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読書感想文 本を守ろうとする猫の話
祖父を亡くしたばかりの高校生・林太郎が祖父がやっていた古本屋・夏木書店で、喋る猫と出会う。猫は本を助けてほしいと林太郎に頼み不思議な空間に案内する。
物語に登場する四つの迷宮のそれぞれの主はもっともらしいことを言うがその中にウソが紛れている、と猫が林太郎に最初に言ったのでどこが嘘だろうと主たちのセリフを読み直した。
第一、第二の迷宮の主たちは多くの本を読むことにこだわっている。私も今の長期休暇
読書感想文 暗いところで待ち合わせ
駅のホームで同僚を押して電車に轢かせた殺人犯として追われる大石アキヒロが駅のホームが見える一軒家に一人で住む盲目のミチルの家に潜伏する。
潜伏していることに気付かれないよう、ミチルの生活を脅かさないように息を殺すアキヒロと、自分以外の人間の気配に気付きながら刺激しないように気付かないふりをするミチルの、決して好戦的ではない気配斬りのようなやり取りが行われる。アキヒロ視点とミチル視点が細かく切り替
読書感想文 月のぶどう
曾祖父の代から続くワイナリーを営む家で生まれ育った双子の姉・光美と、弟・歩。出来のいい光美と比較されて育った歩は母が急死し葬儀の時泣くことができなかった。ワイナリーの代表を務めた母の急死によって生じたワイナリーの経営や親戚、同僚、友人との関わりから二人が自らの生き方や自分自身と向き合っていく。
姉の光美は母親に似て完璧主義で近しい人にも弱さを見せられない性格。弟の歩は幼い頃から快活明瞭な姉と比較
読書感想文 四月になれば彼女は
精神科医の藤代は、12ヵ月後の4月に婚約者の弥生と結婚式を挙げることになっている。そこに大学時代の恋人の春から伝えたいことがあると何通か手紙が届く。愛に愛想を尽いた人たちが愛に気付いていくお話。
恋や愛や情を失った人が何を求めて走るのか、愛し続けるのは不可能なのか、そもそも愛するとは愛されるとは、を考えさせられる。
春の手紙で語られる彼女の愛が綺麗だと思った。綺麗で理想的と言っても良いような気が
生活の見直し 趣味編
生活の見直しをする理由 勤続年数8年、稼げればいいやと必要最低限の時間を仕事にあててきたはいいものの、「今後どう生きたらいいか」という迷いにぶちあたった。長期休暇をもらったことで自分の生活に欠かせないものが見えてきたので、時間・お金・趣味の視点に分けて今の生活の分析と、これからの生活の指標を決めていきたいと思う。
備忘録にするため、ほとんどの項目に経緯を記録する。
時間に関わる生活習慣につい
生活の見直し 時間編
生活の見直しをする理由 勤続年数8年、稼げればいいやと必要最低限の時間を仕事にあててきたはいいものの、「今後どう生きたらいいか」という迷いにぶちあたった。長期休暇をもらったことで自分の生活に欠かせないものが見えてきたので、時間・お金・趣味の視点に分けて今の生活の分析と、これからの生活の指標を決めていきたいと思う。
備忘録にするため、ほとんどの項目に経緯を記録する。
時間に関わる生活習慣につ
読書感想文 風に舞い上がるビニールシート
不器用であったり、自分の譲れないものと社会や他人との折り合いがつかない人たちが変わっていかないようで変わっていく、おさまる場所でおさまっていく6つの物語が並んだ短編集。
職種も年代も置かれた環境も様々だった。仏像を直す仕事をする人や仕事をしながら大学に通う人、難民を支援する機関で働く人、結婚してる人、していない人、、聞き慣れない言葉、事柄も多くあったけどその説明も上手く纏められていて物語に入り込
closing down
降りしきる雪が窓を叩いた。外は豪雪だ。
古びたホテルのロビーは静まり返っていて、今夜は全室空き部屋のまま明日を迎えるだろう。フロントに立ちながら、数冊の週刊誌を順番に眺めている。
芸能人の熱愛スクープ、最新詐欺手口、某ホテル支配人が謎の不審死、、、違う、これも違う、とページをめくる。あの記者の名刺を受け取っておけばよかった、と首を垂れた。
死人に会える、なんて噂が口伝えに伝わってオカルト界隈で