『マザー・スノー』優希にしか成しえないのだ。
私の目の前で、大の大人の男が泣いている。それはもう、立ち上がったら天井に頭が突き刺さるんじゃないかな、と思うくらいの、若い大男だ。多分うちのバイト先の店長よりデカい。
先ほどまで私は、アデルという名の宇宙人と共に行動していた。
彼は私の未来を知っており、そして未来で私が生むはずだった『龍』という名の、この大男のことを、それはもう、よくよく知っていた。
この宇宙人は自身の所属を『アークエンジェルスの隊員』と説明しており、所謂彼はこの大男『龍』の守護霊的存在であったようだ。