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短編小説・シナリオ

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読み切り物の短編です。サクッと読めます。 眠れない夜にぜひ(:3_ヽ)_
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#思春期

朝必ず掃除をする、礼儀正しい小学生の話【5分シナリオ】

朝必ず掃除をする、礼儀正しい小学生の話【5分シナリオ】

ここはとあるミュージカルスタジオ。
小学生から高校生までが、なりたい自分になれる場所として通っている。
今日はいつかの秋の水曜日。今日のレッスンは18時から。
スタジオの1番の新人である中学3年生の亜冬なずなは、いつもみんながスタジオに来る前に自主練をしている。のだが…
時刻は17時。今日は違うメンバーが来て、先に掃除をしているみたい。
小学6年生の凛川あまねだ。

あまねは、高めのツインテールを

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校長先生の話がなぜ長いのか、本気で考えた中高生の話。【シナリオ】

校長先生の話がなぜ長いのか、本気で考えた中高生の話。【シナリオ】

とある休日のマクドナルドの店内席にて。
学校はバラバラだが、同じミュージカルスタジオに通うという共通点を持つ、ゆうり(中3)、祭(高1)、輝(高2)は、ポテトとバーガーとナゲットを囲み、談義に華を咲かせていた。

ゆうり「…なぁ、」
輝「うん?」
ゆうり「何で校長の話って、あんな長いんだと思う?」

祭、ポテトを一本食べる。

輝「唐突だな。」
祭「唐突だに。」
ゆうり「いや、そう思わん?わたし全

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なぜ台風が週末にしか来ないのかを真剣に考える、中学生の話。【シナリオ】

なぜ台風が週末にしか来ないのかを真剣に考える、中学生の話。【シナリオ】

今日は金曜日。明日からは台風の予報。
学校帰り、習っているミュージカルスタジオに向かっている中学生のなずな、ゆうり、深雪。
スタジオの最寄り駅をおり、何となく雲行きが怪しいと思いながらも、のんびり談笑しながら歩いていたら、急に大粒の雨に降られる。
傘を持っていなかった3人は、2、3分ほど雨を避けながら走り、スタジオに駆け込んだ。

なずな「ひゃー!降られたね。」
深雪「ほんと、スタジオまで後少しの

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秋の訪れに将来の不安を重ねる、女子大生の話。【ショートショート】

秋の訪れに将来の不安を重ねる、女子大生の話。【ショートショート】

なんだかいつもより肌寒い。
そう思いながらその日は目を覚ました。
いつもかろうじてかけてる薄い夏用の掛け布団がベッドから落ちてしまったかと思ったけれど、そうではなさそう。しっかり私の肌を守るように、首から足先までかけてある。
あと10分は寝れたのに。
私はため息するための息をためようと、鼻から思い切り息を吸った。
…あれ、匂いが違う。
驚いた私は、目をパッと開けて、窓の方をみる。
私は2度寝するの

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新しい秋の始まりに心躍らせる、双子の小学生の話。

新しい秋の始まりに心躍らせる、双子の小学生の話。

「「いってきまーす!!」」

そう言って、家を駆けだす二人。
小学4年生の双子、宮路うい と 宮路ゆい。
勢いよく駆けだした”ゆい”と、マイペースにしっかり靴を履いてから、玄関を出た”うい”。

ゆい「びゅーん!!」
うい「ちょっと待って、ゆい!…(風が吹く)うぉお、さぶっ。」

二人のもとに、冷たい、透き通った風が通る。

ゆい「ん、この風…!!」
ゆい・うい「「秋だ!!!」」
ゆい「(あたりの

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差出人不明のラブレターをもらい、犯人探しをした高校生の話。【シナリオ】

差出人不明のラブレターをもらい、犯人探しをした高校生の話。【シナリオ】

ラブレターなんて、16年生きてて、はじめてもらったんだ。
それはもうびっくりして。
こんな祭のことを好きって言ってくれる人がいたなんて。
差出人が不明でも、本当に、純粋に、嬉しかったんだ。
…あいつに、あーだこーだ言われるまでは。- 一高祭(高1)

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ここはとあるミュージカルスタジオ。
小学生から高校生までが、なりたい自分になれる場所として通っている。
今日はとある秋の火曜日。今日のレ

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大好きなおばあちゃんに、沢山笑っていて欲しいと思った、高校生の話【シナリオ】

大好きなおばあちゃんに、沢山笑っていて欲しいと思った、高校生の話【シナリオ】

身体の調子が悪いって言ってたけど、 おばあちゃんもおじいちゃんも、ウチと話してる時は元気そうやん。
だから、ウチが帰ってもずっと笑っててよ。
ウチが居なくても、おばあちゃんとおじいちゃんには、ずっと幸せでいて欲しいんや。ー 浅峰響/高校2年生

ここはとあるミュージカルスタジオ。
小学生から高校生までが、なりたい自分になれる場所として通っている。
今日はとある秋の日曜日。今日のレッスンは18時から

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片想いの人に『可愛いは最強論』を力説した、中学のあの日の話。【シナリオ】

