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肩の力抜いて、今を楽しめばええんやで。〜「パッキパキ北京」を読みました〜

綿矢りささんの「パッキパキ北京」を読んだ。

図太く人生を謳歌する主人公を羨ましく思うと共に、楽しく生きるヒントみたいなのをもらえた気がする。

本書の後半に「精神勝利法」という言葉が出てくる。
他人との比較で仮に客観的に負けだとしても、気持ちの上で勝っていれば、それは勝ちなのだと。
金メダルを逃して悲観する銀メダリストよりも、その辺で底辺の仕事しながらも昼間の一服を仲間と楽しむおじさんの方が、幸福度は高かったりする。

他人との比較ではなく、自分が幸せだと思えるかどうか。
人生を勝負だとするなら、勝ち負けはその一点だけで決まる。

井の中の蛙じゃいけないと教えられてきたが、あえて外の世界から目を背け、身の回りにある幸せを全力で享受する方が幸せなんじゃないか。
あぁ、井戸の水気持ちええわぁ‥って、ぬるま湯に浸かってるくらいの蛙が一番幸せなのではないか。

図々しく生きていいし、無責任に生きていい。
先のことなんて知らんし、今が楽しければそれでいい。

綺麗な言葉を使えば「マインドフルネス」とでも言うのだろうか。もっとズボラに、とりあえず今が楽しくて幸せを感じられたらいいやって、そのくらい緩く生きられたらなと思っています。

他人のために行動することも然りです。
自己犠牲の伴う他者貢献なんて意味がない。
自分が幸せを感じるために、人を幸せにしてあげる。そのくらい図々しい考えに基づいた利他の方が、人間として健全だと思う。

何はともあれ、せっかくだから今を楽しもう。
肩の力を抜いてくれる、とても素晴らしく楽しい小説でした。ありがとうございます。

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