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2022年12月の記事一覧

2022年ありがとうございました!   今年の振り返り(刀箱師)

2022年ありがとうございました!   今年の振り返り(刀箱師)

2022年本当にありがとうございました。
今年は刀箱師として4年前にスタートしてからずっと目標にしていた、 「大刀剣市」への出展という大目標を果たす事が出来た年でした。
大刀剣市を通して今まで以上に多くの愛刀家の皆様、刀剣店の皆様、職方の皆様と交流を持つ事が出来ました。
また愛刀家の方15名近くの方に展示ケースをお納めする事が出来ました。

刀展示ケースの製作面でいえば、卓上刀箱と卓上短刀箱の大幅

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寅年最後に刀装具沼に引き込んだ虎鐔を眺めて寝る

寅年最後に刀装具沼に引き込んだ虎鐔を眺めて寝る

12年に1度の寅年(当たり前)も明日で終わりです。
今年は一言で言えば刀装具にはまった年でした。
全くの無知な状態でしたが、刀と比較しても価格がお手頃という事もあり、取りあえず興味が引かれた物の中から気に入った物に手を出していた結果、気が付けば結構な量になっていました…。
塵も積もればなんとやらですね。。

中身についてはこちらで書いていますので暇な方はよろしければご覧下さい。
同時に刀装具の本も

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2022年の刀ブログ振り返り

2022年の刀ブログ振り返り

2022年も残りあと2日となりました。
この刀ブログも毎日更新を心がけて今日で早くも925日が経ちました。
今年は色々忙しい時もありましたが、何とか毎日更新出来そうです。

①刀ブログの2022年の記録さて今年1年を通しての当ブログですが、1年で大体40万PVでした。

投稿は毎日しているはずなのですが投稿時間などの影響なのか15本くらい少なく表示されているようです。
1記事あたりに換算すると大体

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茎千両

茎千両

日本刀はついつい美しい曲線美の感じられる姿や豪壮な姿、煌びやかな躍動感ある刃文や落ち着いた刃文、綺麗に詰んだ地鉄や木の木目のような地景などに目が行きがちであるが、茎にこそ美が沢山詰まっていると感じる今日この頃。

「茎千両」という言葉がある。
「この刀、刀身は減ってるけど茎千両だよね」のように使われる。
茎は後世に大摺上げする事で製作時の状態でなくなっている事もよくあるが、基本的には研ぎで減らされ

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古金工(名号歌象嵌鐔)②象嵌について

古金工(名号歌象嵌鐔)②象嵌について

前回に続き、今回は桃山期頃と見られている古金工鐔(名号歌象嵌鐔)の象嵌部をルーペで見てみる。
前回のブログはこちら。

当初3つの象嵌を使い分けているように思ったが改めてじっくり見てみると、象嵌部が部分的に剥落しているだけで2つの象嵌を使い分けているように見て取れるような気がしてきたので画像を載せていく。
しかしどのような象嵌を施しているか自信が無いので、是非詳しい方にご教授頂きたい。

以下の水

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鐔を愛好する人々の3タイプ

鐔を愛好する人々の3タイプ

「鐔の鑑定と鑑賞(著:常石英明)」を読んでいる中で、鐔を愛好する人々のタイプ考察が載っていたので紹介する。
皆さんはどのタイプに属するだろうか。

①古い時代の鐔蒐集に熱を上げる人古刀匠鐔、古甲冑師鐔、太刀金具師鐔、平安城鐔、鎌倉鐔、古正阿弥鐔。
これらを愛好する人は鐔の奥底から出て来る古い時代特有の鉄味や、鐔に秘められた時の趣向や技術などを感じ取ることを楽しむタイプの人。

②鐔の彫刻技術の冴え

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古い鐔は興味のない人から見ればガラクタかもしれないが面白い

古い鐔は興味のない人から見ればガラクタかもしれないが面白い

古刀は摺り上げられて無銘になったものも多く、作者の特定が困難になる。
作者が幕末頃の源清磨であれば得られる情報は多くても、平安時代の五条国永ともなると正確な情報は歴史に埋もれ分からなくなっていく。
鐔も同様で古い物になればなるほど何を表現しているのか分からなくなる傾向がある。

