思い出の本③ 三四郎(夏目漱石)
夏目漱石との出会いは、おそらく多くの人と同じだろう。
中学校の教科書に載っていた「坊ちゃん」の冒頭部分を読み、続きを知りたくて文庫本を買ったのと、高校の授業で「こころ」を学び、先生の遺書に衝撃を受けたというのが始まりだったように思う。
その後、高校生から大学生の頃までに漱石の主だった作品を一通り読みあさった。
小澤征爾のエッセイ「ボクの音楽武者修行」のなかにも、フランス留学へ向かう船旅の途上で、漱石の小説を日本から取り寄せて読む場面があったので、それに影響されたのかもしれない