マガジンのカバー画像

短編小説・シナリオ

59
読み切り物の短編です。サクッと読めます。 眠れない夜にぜひ(:3_ヽ)_
運営しているクリエイター

記事一覧

【シナリオ】めっちゃ夢叶う短冊の話。

【シナリオ】めっちゃ夢叶う短冊の話。

『八月の七夕』

なずな…中学3年生。ミュージカルスタジオに通っている。純粋で天然。黒髪ポニーテールがトレードマーク。
香織瑠…中学3年生。ミュージカルスタジオに通っている。黒髪ショートで、空気を読み会話をするのが得意な美人。
美和…中学3年生。ミュージカルスタジオに通っている。話が上手な盛り上げ役。髪型は丸みを帯びたボブ。

ーー

人気の無い寂れたショッピングセンター内。
3人の前には、短冊の

もっとみる
【シナリオ】辛いことがあるとすぐ逃げ出す女の子の話。

【シナリオ】辛いことがあるとすぐ逃げ出す女の子の話。

響「あぁ…悔しいな…。」

ーーーー

響…高校2年生。『WESTミュージカルスタジオ』に通っている。何をしても”普通”で、人に勝てるところがないと思っている。努力家の姉を持つ。関西弁を話すときがあるが、全てエセである。
なずな…中学3年生。WESTミュージカルスタジオ』に通っている。天然で人がとても好き。

ーーーー

7月上旬の夕暮れ時。空気は高い湿度をまとっている。
都内の繁華街を一人ぽつり

もっとみる
【シナリオ】自分のお守りについて話す話。

【シナリオ】自分のお守りについて話す話。

短編シナリオ
眠れない夜のお供や、お芝居の練習のためのエチュードとしてお使いください。

柴崎香織瑠...中学3年生。多趣味で人脈も広い。
凛川晴子...中学3年生。人の表情をよく見る。いつも笑顔。
2人は学校は違うが、同じミュージカルスタジオに通っている。

ーーー

オシャレなカフェ。
スタジオ帰りの香織瑠と晴子は、レッスン着などの入った大きなカバンを自分の隣に置き、テーブル席で2人クリームソ

もっとみる
【シナリオ】入院中の犬ちゃんがどう過ごしているのか想像する女の子の話。

【シナリオ】入院中の犬ちゃんがどう過ごしているのか想像する女の子の話。

中学3年生の亜冬なずな、高校1年生の一高祭は、同じWESTミュージカルスタジオに通う仲間である。今日は近くにあるEASTミュージカルスタジオとの合同練習。6月某日土曜の夜、虫の鳴き声が聞こえてくる頃合い。なずなと祭、そしてEASTミュージカルスタジオに通う、中学3年生の柴崎香織瑠の3人は、レッスンが始まる前に、自主練習を行っていた。

ちょうど3人が休憩に入った頃、水をひと口飲み終えた なずなが口

もっとみる
【シナリオ】憧れの人との距離の縮め方。

【シナリオ】憧れの人との距離の縮め方。

6月某日。時刻は20時をまわったところ。
都心から少し外れたところにある、『WESTミュージカルスタジオ』という小中高生のためのミュージカルスクールの電気が消えた。
その建物の中から、会話を楽しむ3人の女の子が出てきた。
天然気質のあるスクールの新人、中学3年生の亜冬なずなと、スクールのリーダーでみんなの憧れの的の高校1年生の夕月彩奈、身長145cmの低身長ダンサー、彩奈と幼なじみの高校1年生、一

もっとみる
【シナリオ】今、カフェでパフェを食べて満たされる、を生きる。

【シナリオ】今、カフェでパフェを食べて満たされる、を生きる。

6月のとある晴れた日の放課後。夕日が沈む前に、同じミュージカルスタジオに通う高校1年生の夕月彩奈と、中学3年生の亜冬なずなは、2人の学校の近くにある落ち着いたカフェを訪れた。
先にレジで注文を済ませたなずなは、このオシャレな雰囲気を楽しみながら、席にて彩奈を待っていた。
「稽古がない日にこのカフェに行きたい!」と、ずっと前から彩奈に約束を取り付けていたなずなは、学校が終わってから気持ちの昂りが収ま

もっとみる
【シナリオ】写真の中の「私の世界」と「宝物」

【シナリオ】写真の中の「私の世界」と「宝物」

ここは小学生から高校生の女の子が通う『WESTミュージカルスタジオ(以下WEST)』。
レッスンが始まる前に、中学3年生の亜冬なずな と、WESTと同系列の『EASTミュージカルスタジオ(以下EAST)』所属の中学3年生の柴崎香織瑠が、広いスタジオのフロアにたくさんの写真を広げて眺めている。
先日のWESTの定期公演のリハーサルに、香織瑠となずなが撮った舞台写真である。
香織瑠の趣味は写真で、以前

もっとみる
【シナリオ】今日が最後の日だったらどうする?

