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弱さを知るおじさん
2024年2月25日 16:14
藤井青銅さんの「トークの教室」を読んだ。オードリーさんのラジオを聴くのが楽しみだ。若林さんのトークの才能を見出したのが著者である藤井青銅さんだと知り、じゃあ読まなきゃと手に取った。とても勉強になった。トークのテクニックはもちろんだけど、それ以上に、トークとは人生なんだなと思えたし、トークが人生を救うよなとも感じた。全てをトークのネタだと捉えると、人生で起こる全てがありがたく感じる。
2024年2月25日 09:08
貫井徳郎さんの「龍の墓」を読んだ。本格ミステリー小説。気持ちいい。予期せぬところから結論が飛んでくると、「この手があったか!」と驚嘆してしまう。すごい。普段はあまり推理物は読まないが、こうしてたまに別ジャンルの読書をするのは良い物だなと感じる。凝り固まった脳内をいったん柔らかくして、再構築してくれる感覚。別にこのトリックが私の日常生活に直接的に役に立つことなんてないのだろう。むし
2024年2月24日 14:26
小川哲さんの「君が手にするはずだった黄金について」を読んだ。承認欲求というものについて、そして自分の生き方についてとても考えさせられた。生きてる以上、承認欲求を持たずには過ごせないと思う。これは人間の本能だから。その本能に従って生きれば良いかというと、それも少し違う。確かに承認欲求が努力の燃料になったり目標へ向かう後押しをしてくれたりするが、そこを拠り所にしてしまうと本来の自分がやり
2024年2月23日 09:52
佐藤多佳子さんの「明るい夜に出かけて」を読んだ。ラジオリスナーである若者を主人公にした物語。人との繋がりや生き方に悩む人たちが、深夜ラジオを心の糧に日々を生きていく姿を描く。ノンフィクションのようなフィクションだなと思う。実際に、深夜のラジオを心の支えに、あの番組まであと何日だとカウントダウンしながら生きている人もいるだろう。ラジオってのがいい。テレビとか映画とか漫画とか、他のエ
2024年2月18日 13:37
伊坂幸太郎さんの「777」を読んだ。これぞエンターテイメント。僕が読んだのは本だけど、確かに脳内では登場人物たちが躍動している。映像を見ていないのに、映像を見終わったような満足感がある。節々から心に響く文字も届く。他人は他人。リンゴはリンゴになればいい。他人と人生を比較することなく、自分の人生を謳歌することだけに集中すればよいという、伊坂さんからのメッセージが響いた。不運な登場
2024年2月17日 08:46
綿矢りささんの「パッキパキ北京」を読んだ。図太く人生を謳歌する主人公を羨ましく思うと共に、楽しく生きるヒントみたいなのをもらえた気がする。本書の後半に「精神勝利法」という言葉が出てくる。他人との比較で仮に客観的に負けだとしても、気持ちの上で勝っていれば、それは勝ちなのだと。金メダルを逃して悲観する銀メダリストよりも、その辺で底辺の仕事しながらも昼間の一服を仲間と楽しむおじさんの方が、幸
2024年2月12日 15:13
塩田武士さんの「存在のすべてを」を読んだ。ミステリーの裏側で起こっていた家族の愛に、心が暖かくなり、震えた。目の前の対象をありのまま描く写実絵画が一つのテーマとなっている。目の前の現実を、しかと見つめることの大切さを感じるとともに、いかに曖昧にしか世界を眺めていなかったからを思い知る。また、単に現在を見つめるだけでは勿体無い。その現在が生み出された過程に思いを馳せることの大切さを
2024年2月10日 09:08
辻村深月さんの「島はぼくらと」を読んだ。島に住む高校生たちの友情が眩しかった。同時に、島という限られた世界で生きていくことの幸せ、また同時に苦悩についても考えさせられた。田舎暮らしを選ぶ人がいる。都会での戦いに疲れ果て、田舎に安らぎや平穏を求める。ただ、やはりそこもトレードオフだ。人間がたくさんいる場所からの解放は、限られた人間関係の中で生きていく苦しさと隣り合わせだ。悪い
2024年2月10日 07:47
中村文則さんの「列」を読んだ。人間とは、どうしても他者と比較しながら生きてしまうものなのだと、改めて感じる。気づけばどこかの列に並んで、周りの顔色をうかがいながら生きてしまう。列から飛び出すことは怖い。社会からはみ出して生きていく勇気を、残念ながら私は持ち合わせていない。「そうゆうもの」という諦めを胸に、生きてしまってもいいんじゃないかと思う。人間とは、他者と自分を比較して、どこ
2024年2月3日 10:08
加藤シゲアキさんの「オルタネート」を読んだ。青春って感じがした。読後感が清々しい。オルタネートという高校生限定マッチングアプリが必須となった世界で物語は進む。複数の登場人物の視点から物語は描かれ、それぞれの違うストーリーが進む。それぞれのストーリーが色濃くて、単独でも小説にできるくらい。ラストに向けて、登場人物たちの人生が折り重なっていく。オルタネートとは「交互に」や「代わ