意識的に自分の殻を壊す 私の習慣 その4.2 受験に集中した高校時代の自分を壊すし知的自由を取戻した日々 当たり前過ぎて意識しなくなっていること
高校時代、受験勉強に選択と集中していた自分の殻を大学入手時に意識的に壊しました。
自由になった…
そして大学の教養課程や専門課程を楽しみ尽くし、いよいよ大学の真髄、研究室という組織に入ることができる時が来ました。自分個人の予算内で独学で研究するのではなく、教授という研究のプロの指導下で研究を極めることを楽しんだというお話。
小学生時代、スタートが2年遅れた分を取り戻せず、その2年遅れを最後まで背負って希望の大学に入学しました。そして、弱冠20歳にて4度目の
意識的に自分の殻を壊す
です。正に習慣化が定着してきた時期でした。
入試という他人の決めた知の体系から解き放って自分の知的欲求を基にした学究生活を取り戻す。それを真剣に追求しました。
その辺りまではこちらをお楽しみ下さい。
自分の知的欲求を基にした学究生活。物理学は専ら講義と書籍、電子工学は講義と書籍での独学に加えて、総合芸術として音楽を切り口にオーディオ機器を題材として実験を伴う研究をしていました。
具体的にはこんな感じ…
ディスクリート半導体デバイスが進化して集積回路部品が一般化し、アナログではOPアンプ(オペアンプ)というひとかたまりの回路を集積した電子部品が簡単に入手できるようになりました。レコードプレーヤとプリアンプを揃えてレコードを買うということができるようになった経済力を生かしてプリアンプは独学で回路技術を学び、そのOPアンプを活用して自作しました。
レコードプレーヤは水平を高度に担保する技術の実現は個人では難しく市販品を購入しました。
この様な総合芸術、理学、工学が融合した知的興味に沿った独学の経緯でした。しかし個人レベルでの研究に限界を強く感じるようになっていました。
大学という組織と設備の魅力を背景に、半導体デバイスの基礎としての表面物理学というのもハマりました。
専門課程でのスタンフォード大学から帰国された教授の講義は最先端の内容、研究者の生々しい最先端の研究活動を教授が紡(つむ)いで行くという、正に大学ならでは世界に心酔。その教授の研究室への入室を希望し、研究室配属調整を勝ち抜き無事入室できたのでした。
当然卒業研究は表面物理学、お題は
シリコンの清浄表面の構造とその電子状態
当時の半導体の殆どは単結晶シリコンウエハの表面を加工して集積回路部品を製造していました。ですから半導体デバイスのど真ん中。王道の研究領域でした。
素粒子物理学から電子工学の知見を活かして理論(シュミレーション)と実験の2本立てで楽しみ尽くしました。シュミレーションは日進月歩のコンピューター技術を駆使、実験は最先端なので市販された装置は無く、実験装置の製作から。勿論ですが最新のコンピューターでの制御に加え、制御回路自体の製作、極限まで清浄な表面を作るべく超高真空にする装置の製作、果ては液体窒素で残存する気体を冷却してトラップする装置まで製作しました。液体窒素は、タンクの有る施設から毎日リヤカーを引いて実験装置に充填するなど楽しさ満載でした。個人レベルでの研究とは別世界…
独学の限界を超えて研究者同士の交流も最高…
研究室では輪講と言って、最先端論文を紹介し合う会議が毎週有りました。私はたまたま大学生協の本屋で表面物理学の最先端の論文を紹介した最新刊を見つけられたお陰で、指導教授も驚く程キーとなる論文を毎月選んで紹介して居ました。
また研究進捗報告会も室員相互の情報共有と相互アドバイスという意味で楽しみました。国立の研究機関に行っている室員の方もこの時は参加されて、知的にとても刺激を受けました。
この報告会は毎月末土曜日丸1日掛けてたっぷり行います。昼食も教授を囲んで研究所近くの亀鶴庵というお蕎麦屋さんへ。その2階の大広間で、報告内容の話題もおかずに、大好物の蕎麦を。議論の続きもするというオマケ付きでした。そこは私の行きつけで、何時も大盛りそばだけでは足らず、カレーそばも追加する程旨い蕎麦屋さんでした。
何と幸せな日々…
こんな感じで専門過程や研究室での研究を楽しみ尽くしました。
しかし、思いっきり楽しみすぎてか、大学という枠に限界を…
つづく