」がクセになっていることが判明

「ネガティブ」とは、一言で表現するにはあまりにもざっくりしすぎている言葉です。

物事の悪い面しか見ないマイナス思考とか、いつもくよくよ、不安と恐怖ばかり、不平不満ばかり、卑屈な態度、不機嫌な態度……いろいろ浮かびます。


私の「ネガティブ」をかみ砕いてみると、真っ先に思い浮かぶのが、何か良くないことが起きたとき、そのことを無限ループのように考えて沈み込んでしまうクセ。ひとたび悩みごとが発生すると、常にそのことを考えてしまうのです。

この「思考のループ」のことを、心理学用語では「反芻思考」と言うのだそうです。反芻思考をする人は、うつ病になりやすいと言いますが、考えてみれば当然ですよね、納得です。


反芻思考は、思い起こす限り、小学校1年生のときには、すでにありました。これがもともとの私の性質なのか、はたまた育った環境によるものなのかはわかりませんが、例えば以下のようなクセがありました。

・学校で友達の言った一言が、いつまでも気になる
 (⇒次の日登校すると、なんでもないことだと分かる)

・恋人から連絡がないと、他のことが手につかなくなる
 (⇒相手はただ忙しかっただけだと、あとで分かる)

自分にとって「気になること」がひとつでも生まれると、その場で考えても状況は変わらないにも関わらず、いつまでも考え込んでしまうクセがありました。

やめられないとまらない

そういう日は、何をしても上の空。
食事の味も、誰かとの会話も、味わうことなく消えてゆき、真っ暗なまま一日が終わります。寝るときにも、あれこれ考えて、うまく眠れない。そして無限ループは、問題が解決しない限り、次の日も、その次の日も続きます。

そんな性格ですから、母のガンが判ったときや、自分のガンが判ったときは、こんな言葉は存在しないでしょうが、「落ち込み死に」をするんじゃないかと思うほど、一日中「最悪の想定」をし続け、何も手につかないというループに嵌り込んでしまいました。


どうすればこの反芻思考から抜け出せるのか。


それには「イヤな考えから、目をそらすこと」がポイントになるようでした。「別のことをする・考える」ことで、ミソちゃんのチャンネルを強制的に切り替える。
何かに没頭したり、集中力が必要な作業をしているときには、問題のことは忘れてしまえるそうです。
そもそも人間の脳は、同時にふたつ以上のことを考えられないのだそうです。
(二つ以上のことを同時にやっている人も、脳が、スイッチを切り替えているだけなのだそうですね。マルチタスクと呼ばれ、脳が疲れるそうです)


脳は「○○を考えてはいけない」と思うと、余計にそれを考えてしまう性質があるから、考えない努力をするのではなく、「別のことで切り替える」という手順。

ぐずって泣いている赤ちゃんに、おもちゃを見せて、気を逸らせる。
赤ちゃんは、おもちゃに興味深々、いつの間にか泣き止んで、そのおもちゃを触って遊んでいる。
そんなイメージでしょうか。

……と、脳みそのメカニズムはだいたい分かりました。


しかし。
「だーかーらー! それができたら、苦労はないんだよ!」
そんな感情が沸き起こります。

「そうそう!」
ミソちゃんも合いの手を打ってくれ、大変気が合います。
ホメオスタシス、絶賛発動中です。
 
しかし。
しかし。

ミソちゃんよ、よぉく考えてみよう。

「そういう性格じゃないからできない」は、もう「言いっこなし」なのだよ。「やっぱり変われなかったね」という証明をしながら生きることは、もうナシなのだよ。

「ねえねえ、ミソちゃん。よく聞いて。私のミソちゃんは、普通の、一般的な脳みそだよね? どこかの機能が壊れていたり、特殊な脳みそってわけじゃないよね? だからミソちゃんにも、きっとできるはずだよ」

そう伝えてみても、ミソちゃんは、おもしろくなさそうにムスッとしています。

 
私は、夫にもたずねてみました。
「昔の、闘病中の彼女さんと暮らしている間、辛い時にはどうしていたの? どうやって日常を送っていたの?」と。

夫の答えは以下のようなものでした。

・仕事中は、ただただ忙し過ぎて、仕事に集中している
・ジムでひたすら泳ぐ
・パチンコに行って「無」になる
・小説を読む
 小説は、現実の「彼女の闘病」よりも、もっと差し迫った緊迫感のある ストーリー(海外のハードボイルド小説など)を集中的に読み、その世界に没入することで、つかの間の現実から逃れていたそうです。


考えてみれば、当たり前のことです。
あまりにも背負っている状況が苦しいとき、その苦しさから逃れようとする。何か別のことで、気持ちを紛らわせる。

こういうことを自然にはできてこなかった私は、不器用なのかもしれません。
「切り替える」というスキルが圧倒的に足りていない。そしてそれは「性格・性質」だから、変えられるとも思ってこなかった。

イヤなことがあったとき、人はお酒を飲んで騒いで忘れたり、カラオケで歌って水に流したりしますよね? 
それが束の間の現実逃避だったとしても、辛い現実の代替行為を、人は自然と選択しているものです。

でも私は、そういうことができず、ひとりになって、ずっと「その問題に向き合う」ことしかできてこなかったのです。

そしてその「向き合う」というのも、何かを考え、自分なりの考えを導き出すという建設的な時間ではなく、ただただ「どうしよう、どうしよう」「もう無理、もうダメ」と悩み落ち込んでいるだけ。

解決策を導き出さずに、自分で自分のキズをグジグジとつつきまわして広げて「イタイイタイ」と泣いているような非合理的な行動を、毎度してしまうのです。

そんな「ドMな性質の私」が、ミソちゃんに「そのクセを変えよう」と訴えかけるのですから、それはもう大変です。

というか「やっぱり無理だよな」とも思うわけです。

しかし、今回ばかりは、何度ミソちゃんに跳ね返されても、もう私は崖っぷちなのでした。

今の私のままでは、生きてゆけない。
今の私のままで、生きてゆくことを、私が許さない。

そんなところまで追い込まれているのです。
だから、ミソちゃんに、何度も必死で話しかけるのです。

「ミソちゃん!! いや、変われますよ。変われますとも。まずは、それを信じようよ」

ミソちゃんによる全力の拒否


「ほら、ミソちゃん!! あらかじめ『落ち込んだときにやることリスト』を作っておくっていうアイディアがあるらしいよ。実際に落ち込んだときに、その紙を見て、試してみたらいいんじゃない?」

「……しつこいなぁ……あんた、いつからそんなしつこくなったの」

ミソちゃんは、不貞腐れている。
さすがは「私のミソちゃん」(笑)


それから、私は実際にノートに書いてみました。
辛いとき、苦しいときの「切り替えリスト」を。

その一例は、こんな感じです。

・外に出て散歩をする
・ヨガをする
・お笑い動画を観る
・料理を作る
・徹底的にお風呂場の掃除をする

ミソちゃんは、まだ嫌がっているけれど、無理やりにでも紙に書いた私。
一歩前進です。

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