【シナリオ】今日が最後の日だったらどうする?

輝(左)、祭(右)

祭「もしさ、ここに隕石が落ちてきたらどうする?」
輝「落ちてこない。」
祭「もしもの話!」
輝「もしもねぇ…。そしたら今日、最後の日になるのか。」
祭「最後とは限らない。」
輝「ここに隕石でしょ?終わるでしょ確実に。」
祭「それは寂しい。」
輝「そういう話じゃなかったんか。」
祭「最後っていう覚悟はしてなかった。」
輝「やり残したことしかないしな。」
祭「うん。…でももしかし

もっとみる
「気にしない」じゃなくて、「味方がいることを気にする」こと。

「気にしない」じゃなくて、「味方がいることを気にする」こと。

いと…ミュージカルスタジオの講師。
美和…ミュージカルスタジオに通う、中3の女の子。

寒さが目立つ1月の夕方。
レッスン後のミュージカルスタジオ。
スタジオの掃除をしている、いと。
そこに突然、温かい恰好をした美和が訪れる。

美和「いとさん~」
いと「あれ、美和ちゃん、どしたん?」
美和「いや、ちょっと、」
いと「あ、そうだ、忘れ物でしょ!」
美和「はい~、すみません。」
いと「中入り。」

もっとみる
朝必ず掃除をする、礼儀正しい小学生の話【5分シナリオ】

朝必ず掃除をする、礼儀正しい小学生の話【5分シナリオ】

ここはとあるミュージカルスタジオ。
小学生から高校生までが、なりたい自分になれる場所として通っている。
今日はいつかの秋の水曜日。今日のレッスンは18時から。
スタジオの1番の新人である中学3年生の亜冬なずなは、いつもみんながスタジオに来る前に自主練をしている。のだが…
時刻は17時。今日は違うメンバーが来て、先に掃除をしているみたい。
小学6年生の凛川あまねだ。

あまねは、高めのツインテールを

もっとみる
友達の誕生日計画を誰よりもワクワクしながら立てる、中学生の話。

友達の誕生日計画を誰よりもワクワクしながら立てる、中学生の話。

ここはとあるミュージカルスタジオ。
小学生から高校生までが、なりたい自分になれる場所として通っている。
今日はいつかの秋の火曜日。今日のレッスンは18時から。
スタジオの1番の新人である中学3年生の亜冬なずなは、いつもみんながスタジオに来る前に自主練をしている。
時刻は17時。今日もスタジオの電気は、なずなのために少し早くからついている。

なずなは床にノートを置き、胡坐をかきながら何かをメモして

もっとみる
ずっと好きだった幼馴染が転校をする、高校生の話。【5分ショートショート】

ずっと好きだった幼馴染が転校をする、高校生の話。【5分ショートショート】

幼馴染の急な転校が決まった。
今朝の、登校中に言われたんだ。

「実は来週、引っ越すことになってさぁ」

いつも通り混んでいる電車の中で、吊革につかまって並んで立っていた私たち。
朝テストの英単語長を見て、必死で頭に英語を詰め込んでいた私を横目に、余裕そうな顔で彼女はそう言った。

最初は、冗談かと思った。
けど、いくらほっぺをつねっても痛いし、体育で転んだひざの擦り傷もヒリヒリする。おまけに帰宅

もっとみる
校長先生の話がなぜ長いのか、本気で考えた中高生の話。【シナリオ】

校長先生の話がなぜ長いのか、本気で考えた中高生の話。【シナリオ】

とある休日のマクドナルドの店内席にて。
学校はバラバラだが、同じミュージカルスタジオに通うという共通点を持つ、ゆうり(中3)、祭(高1)、輝(高2)は、ポテトとバーガーとナゲットを囲み、談義に華を咲かせていた。

ゆうり「…なぁ、」
輝「うん?」
ゆうり「何で校長の話って、あんな長いんだと思う?」

祭、ポテトを一本食べる。

輝「唐突だな。」
祭「唐突だに。」
ゆうり「いや、そう思わん?わたし全

もっとみる
なぜ台風が週末にしか来ないのかを真剣に考える、中学生の話。【シナリオ】

なぜ台風が週末にしか来ないのかを真剣に考える、中学生の話。【シナリオ】

今日は金曜日。明日からは台風の予報。
学校帰り、習っているミュージカルスタジオに向かっている中学生のなずな、ゆうり、深雪。
スタジオの最寄り駅をおり、何となく雲行きが怪しいと思いながらも、のんびり談笑しながら歩いていたら、急に大粒の雨に降られる。
傘を持っていなかった3人は、2、3分ほど雨を避けながら走り、スタジオに駆け込んだ。

なずな「ひゃー!降られたね。」
深雪「ほんと、スタジオまで後少しの

もっとみる