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#エッセイ
『漆黒の罠』 〜人生万景〜
とんでもなくこわい思いをしました。今まで生きてきた中で1位かもしれません。幽霊とかよりももっとこわいやつです。
今日、ガチャガチャが出てくるところに前の人が取り忘れたかのようにガチャガチャが既に出ていました。説明書みたいなやつが入っていて重さ的に中身が入っているように感じたので、「マジかラッキーじゃんこれ」と蓋を開けてみるとなんと黒いゴギブリが入っていました。古い家に出てきそうな黒よりも黒のゴギ
『生きていても、死んでいても。』 〜人生万景〜
お世話になっていた先輩が亡くなった噂を聞いた。本当かどうかはわからない。でもきっと本当だと思う。信じたくはないけど。本当だと思う。そんな気がする。
あそこに行って、そこで訊いてしまえばちゃんとしたことが判ると思うんだけど。行っていない。行けていない、じゃなくて、行っていない。これからも行かない。行っちゃうと本当が確定になっちゃうから。
時々、先輩が住んでいた家の近くを通ることがある。わざわさ通
『待ち合わせ』 〜人生万景〜
原宿駅で待ち合わせだなんて。どれくらいぶりだろうか。しかも竹下通り口だなんて。記憶にない、くらいない。ないのかも。待ち合わせしたことなんて。ここで。
……いや、ある。あるような気がする。思い出せないだけで。まだ竹下通りを歩いても許される年齢のときに。
大人になったら忘れてしまうようなネバーランド的なあれなのかもしれない。ここは。
……いや、ウェンディは憶えていた。大人になっても。実写版のやつで
『忘れられない味と道』 〜人生万景〜
「五反田なら、大江戸線から浅草線で移動しますか?」と訊くと、「いや歩き。ここから20分くらいだから」と先輩は答えた。
……20分? と疑問には思ったけど、「まあ話しながらいこうぜ」と数歩先を歩く先輩を追いかける形で僕は六本木ヒルズを出た。
全く車に興味がない、と言っている先輩が、ランボルギーニの横幅について語っていた。
40分くらい歩いたところで「正味な話、あとどれくらいで着きますか?