私が住む宇治にも、ようやく秋の気配がただよい始めました。
今年-2024年の京都は、例年にも増して暑い日が続き、摂氏30度以上の真夏日が既に100日を超えているそうです。
京都近郊の宇治でも、10月に入ってから最初の週は真夏日が続きました。
しかし、ここ数日は雨まじりでぐずついた天気のおかげもあり、秋らしい過ごしやすい日が続いています。
宇治は、京都の南方にありますが、山に近く、水量豊富な宇治川の水辺にも近いため、本来は京都市内より幾分過ごしやすい場所です。
そのため、平安時代から多くの貴族たちが別邸をつくる場所でもありました。
今は平等院となっている場所も、もともとは藤原摂関家の屋敷があったところ。道長の後継者の頼通が寺院に造り替えたものです。
そんな宇治の穏やかな風景に反して、宇治川の流れは、かなり激しいものです。
それもそのはず、日本一の琵琶湖に注ぐ川は数あれど、流れ出る天然の流路は、この宇治川一本しかないのです。
その大量の水が瀬田の南方、南郷、石山から続く狭く曲がりくねった峡谷を通って、一気に広い場所へブシュっと噴き出されたのが宇治川なのです。
だから、この川の流れに安易に近づくのは危険です。
最近、外国人の方々が、流れの中に入って写真を撮っているのを見かけたことがありますが、ほんと危ないです。下手すると遥か大阪までノンストップで流れ下ることになります。
平家物語にも、宇治川の先陣争いの場面で、激流に騎馬武者たちががむしゃらに立ち向かう様子が描かれていますが、あれは決してオーバーな表現ではありません。
対岸から義仲軍の矢が雨のように降り注ぐなか、よくぞこの流れを馬に乗って渡りきったな、と褒めてあげたくなるような場所なのです。
まあ、なにはともあれ、今年の宇治にも、ようやく涼しい秋らしい季節がやってまいりました。