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「存在のすべてを」を読みました。

塩田武士さんの「存在のすべてを」を読んだ。

ミステリーの裏側で起こっていた家族の愛に、心が暖かくなり、震えた。

目の前の対象をありのまま描く写実絵画が一つのテーマとなっている。

目の前の現実を、しかと見つめることの大切さを感じるとともに、いかに曖昧にしか世界を眺めていなかったからを思い知る。

また、単に現在を見つめるだけでは勿体無い。
その現在が生み出された過程に思いを馳せることの大切さを、本書は教えてくれる。

目の前の小さな石。
その小さな石に刻まれた無数の傷を見て、ここに辿り着くまでにどんな旅を経たのか想像してみる。
その想像力が人生を豊かにしてくれる。

目の前の今。
当たり前のように眺めているが、実は当たり前ではない。
数々の奇跡が折り重なって、目の前に広がる今がある。
何か一つ、たった一行の変化だけで、今とは全く違った景色が目の前に広がっていた可能性だってる。

だからこそ、今を愛して生きようと思う。
もう一度生きたって、決して二度とは見ることのない今を。

大切な存在、自分という存在、目の前に広がっている何気ない景色、日常。
存在していることは信じられないほどの奇跡なのだ。そのことに、気づけてよかった。

今を真っ直ぐに見つめることの大切さ。
そして今を作ってくれている過程を想像する視点を与えてくれた本書に、改めて感謝をしたい。

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