型通り内観を続けた結果
人間関係がうまくいかなくて、私がある程度認める人に対しては相手のことを受け入れるのでうまくいくが、認めにくい人に対しては嫌なところばかりが見えてしまい、うまくいかない。
そういう人を馬鹿にしてしまうところがあった。
家庭でも仕事でも理想があって、それを目指すあまりに家族にも仕事のスタッフにもそれを強く求めてしまうので、相手は、我慢できない、するべきでもない、と思うようだ。
特に妻との関係においては、頻繁に衝突を繰り返してしまう。
相手を認めたり、信用したり、長い目で見るとか、抱擁するとかが自分には不足しているのだと思う。
相手が悪いと決めつけたり、相手に何かを求めても始まらないので、とにかく自分を変えるしかないと思い、誰にでも何に対しても、感謝する気持ちで接することができる人間になりたいと思って参加した。
主として妻との関係改善のために来たので、母とのこと、父（他界）とのことは問題もなかったし、どうでもよかった。
言われた通り、とりあえず母とのことから始めたが、父とのことを考える時でも妻とのことが気になり、順序を変えてでも先にやりたいと思った。
それでも父のことをやっていくと、結果、両親に今まで考えもしなかった恩を感じた。
そして、いざ妻に関する内観となると、やはり行き詰まり、どうしても自分より相手の方が悪い、私はこんなにやっている、ということが頭をよぎり、悪かったという気にはならなかった。
それでも少しは気が穏やかになってきた。
そして内観を続けてようやく、妻が、結婚してから環境も変わり、寂しかったのだなということに気づいた。
そこから糸がこんがらがってきたのだとわかった。
そうわかると、「家に帰ったら、まずこうしよう」と考え始めるようになり、「あっ、これがいかんのだ。帰った後のことは帰ってから考えよう、相手もあることだし」と自分を戒めて内観を続けた。
そして、今までは両親の愛を受けるばっかりだったので、それにすっかり慣れてしまっていて、相手を愛で包むなんてことはできていなかった自分が見えた。
帰って妻とどうなるか、どうできるか、今はわからないけど、まぁ妻に寄り添えればなるようになるだろうと今は考えている。
内観は本当にすごいと思った。
（東京都 46歳男性 歯科医師）
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