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素敵な作品・勉強になる記事

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素敵なクリエイターさん方の作品はここに整理しようと思います。 自分の未熟さに笑えてきます。 何度も読みたい。 がんばろっと思います✨
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#私の作品紹介

魂を乗せた嘘八百

魂を乗せた嘘八百

 幼い頃から小説家になることを夢見ていた。私の夢は大きかった。凡庸な一作家ではなく、後生まで語り継がれるような名作を残せるような文豪になることを願っていた。

 我ながら、古今東西の文学を渉猟してきたと思う。キャノンと呼ばれるような作品はすべて網羅したという自負がある。

 もちろん、文豪といえども「うまい下手」はある。しかし、いくら「下手」といっても、「それは文豪の中では」という話であって、下手

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【作品】命綱

【作品】命綱

チャンスは何度だってある
やり直しだって出来る

でも

ハナっから
「これが駄目でも次があるさ」
そう思っている限り

絶対に全力なんか出せねえ
永遠に出せっこねえ
そうして終わって
また「次」がやってくるだけ

「チャンスは何度だってある」
それはお前の命綱だ
でも取り組む時は
その命綱の存在を頭の奥深くにずずずと沈めて
なかったことのようにして挑むんだ

登山家を見ろよ
命綱があるからって

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かなしみに溺れそうな夜に。

かなしみに溺れそうな夜に。

母が病に倒れてからなにを感じたかというと
たぶん、知っていたことだけどわたしももう
そんなに若くないってことだった。

悲観とかじゃなくて。
あたりまえのことだし。

時間は人々に平等に刻まれているから
知っていたけれど。

その時思ったのは、どれぐらいの時間が
わたしにも残されているのかわからない
けれど。

うまくいえないけど。
ちょっとうまく言おうとするとしたら。

わたしのまわりをちゃんと

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「noteをまったりする日の記事」のリライト・音声バージョンです。
ボカロの朗読バージョン(ボイロ?)に挑戦してみました。

ナンセンス詩 | どんな神童も、今ではただのチュー💋ねん

ナンセンス詩 | どんな神童も、今ではただのチュー💋ねん


ナンセンス詩 | どんな神童も、今ではただのチュー💋ねん

まるで鳥が囀ずるように
Xという未知数を
空気のように
使いこなしていた神童も
歳をとったら手がふるえて
「『神童』じゃなくて
「『振動』じゃね?」
みたいなことがある。

中年になっても
「チュー💋ねん」なんて
変な性的欲望を隠せず
かつての神童の面影はなく。

「死んじゃえ」って言ってやったら
柱状節理の東尋坊に行くかと
思いき

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【画像作品】イケメンだけどLINEの難易度が高すぎる彼氏

【画像作品】イケメンだけどLINEの難易度が高すぎる彼氏

あたしは市松 松子。
あたしにはイケメンで優しい彼氏がいる。
どれくらいイケメンかというと、これくらい。

誰もが振り向くパーフェクトな彼氏なんだけど、文字を打つのが超絶下手で(下手とかいうレベルじゃない)、彼とのLINEには少しだけ苦労がある。
と言っても、キュンキュンの方が大きいんだけど♥️

そうだなー。
例えば、彼氏とのLINEはこんなカンジ。

凹んでても、つい笑っちゃうLINEを送って

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短編 | ラーメン恥骨電動

短編 | ラーメン恥骨電動

 酒を飲んだ最後の締めには、ラーメンは欠かせない。体にはあまりよくないだろうな、ということは重々理解しているつもりだが、やっぱり食べたくなる。飲んだ後の味噌ラーメンは必要悪とさえ言えるだろう。

「さぁ、今日もたくさん飲んだし、ラーメンでも食いに行こうか?」
私はいつものように部下の田中に言った。

「あの、ラーメンを食べた気分になるというのはどうでしょう?」
田中が、か細い声で言った。

「ラー

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