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「沸・小沸・匂」をルーペで見て比較

日本刀には沸出来と匂出来の2つの作があります。
例えば相州伝などは沸出来と言われ、長船系などは匂出来と言われます。
そして沸は粒が目で見えて、匂は見えない、とよく言われます。
しかしその中間に「小沸出来」と呼ばれる非常に分かりづらい物が存在します。小沸は更に沸の粒子が小さく、肉眼で捉えるのはなかなか難しいです。

では沸、小沸、匂の3つを10倍ルーペで見るとどのように見えるのでしょうか。
やってみました。

①沸の見え方

粒が見えるかと思います。沸は肉眼でもこのような感じに見えます。
赤丸あたりに見える刃文の所にある粒を「沸」と呼んでいます。
一方刃文ではない「地」に付いた同様の粒を「地沸」と呼んでいますが付く場所で呼び方を変えているだけで同じです。


②小沸の見え方

どこにあるか分かるでしょうか?
この辺りを拡大して見てみると小さい粒が見えます。
流石にこれを肉眼で捉えるのはかなり困難かと思います。


③匂の見え方

最後が匂いです。こちらは10倍ルーペではまだ粒を捉える事が出来ません。


④終わりに

という事で最後に横に並べてみます。
右に行くにつれて粒が見え難くなります。

個人的には小沸出来と匂出来の違いが難しく、今でも悩むことが多々あるのですが、ルーペで見ると意外にも分かり易い事が分かりました。
しかし実際鑑賞の際にいちいちルーペなど使っていられません。
見た目でこれは小沸出来、これは匂出来など、感覚を掴んでいくしかないのかもしれません。
人間の眼はこの細かな違いを認識するので凄いですね。


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それでは皆様良き御刀ライフを~!

先に挙げたものは全て本物の沸や匂ですが、疑似的に作られた沸もあります。これにより刃文っぽく見せる事が出来ます。
興味ある方はこちらもご覧ください。

↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)

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