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あらゆる可能性と選択肢

わたしが障害を抱え、今に至るまで ⑫

~現在に至るまでの経緯 その12~

 わたしは、自分に残っていたほんの少しのプライドをかなぐり捨てることから始めた。その時点で、もう元のように働くのはやめようと考えたのだ。今の自分には無理だということを受け入れる考え方にシフトしたということだ。とりあえず、障害者としての働き方、人生を視野に入れていく。障害者雇用はいくつか種類があるが、それらの中で働くには必ず障害者手帳がいる。まずは、手帳を取得するために申請を行った。必要なものは手帳申請用の医師の診断書のみだ。
 障害者手帳を申請して、リワークでリハビリをしながら約3ヶ月後、等級が決まり手帳が届いた。等級は2級だ。どういった基準かはよくわからないが、それなりに重度と判断されたようだ。申請を迷っている方も見えるかもしれないので、詳細を記しておく。
〇障害者手帳について〇
 等級によって、自治体の援助や医療費が免除される。等級別に得られるメリットを挙げる。なお、精神医療福祉手帳は1~3級まで。
 1級・・・自治体によってバスやタクシーなど割引もある。医療費の自己負担がなくなる。あくまで医療費なので入院の費用などは別途かかる。
 2級・・・医療費の自己負担がなくなる。毎週、毎月の通院費等の負担がなくなる。これは大きい。
 3級・・・特に免除はない。障害者雇用に応募できるくらいしかメリットがない。
 障害者手帳ってデメリットってないの?と疑問を感じる方も多いだろう。はっきり申し上げて、ない。自身が仕事を探すときに、障害者雇用も探せるので、幅が広がると考えればいいと思う。手帳を持っていることで、一般の求人が応募できなくなるわけではないし、告知する必要もないのだ。しかし、一つだけあるとすれば、手帳を持っていることで自身を卑下する可能性があることだ。わたしは長年障害と向き合ってきたせいか、特に感じ入ることはなかった。だが、皆がそうなのかどうかはよくわからないというのが本音だ。我々精神障害に苦しむものが出来ることの一つとして確かなことではあるので、利用していけば良いとわたしは考えている。
〇自立支援医療制度〇
 これは大多数の方はご存じのはずだが、念のため紹介しておく。通院している病院と薬局の自己負担が3割から1割に免除される。自治体によっては負担割合が全額のこともあるので、知らなかった方は申請すると良い。収入が断たれる方が申請することが多いためか、申請してからかなり早く対応してもらえる。


 わたしは、障害者枠で求人を探し始める。が、考えていたより厳しい現実があった。一般求人とさほど変わらないように見えるのだ。企業が求めているのは、一番多いのは経歴、次に資格である。そして、もう一つ言えるのは、待遇が両極端なのだ。人並みか、最低賃金か、といったところ。人並みの求人は主に大企業だ。ほぼフルタイムが多い。最低賃金のところは主に清掃やライン作業だ。わたしは前回の現場の職場でもう体力勝負は無理だとわかっていたので、事務職に目を付けた。特別なスキルがあるわけではないが、書類作成やデータ入力であればそれなりに自信があったからだ。だが、経歴がない自分に採用を勝ち取るのは難しい。であれば、資格を取って最低条件をクリアするしかない。資格を取ろう。しかし、受験費用等の工面はどうするか。精神障害で満足に働けない身には悩ましい問題だった。


 そこで障害者であることで得られる支援制度を最大限活かそうと考えた。長い期間、引きこもり生活をしていたため、お金がないのだ。活かせるかどうかわからない資格を取るための費用を両親にせがむのはもう嫌だった。なにより、これ以上迷惑をかけたくなかった。そこで、わたしはリワークのわたしの担当のスタッフさんに障害年金の申請を相談することにした。担当のスタッフさんは、リワーク施設の国の支援制度の第一人者のため、非常に心強かった。だが、障害年金の申請は、正直かなり大変だった。まず、自身が受給要件を満たしていないと審査もしてもらえない。具体的に言うと、その障害の初診日の1年前から初診日まで年金を納めていること。そして、自身が辿ってきた過去、なにがあって、なにが原因で障害を負ったのか、その経過、今の障害の程度は援助が必要なのか。すべて自己申告、つまり書類にまとめ、かつ医師の診断書との矛盾がない場合に初めて受理される。わたしはリワークですでにまとめていたため、それほど苦労はしなかった。しばらく、家で書類作成とリワークでスタッフさんと相談、年金事務所への往復で忙しかった。やっと申請が終わり、年金事務所で言われたことは、「半年後に等級の通知がいきますから」であった。半年後から支給が始まるのは3ヶ月後だ。つまり、申請を始めてから、支給が開始されるまで1年はかかるのだ。あてにせず、気長に待つことにした。


 わたしが、自身の削ぎ落としを行いながら、半年後。自宅に通知が届いた。等級は2級だ。これでやっと、自分は現実的に動き出せると思った。お金が一番大事なものとは思わないが、首が回るくらいのお金はないとなんともならないものだ。


 わたしはリワークに通いながら、わたしの無理な思い込みや拘りに少しずつ気付き、それらを削ぎ落としたり、緩めたりしていく。わたしの今の在り方を受け入れようとした影響だろう。ここから、わたしが変わっていく。

今回の経緯はここまでです。


~後述~

 今回は余談に近い形になりました。しかし、経済的な問題は自身を追い詰めてしまうので、拘りは緩めて利用できるところは利用していくのが良いと思います。わたしはほぼ自力で障害年金2級だったのですが、ほとんどの方は社労士の方に依頼するのが一般的のようです。申請を考えている人は参考にしてみてください。
 次回ですが、わたしの中にある無理な、おかしな部分を一つ一つ矯正していきます。自分に言い聞かせ言い聞かせ、少しずつわたしは変わっていきます。かなり内容が長く濃いものになるかもしれません。もしかしたら更新が遅れるかもしれません。どうぞよしなに。

では、また。
皆さんの行き先に明るい未来がありますように。

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