視覚と味覚と心の動き
私は、夫への恨みに縛られ、頭ではわかっていてもどうにもならず、このままでは私は人を恨んだままで地獄に落ちてしまうと、ここに来させていただきました。
日曜に始まり、月、火までは、胃の調子も悪く、食事は「食べなければ」と思って食べていました。
屏風の中では眠くてたまらず、一生懸命やろうとしても、頭の中は真っ白でした。
火曜の夜、先生に「質問はありませんか?」と聞かれ、「人と時間を区切ると頭の中が真っ白になる」と言いましたところ、「全体を考えていいのですよ。そして、次に話すことを考えればいいのです」と言われ、気持ちが軽くなり、次から内観が楽になり、水曜から食事を美味しく感じるようになりだしました。
気持ちも少し楽になりました。
木曜から、胃の不快感がなくなり、食事を「あぁ、おいしい」と味わって食べられるようになりました。
木曜の夜、洗面所にある絵が、今まで顔の無いお地蔵様とばかり思っていたのに、顔がある、それも微笑んでいる顔がある、と気がつきました。
すると、今までわからなかった絵の意味がわかった気がしました。
お地蔵様はしていただいた方々、その前の火灯はその世話をしてくれた人々の心、暗闇の中にいる自分をこれだけ照らしてくれるものだと思いました。
思わず手を合わせました。
自分の心が静かになってきておりました。
金曜の夕食にかんぴょうのあんかけが出ました、
小さい頃、夏によく食べた味で、とても懐かしく気持ちが温かくなり、味わいながらゆっくり噛みしめました。
最初一週間は長いと思ってきましたが、本当に言われた通り、3日過ぎると楽になり、木曜日にはもう少し続けたいと思うようになったのは不思議でした。
今、心がとても静かになりました。
恨みの呪縛が解けて、台風の後のような静かな気持ちです。
お食事、本当においしかったです。
小さい頃食べたような温かいお食事でした。
本当にありがとうございました。
(栃木県 49歳女性 施設職員)
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