
[月記]24年8月 健康
つれづれなるまゝに、飯を食ひて、蹴鞠し、ひしと眠る一日こそ欲しけれ。
健康法師
iPhoneにはフィットネスという初期アプリが存在している。

カラフルな的のようなこのアイコンを開くと、運動して消費する一日の目標カロリーを設定することができる。たとえば毎日360キロカロリーを目標値として設定しておくと、1キロカロリーごとにリングが1度ずつ進む。リングを見ているとリングを閉じたくなってくるので、普段から積極的に運動するようになる仕組みだ。もちろん、消費カロリーはiPhoneをポケットに入れておけば自動で測定してくれるので手間はかからない。

7月のリング進行状況を眺めてみる。日曜日は基本的に家で一日中寝ているのでリングは閉じないが、他の日は概ね運動できている。良い傾向だ。以前は平日に週2でテレワークをしていたのでリングの状況はひどいものだったが、こんなに運動しないのはまずいと思い立って2024年に入ってからはテレワークを一切しなくなったことが功を奏している。
…………。
……………………。
………………………………。
……………………………………………緑と青のリングは?
1年ほど前から実は気付いていたが、ずっと気付かない振りをしてきた。このアイコンはどう見ても詐欺であると。視覚的な楽しさから初めてみたにも関わらず、実際には赤色のリングしか存在していない。天下のApple社がこんなことして良いのか。良いわけが無いでしょ!
というわけで、ネットで検索してみた。どうやら、Apple Watchと連携されれば緑と青のリングも使えるようになるらしい。緑と青の機能が実装されていないわけではなかった (それはそう)。
ちなみに緑は「早歩き以上の運動をした時間」、青は「立ち上がって行動した回数 (1時間おき・最大24回/日)」を表している。
Apple Watchについてもっと調べてみると、想像していたよりもずっと健康に特化したガジェットであることがわかってきた。私は思い切ってApple Watchを買ってみることに決めた。

Apple WatchとiPhoneを連携させることで、リングは確かに3色になった。この機会に、赤リングの目標値も見直してみた。頑張ればぎりぎり達成できる値に設定しておいて、日々3つのリングの完成を目指す。ゲーム感覚で健康志向の生活にシフトしていくことができるようになった。

さらに、Apple Watchを身に着けているだけで「ヘルスケア」というアプリに歩数・心拍数・手洗い・睡眠等のデータが自動的に記録されていくようだ。




全てのデータが可視化されることで「もっと早く寝ないとな」「今日はもう少しだけ歩いておこうかな」という意識が働きやすくなり、結果として日々の行動が改善されていくようになる。改善の過程もまた記録され可視化されるので、努力が喜びに直結し、継続しやすい。
Apple Watchのおかげで最近の運動と睡眠の質は徐々に良くなってきた。この際だからと、残された健康の三大要素「食事」についても健全化を図っていこうと考え、あすけんを始める。
食べ物の写真を撮ったり、メニューを手入力することで一日に必要な栄養基準を満たせているかどうかを計算してくれる。最近は「すぐ泣くあすけんの女」を泣かせないように日々奮闘しているが全く駄目で、己の食生活を抜本的に改革する必要性があると強く感じている。


私は朝と昼を抜いて一日1食しか食べないことがざらにあるのだが、それではやはりカロリーが圧倒的に不足するようだ。自明なことだが数値化して提示されるとさすがに身が引き締まる。
PFCバランスも基本的に最悪であることがわかってきた。自分はタンパク質不足、脂質過多の傾向にあるらしい。
──このように、食事・運動・睡眠・その他色々のデータを眺めながら、適正値を叩き出せるように生活を改善していくのはことのほか面白い。まるでゲームのステ振りみたいではなかろうか。最強ビルドを作り上げて、全ての攻撃 (病気や怪我) を跳ね除けられる丈夫な肉体を手に入れる……。楽しみながら健康寿命を少しでも伸ばせられるなら、健康に気を遣うというのは、かけて損の無い労力なのではないだろうか。