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教育×学びの組織

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#小学校教員

教育×学びの組織|「語る」のがたのしい時間

教育×学びの組織|「語る」のがたのしい時間

誰だってきっと、自分がワクワクすることは大好きだ。

子どもたちは、休み時間だって授業時間だって、たのしいことには目がない。だから、彼らは「学習がたのしくなる瞬間」を味わうのも天才だ。

ところで、小学校の学習指導要領では、小学3年から接続詞(以下「つなぎ言葉」)を学習するが、それ以前から子どもたちは日常の中でつなぎ言葉を使っている。小学2年で学習する「まず」「つぎに」「それから」「さいごに」とい

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教育×学びの組織|「正しい答え」は分からないという1つの答え

教育×学びの組織|「正しい答え」は分からないという1つの答え

先日訪問したある小学校は、10の信念を子どもとも保護者とも共有しています。そのうち、もっとも印象的だった2つを紹介します。(本著者による訳)

学校での考え方や行動を決定する10の信念
(最後の2つ)

9. The master is not always the master.
子どもたちはお互いに多くのことを学ぶ。そのために、教師やマスターは、必ずしも必要ではない。どの子どもたちも才能がある

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教育×学びの組織|自分の嫌がることは、他人にするなという考え

教育×学びの組織|自分の嫌がることは、他人にするなという考え

小学校で勤めていると、必ず1日1回は子ども同士の関係に関する問題に対峙する。それは、自分も相手もしあわせに暮らすためにどうしたらいいか、子どもたちが考え、社会的スキルを養う瞬間である。相手が嫌がる行為をしてしまった児童に対して、一方的に教員が叱るという方法でなく、「自分が同じ行為をされた場合、どう思うか?」と問い、いっしょに考える。
ただ、「自分の嫌がることは、他人にするな」というこの考えが最適な

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教育×学びの組織|同じリンゴでも、ちがう色で見えているかもしれない

教育×学びの組織|同じリンゴでも、ちがう色で見えているかもしれない

初任校で3年間ともに勤めた校長先生の言葉たちは、今でも私に残っている。その一つがこれだ。

1つの同じリンゴを僕と先生が見ていても、ちがう色で見えているかもしれない。「これは赤だ」とお互い思っていても、僕が思う赤と、先生が思う赤は、実は少し色味がちがう赤かもしれない。

同じ物事、教室での実践、子どもたちの姿を見ていても、捉え方は人によって異なる。
だから、目の前の状況や文脈を表現するために言葉は

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教育×学びの組織|6年前に戻ったら、ありたい姿

教育×学びの組織|6年前に戻ったら、ありたい姿

自分についてポジティブに省察したいところですが、今日は後悔していることをていねいに省察します。

小学校教員1年目、初担任の2年生(7才)の女の子に言われたこの一言。「先生って、本当に大変そう!毎日こんなに私たちの勉強のプリントつくって、準備してくれてるもん!」

そのときは、初任1年目でまだまだ未熟な「先生」という私を、この子なりに精いっぱいねぎらってくれているんだと思い、「大丈夫やで。みんなが

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教育×学びの組織|子どもが主体の教育環境 オランダの価値から学ぶこと

教育×学びの組織|子どもが主体の教育環境 オランダの価値から学ぶこと

自分が知っていることや、いいやり方だと思うことを、子どもたちにも「こうだよ、こうしたらいいよ」と一方的に押しつけたり、こちらの「教えてあげたい」の思いを前面に出したりする「教える」ということ。「教える」ことだけが「教育」ではない。「教えること」≠「教育」

子どもがいかに興味を持ち、どのように学び、何を理解するのか。

そのために、教員はどのような行動と発言をし、子どもの学習環境に何を提供すること

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