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大人になって乗った観覧車は穏やかだった。
彼が観覧車に誘ってくれた。
正直に言うと
私は観覧車に乗ることに
あまり魅力を感じていなかった。
だってただ景色を観ているだけでしょう?
子供の頃は辺りが開けて
どんどん地上に昇っていくことにワクワクしていた。
ティーンの頃は好きな人と
二人きりの時間に胸を高鳴らせドキドキときめいていた。
だけど大人になると
何もせず外を眺めることが
なんだか時間を無駄にしているような気になってしまう。
昨日は彼と約一ヶ月ぶりのデートの日で
そのデートの間、私が感じていたのは
不安と恐れと寂しさだった。
私が望まなければ、
この手を離してしまえば、
会うことはもう無くなってしまうのでは…?
そんな感覚。
なぜそう思ったのか。
何か言われたわけでも
されたわけでもなくって…
なんとなくの温度差、
なんとなくのお互いの変化が
この人にとって私はもう必要ないのかもと、
そう感じさせたんだと思う。
彼への連絡を絶って1週間。
会いたい気持ちと寂しさが時折胸に現れる。
だけど私からは連絡しない。
そう決めたの。
私ばっかり会いたい
私ばっかり求めてる
私ばっかり、、
もし私が会いたいと言わなければ
どうなってしまうのかな?
会わずに関係が終わってしまうのだろうか。
何も無かったことになるのだろうか。
そんな不安に気付きたくなくて
毎回次に会う約束を取り次いでいた。
彼から私が消えないように
LIN
彼への執着が消えた。
いや、完全に消えきったわけではないけれど、
前みたいに寂しさが現れて
会いたい気持ちが込み上げて
居ても立ってもいられない…
そんな感覚から抜け出せた。
連絡を経っていたしばらくの間、
私の心をぎゅっと硬くするあるものを見つけた。
それは彼から言われた一言だった。
「君の写真を今日は撮らない」
この言葉に、
私は酷く傷ついていた。
彼とは写真で出会って
写真で繋がって
写真でふたりの関