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SF、読書のよろこびマガジン

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大人になってからSFの楽しみを知った人の記録。本が好き、ゲーム興味ないかたはここで。
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#海外旅行

ヤラセ番組の汚名をすすげ!クレイジージャーニーVS「酒を主食とする人々」

ヤラセ番組の汚名をすすげ!クレイジージャーニーVS「酒を主食とする人々」

高野秀行「酒を主食とする人々」を読みました。
この人の本は全部いい。
「面白い」と「人生観変わるほど面白い」と「ある意味おもしろい」の3種類しかないので、全部買ってもいい。

今作ではテレビ番組「クレイジージャーニー」のスタッフとともに、エチオピアの「酒飲み民族」を探す。
子どもも妊婦も、酒ばかり飲んでいるのに健康的にすごしているという、特殊なのに今どきネットの情報が全く出てこない民だ。

旅の目

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アメリカの価値観 VS アジアの神秘「世界しあわせ紀行」

アメリカの価値観 VS アジアの神秘「世界しあわせ紀行」

久しぶりのテレビで「外国人の日本褒め」を浴びて気持ち悪かったけど、これを読んだら治った。
世界の人の大半は、外国人の評価がなくても、なにが誇りでなにが欠点か自分で決めるし、そもそも他人を気にしない。

これは、日本にも住んでいた鉄火巻き好きのアメリカ人記者が、「しあわせ」とされている国をめぐり、しあわせ迷路に迷い込む一冊だ。

読むだけでふつうに驚けるし、実際に旅行する100分の1かもしれないけど

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【読書記録】丸山ゴンザレス「タバコの煙、旅の記憶」

【読書記録】丸山ゴンザレス「タバコの煙、旅の記憶」

丸山ゴンザレス「タバコの煙、旅の記憶」を買った。
かなり高い国のタバコ一箱ぐらいの値段。

海外の危険地帯ジャーナリストの著者が、タバコに関連した場面について語る。
対応を間違えたら殺される相手とのやりとりの中で、ふっ、とタバコを一本吸って出た言葉。
初めて見る、吸い方のわからないタバコに苦戦していたら通りがかりの男が吸い方を教えてくれて、そのまま持っていかれた話。

ニューヨークやパリの地下都市

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ラッタウット・ラープチャルーンサップ「観光」今年ベスト短編集!

ラッタウット・ラープチャルーンサップ「観光」今年ベスト短編集!

タイ系アメリカ人の短編集。ハードル低かったのもあるけど、すごい良かった!誰かにオススメの短編聞かれたらこれにする!
こんなのとの出会いがあるから、ブックオフもたまには行くもんだな!

「カフェ・ラブリーで」
お兄ちゃんに連れられて初めて悪い遊び場に行くはなし。
お兄ちゃんについて行ったら大丈夫、と思っていたらシンナー吸いだしてわけわかんない状態になって、一人で取り残された少年が女の人にからかわれな

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【読書】1年364日働く化粧品店のおじいさんが元スパイだった話【天路の旅人】

【読書】1年364日働く化粧品店のおじいさんが元スパイだった話【天路の旅人】

沢木耕太郎「天路の旅人」。感想を勢いにまかせて書くぞ!
内容に触れますが、最初にどんな話か説明しても影響は少ないタイプの本です。

大きなくくりでいえば辺境を旅するノンフィクション。インド旅行ものとか、面白い作品が多いジャンルです。

作家の沢木耕太郎氏が、岩手で化粧品店を営む西川さんという人に話を聞く。
体格のいいおじいさんで、元旦にしか休まない。毎日カップヌードルとコンビニのおにぎりを食べて、

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ここだけ世界旅行解禁! 高野秀行「語学の天才まで1億光年」 #読書感想文

ここだけ世界旅行解禁! 高野秀行「語学の天才まで1億光年」 #読書感想文

情報のない秘境を取材するために世界各国のレア言語を学び、そして次の国にいくたびに前に習ったことは忘れてしまうノンフィクション作家、高野秀行。

ゆっくり長く読みたいのに、残りページ数が最近のかき氷みたいに、すうっと溶けてなくなってしまう。それぐらい手が止まらないエッセイだった!

テーマは語学。ここに出てくる外国語学習は、仕事のために嫌々覚えさせられたり、将来の安泰のためにしかたなく習うような世知

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高野秀行「語学の天才まで1億光年」は禁煙中の人に見せつけるタバコ【読書日記】

「語学の天才まで1億光年」。
ぼくに読書の楽しさを教え、小説より旅行エッセイのほうが面白いじゃないか、小説の細かくこった表現なんて不要なんじゃないかとまで思わせた高野秀行の新作です。

最近は海外納豆についての研究をしていて、面白い話題からしだいに文化の広がり方がわかってくる内容でしたが、外国語学習をテーマにした新作もやっぱり面白い。

面白いだけでなく、これは海外旅行を禁じられている人にとっては

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【読書記録】高野秀行「幻のアフリカ納豆を追え!」

【読書記録】高野秀行「幻のアフリカ納豆を追え!」

危険な本だ!
ここには旅がある。出会いがある。
世界中の人が、家にこもっての生活に慣れてきたというのに。外の世界に出る驚きと喜びを思いださせようとしている。

「幻のアフリカ納豆を追え!」は、海外にも納豆があることを知った作者が、韓国とアフリカの納豆世界を探る一冊。

まずは韓国納豆「チョングッチャン」。
これまでどこの地域も
「うちの納豆が一番うまい」
と手前納豆精神を押し出してきたのに、韓国人

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