片想いの人に『可愛いは最強論』を力説した、中学のあの日の話。【シナリオ】

ー登場人物ー
星野まち…中学2年生。ミュージカルスタジオ生。お嬢様気質。好きな物には一直線。美少女で、よくヒロインを任される。
三浦咲…中学3年生。ミュージカルスタジオ生。母子家庭で、母親を守るため、強い男の子のようになりたくて、一人称は「僕」、ベリーショートで生活している女の子。本当は可愛いものに憧れを抱いている。

ーー

ある秋の日の夜20時過ぎ。
スタジオのレッスンを終えたまちと咲は、駅に

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夏でもクリスマスソングを聴いて思い出に浸る女子中学生の話。【シナリオ】

夏でもクリスマスソングを聴いて思い出に浸る女子中学生の話。【シナリオ】

ー登場人物ー
亜冬なずな…中学3年生。ミュージカルスタジオ生。黒髪ロングポニーテール。ゆうりとは学校も一緒。少しねじが外れているところがある。
白川ゆうり…中学3年生。ミュージカルスタジオ生。茶髪ショートカット。男勝りで大雑把だが、面倒見は良い。

ーー

マックで勉強をしているなずなとゆうり。
ずっとイヤホンで音楽を聴いているなずな。
勉強の集中が切れ、なずなの方をチラチラとみているゆうり。

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仲良し先輩二人組の仲に入りたいけど、踏み出せない後輩の話。【シナリオ】

仲良し先輩二人組の仲に入りたいけど、踏み出せない後輩の話。【シナリオ】

「もっと仲良くなりたい」と思うけど、この関係を壊したくない。
踏み出すのが怖い関係を、あなたは経験したことがありますか?

ー登場人物ー
南野まどか…中2 フルートパート 天然だがしっかり者。先輩たちに強いあこがれを抱いている。
城野ひかり…中3 フルートパート 容姿端麗、頭脳明晰、運動神経抜群の、吹奏楽部副部長でパートリーダー。
宮井ゆいは…中3 フルートパート おっちょこちょいでお調子者担当だ

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【春あるある】暑くなるの早すぎて、「春どこ行った」っていう会話、毎年してる説。

【春あるある】暑くなるの早すぎて、「春どこ行った」っていう会話、毎年してる説。

〇神社の前
中学3年のゆうり、なずなと、高校1年の彩奈は近くの塀に腰を掛け、誰かを待っている。
4月上旬の土曜日の昼。快晴。気温は25℃。
なずなはボーっと汗を拭き、彩奈は鼻をすすらせ、ゆうりはかかとを動かしイライラしている様子。
二人の携帯の着信が鳴り、なずなは携帯をポケットから取り出す。

なずな「輝、あと10分はかかりそうって。」
ゆうり「はぁ!?」
なずな「『了解』っと。」
ゆうり「了解な

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【シナリオ】不登校の時、父親からたまごっちを買って貰った話。

【シナリオ】不登校の時、父親からたまごっちを買って貰った話。

ーはじめにー
子供の頃に感じた父親からの愛。
けど思春期だから、その愛を上手く返せない。
恥じらいなんて持ってるだけ無駄なのになー。

〇電車内。
帰宅途中の香織瑠とぽぷら。
車内は空いている。
2人は端の席に詰めて座る。
香織瑠はスマホを見ていて、ぽぷらはボーッと前を見ている。

香織瑠「ねぇ、ニッジュー好き?」
ぽぷら「ニッジュー?何ですかニッジューって。」
香織瑠「え?ぽぷら知らんの?」

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【シナリオ】私には何も出来ることがない…進路に悩む高校生の話。

【シナリオ】私には何も出来ることがない…進路に悩む高校生の話。

ーはじめにー
自分には何の取り柄もない、何をしたいかも分からないと暗闇をさまよう少女と、やりたいことがちゃんとあるのに、諦めなければいけない事情を持っている少女。
高校二年生のそれぞれの少女が、それぞれの進路に悩むお話。

〇ファーストフード店 2階
土曜午前中、少し空いている店内。
響はポテトとファンタグレープを注文し、席に着いている。
ぼーっとして、ファンタグレープをただ吸っている。

そこに

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【シナリオ】"ちゃんとした大人"ってなんだろう?と考える中高生の話。

【シナリオ】"ちゃんとした大人"ってなんだろう?と考える中高生の話。

ーはじめにー
大人に憧れて、大人みたいになりたくて、でもどうしていいか分からなくて。そんな高校生時代がありました。
大人とはなんでしょう?
そんな考えても答えが見つからないようなことの、答えを見つけたがる中学3年生と、それに付き合う高校1年生の女の子のお話。

〇ミュージカルスタジオ。早朝。
なずなが1人、ストレッチをしている。
レッスンが始まる前に、自主練習をするためだ。
ロッカールームから彩奈

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