#148 「評価」は社内マーケティングの結果
昨日、評価は自分以外の他人がするもの、という内容の投稿をしました。
評価者としての目線で書きましたが、ザ・中間管理職なので評価される方でもあります。今日はそちらの目線でメモ。
1、誰が評価するかは分かっている。
当たり前ですが、誰が評価者かはあらかじめ分かっていることです。
ということは、高評価を目指して、活動、つまり、社内マーケティングを行うことが可能です。
別に、評価者である上司に媚びへつらう、ということではなく、評価者と評価決定プロセスを理解し、年間通じてどのように活動を行えば高評価につながるか、ということを考え、活動する、ということです。
これは、いわゆるマーケティングと一緒です。
一生懸命仕事をして、結果を出せば高評価のはず、というのは一つの考えですが、良い商品を作れば売れるはず、というのと一緒でもあります。
昨日の投稿でも引用しましたが、アイリスオーヤマの大山会長の
「こんなに優れた製品を開発したのに、なぜお客様は買わないのか」「一生懸命努力したのに、どうして上司は評価してくれないんだ」と考えがちです。仕事では努力が必ずしも評価されない。この理解は大切です。
という言葉通り、評価者が評価することは分かっているのですから、その評価者が高評価をつけやすいように、つけたくなるように、働きかけるのです。
それが社内マーケティング、になります。
2、そこまでするの?
なんかそこまでするの、浅ましいなぁ、と感じる方もいるでしょう。
でも、「自分株式会社」として考えた場合、給料は売上に相当します。1年間一生懸命活動してきたのであれば、売上にはこだわりたいところです。
もっと重要なのは、金銭面の話だけでなく、自分がやってきた仕事の成果と評価にギャップがあるとしたら、それは、1年間の活動が、売上に結び付かなかった、つまり、「自分株式会社」の顧客、あるいは株主(=上司あるいは会社)の期待に応えていなかった、ということになります。
それをフィードバックしない上司がどうなんだ、と不満に思ったところで後の祭りです(上司側としてはこういうことがないように都度フィードバックをすべきなのはいうまでもありませんが)。
評価者は自分ではなく、その上司なのですから。
対策として、上司を変えるよりは、自分が「社内マーケティング」により、そういったことを防止することが早いし生産的です。
3、社内マーケティングの対象は上司だけではない。
評価のプロセスを確認し、上司以外にも適切な関係者に対して社内マーケティングを展開しましょう。
例えば、360度評価を取り入れている企業ならば、上司だけでなく、同僚、部下、あるいは、常日頃やり取りする部署の関係者、などが考えられます。
また、360度評価でなくとも、上司の自分に対する評価に影響を与えそうな人物、例えば、上司の上司、上司の同期、人事部の自部署担当者、などが考えられます。
昔、プロ野球で野村監督という名監督がいらっしゃいました。野村監督が選手を褒めるのに使っていたのが、スポーツ新聞記者だったそうです。
いつも、「ぼやき」と呼ばれたコメントしかしない野村監督が、記者に対して「あいつはあそこでよく踏ん張った」などど褒めるコメントを出すのです。
すると、翌日のスポーツ新聞にコメントが載り、それを選手が見て、褒められたことを知る、という形です。
時にはこうして間接的に褒められた方が効果的なこともあります。
それと同じで、自分の仕事の成果を自分自身で上司にアピールするよりも、上司と親しい他の部署の人物から「あいつのあの仕事、なかなかだね」と言ってもらえればかなり強い印象として残るでしょう。
なかなかそこまで難しい、ということであれば、プロジェクト等が終わったところで関係者にアンケートをとる、というのもいいでしょう。
今後の参考になりますし、客観的なデータとして上司に印象付けることができるでしょう(きちんとした仕事であることが前提ですが)。
このように、高評価を目指して社内マーケティングを行うと、仕事の質も向上するのです。
4、まとめ
私のことで恐縮ですが、評価のフィードバックを受けて自己評価とギャップがある、というのは、社内マーケティングの不足(つまり自分のせい)、と思うようにしています。
ですので、これまで、フィードバックを受ける際には、ほとんど何もコメントしたことはありません。
「分かりました。ありがとうございました。」
でおしまいです。
営業で買ってくれないお客様に詰め寄ったりしないのと同じです。
もう結論は出て、勝負はついているのです。
その結論が出るまでの過程に、自分がどう関わってきたかです。
それが営業であればこれまでのセールス内容ですし、社内の業績評価であれば1年間の仕事振り+社内マーケティングの内容になる訳です。
さて、今年の私の「社内マーケティング」の成果はどうかなぁ。。。
最後までお読みいただきありがとうございました。
若干(かなり?)ひねくれた思考かも知れず、あまり参考にならないかもしれませんが、こんな考えもあるのか、と思っていただければ幸いです。