例えば江戸後期以降の鐔を見てみると、何が描かれているか分からない人は殆どいないはずである。(中国故事などはどのような場面

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「沸・小沸・匂」をルーペで見て比較

「沸・小沸・匂」をルーペで見て比較

日本刀には沸出来と匂出来の2つの作があります。
例えば相州伝などは沸出来と言われ、長船系などは匂出来と言われます。
そして沸は粒が目で見えて、匂は見えない、とよく言われます。
しかしその中間に「小沸出来」と呼ばれる非常に分かりづらい物が存在します。小沸は更に沸の粒子が小さく、肉眼で捉えるのはなかなか難しいです。

では沸、小沸、匂の3つを10倍ルーペで見るとどのように見えるのでしょうか。
やってみ

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刀好きの為の財布が遂に見つかる!

刀好きの為の財布が遂に見つかる!

遂に日本刀好きな方必見の財布を見つけました。

日本刀の拵の持ち手、つまり柄の部分には実は鮫革(エイの革)が巻かれています。これは柄自体の素材である木の補強と、柄糸がズレない為の工夫と言われています。

鮫革と呼ばれる事が多いので、サメの革を想像されている方も多いかもしれませんが、実際はエイの革です。

①刀にはエイの革、更に希少部位が使われている以下がエイ。

実際にエイの標本を触らせて頂いたの

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「平成名刀会」さんの展示即売会にお邪魔しました!

「平成名刀会」さんの展示即売会にお邪魔しました!

12/18まで現代刀中心に展示即売会を行っているという「平成名刀会」さんを訪問しました。
場所はJR鶯谷駅(東京都)から徒歩2分の所にあるビルです。
看板が出ていたので比較的分かり易いと思います。

ドアをくぐるとエントランスがあります。奥の階段、もしくはエレベーターから2階へ。

①いざ店内へ!検温とアルコールを済ませ中に入ると…。
刀、刀、刀!
現代刀がずらりと並んでいます。
知っている刀匠の

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異様にずれた小柄櫃孔、笄櫃孔の鐔

異様にずれた小柄櫃孔、笄櫃孔の鐔

日本刀の鐔を見ていると、拵に取り付ける小柄や笄の逃がし穴として、小柄櫃孔と笄櫃孔が開いているものも多いです。
特に江戸時代以降の鐔になるとかなり綺麗にこれらが開けられています。

一方で南北朝期から室町初期頃の鐔となると、この櫃孔の開いている位置がかなりズレている物があります。
因みに以下鐔の解説を見ると、櫃孔の形が角ばっているものと、山形になっている物は古式なものらしく、この穴の形状から南北朝時

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ふなっしーと末兼さんの刀対談を見てきました!

ふなっしーと末兼さんの刀対談を見てきました!

今日は楽しみにしていたふなっしーと末兼さんの刀トークショーの日。
東京の茅場町で開催されるとの事で時期的にも運よく参加出来ました。

①会場には長蛇の列。理由は刀剣画報8階へ上がると既に凄い人。
ふなっしーグッズを身に付け来られている方が沢山いらっしゃいます。
毎回ファン同士の方で会うのか、「○○さ-ん!」という声が所々で聞こえてきます。心が皆温かそうなファンの方の雰囲気に心癒されます。
1つ長蛇

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第68回重要刀剣が誕生!傾向と分析

第68回重要刀剣が誕生!傾向と分析

2022/12/12、第68回重要刀剣が誕生しました。
重要刀剣とは日刀保のHPを見ると以下のように定義されています。

古刀でも室町以降の物は基本在銘である必要があり、新刀や新々刀については在銘かつ生ぶ茎でないと合格の対象にならないというとても厳しい条件をクリアする必要があります。
そしてその中で更に出来が求められるので、合格は狭き門となっています。

合格数は例年に比べてもかなり絞られている様

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未来の空想話と日本刀(後編)

未来の空想話と日本刀(後編)

前編はこちら↓

これからAI(人工知能)が仲介業務などの中間作業をこなしていく事で人間が行う作業が減っていく事が予想されるが、経済を回す一つの策として、AI自身が自分の意志で使用できる財布を持ち色々な買い物をAIの意志で行う事で必要な所に必要なお金が的確に投入される時代が来るかもしれない。

その時にAIが日本刀を買う事はあるのか。
買うとしたらどのような時か。
そしてどういった刀を買うのか。

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