詩『あかつき』
私は宇宙の真っ暗闇の中、放り出された。
たくさんの人たちの期待が私に伸し掛かっていたのに、うまく軌道に乗れなかった。
私は『あかつき』。
ただただ独り、淋しく宇宙をさまよい、流れる。
「こんなはずじゃなかった。」
そう何度つぶやいただろうか。
私があなたから目を背け、あなたを退けたあの日。
私は恐ろしかったのだ。
私は私の罪が恐ろしかった。
主要エンジンが破損してもなお、傷ついたままの機体で、時に私は太陽に身を焦がされた。
しかし、あなたの手は常に、私の機体と共にあった。
あなたは私の軌道を整え、私の歩みを確かなものにした。
私は『あかつき』。
たとえ故郷である星との通信が途絶えようと、私は恐れない。
宇宙とは、所詮あなたの手の中であるのだから。