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ほんのひととき編集部が気になった記事

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ここでは、旅と本のウェブマガジン「ほんのひととき」の編集部が気になったnoteをまとめています。おもに、旅や文化歴史にまつわるもの、本や書店を紹介したもの、ほんのひとときの記事を…
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記事一覧

ひなたの道を旅しながら -西脇順三郎の詩の魅力

  【水曜日は文学の日】     詩の喜びの一つに、バラバラになった言葉の印象があると思っています。   鋭い決めフレーズやうらぶれた嘆きの言葉も勿論素晴らしいけど、何の物語もドラマも創らない言葉の断片全体が集まって、一つの空気を創りあげることの魅惑。   西脇順三郎の詩は、私にとって、そうした言葉が連なって乾いた空気を感じさせるのが魅力的な詩です。 西脇順三郎は、1894年新潟生まれ。家は代々名士の出で、画家を最初は目指すが挫折。大学時代は、フランスやイギリスの象徴派の詩

京都・祇園で時の流れを感じる、1番好きな過ごし方。

京都で好きな場所は、どこですか? 私が聞かれたら、「祇園の八坂の塔」って答えると思う。 本当はこういう時は、誰も知らない秘境とか言えたらかっこいいけど...笑 京都の中でも、王道の場所。 でも、そこから見る景色が1番好き。 清水寺で京都らしい写真を。 午前中は別の場所で京都を楽しんだ後、祇園に降り立ち、清水坂を駆け上がる。 参拝を終えて、下っている人とは逆方向。 そして、清水寺の境内へ。 清水寺から山に向かって進んで、折り返し地点。 そこから階段を少し上がった先に

昭和記念公園の探鳥会に参加してきた!

いつも東京蚤の市の後に昭和記念公園で探鳥している私ですが、公園が広すぎてどこを見ればいいのかわからない。探鳥会に参加してみたいな〜!と この記事でも言っていたんですが、調べてみたらちょうど11月開催の申込日が近かったので申し込んで行ってきました!なんと参加費は無料です。公園への入場料がかかるのみ。 昭和記念公園にはいくつか入り口がありますが、西立川駅からすぐの西立川口が集合場所でした。いつも立川駅から来るから公園までが遠く感じるけど、こっちは駅直結で感動!蚤の市じゃない日

【京都ぶらり】ようやく秋本番 見頃を迎えた南禅寺天授庵の紅葉

2024年南禅寺天授庵の紅葉が見頃に 2024年11月20日撮影 今年は、紅葉が遅く、ようやく京都も11月下旬になり紅葉も見頃を迎えています。南禅寺天授庵の紅葉が素晴らしかったのでお届けします。 南禅寺天授庵は南禅寺の開山第一世 大明国師 無関普門禅師を祀っています。南禅寺の開山塔であり、山内でもっとも由緒のある寺院です。 南禅寺大火、応仁の乱と二度の火災により、すっかり荒廃したまま130年が経ち、慶長年間になり当時の南禅寺住持玄圃霊三和尚が、戦国武将で歌人でもある細川 幽

呼ばれないと行けない玉置神社のこと【奈良県吉野郡十津川村】

険しい山、何度も同じような道を進み、いつの間にか高いところまで上っていた。少し開けたところに車を停めて窓を開けると、高い調子の笛の音のような、鹿の鳴き声がこだましてきた。今回の旅は、なにかと鹿に縁がある。 「呼ばれないと行けない」と言われている神社がある。奈良県、和歌山県、三重県の堺目にある、玉置(たまき)神社もその一つだ。何かの機会で神社の存在を知る。次にその神社に行こうと考える。そして神社の場所を調べると山奥や僻地にあることがわかる。そのうえで実際に足を運べるかどうかを

本と豆料理 豆千|営業情報 11月

(2024.11.24更新) 本と豆料理 豆千は、 「ビールが呑める大人の図書室」 をコンセプトにした、古書がメインの小さな本屋さんです。 本の購入に加え、お酒やコーヒー、ちょっとした食事をしながらの読書もお楽しみ頂けます。 不定期営業のため、営業日、営業時間等はこちらからご確認ください。 【11月の営業予定】・2024年11月29日(金)19:00〜22:00 (ラストオーダー21:30) ・2024年11月30日(土)14:00〜20:00  *営業予定は随時追加・

456 アートと猫に出会える瀬戸内パラダイス・男木島

高松から40分 瀬戸内に浮かぶ小島へ7月7日、とても暑い日。香川県の高松港にやってきました。 JR高松駅から5分ほど歩いた場所にあるこの港からは、高松と瀬戸内海に浮かぶ島を結ぶ船が数多く出ています。 わたしも船に乗って近くの島に渡ってみようと思います。小さな島に向かう船ということで舐めていたんですが立派なフェリーが待機していて驚きです。 わたしが向かうのは男木(おぎ)島。鬼ヶ島伝説で有名な女木島とならんで高松市の北に浮かぶ小さな島です。 フェリーはゆっくりと島に向かって

カメラを持って、唐津・呼子旅(1日目)

今年、わが家は夏休みが取れなかったので9月下旬のある週末、「秋休み」と称した1泊2日の小さな旅に出かけてきました。 唐津駅からメインストリートは徒歩圏内なので、一旦荷物を駅のロッカーに預けて街散策へ出かけました。 唐津の名店「二葉鮨」でランチ Googleマップで見つけた「二葉鮨」さんへ初訪問。 ランチ営業時間ギリギリでしたが、快く迎えて頂き感謝。 この日は生憎「青物握り」が無く残念ではありましたが、大将が目の前で握ってくれる丁寧なお鮨はどれも上品で美味しく、大満足!

冒険 担当:寺橋佳央

 リュックサックを背負い、口元をキュッと結び、彼方を見上げる主人公。そんな冒険への一歩を踏み出すシーンを見ると、これから良いことが起こりそうってワクワクする。冒険っていいな。そうだ、今日は冒険っぽい旅に出よう。目指すは海! 逗子海岸へ!   私はいつも使っているリュックサックを背負い、玄関の扉を開けた。  なぜ逗子なのか。それは逗子が湘南新宿ラインの終着駅だからだ。平日に見上げる駅の電光掲示板。そこで輝くオレンジ色の終着駅は、何故あんなに魅力的なのだろう。雑踏の中でいつも、

寝台列車に乗って出雲・松江へ行く旅 3日目

島根旅行3日目。前日は下記。 宿泊先の玉造温泉「ホテル玉水」で朝食。 そこそこ大箱のホテルのバイキングを食べるのが久々で、かなりテンションが上がった。 メニューは幅広くも子供舌大歓喜のラインナップが揃っており、(もうここに住む…)と叶わない夢を描きながら噛み締めた。 朝9時に部屋を引き払い、荷物を預けたままサクッと玉造湯神社に参拝。 もう少し温泉街に滞在し20分ほど歩いて駅へ向かう予定だったが、日差しが強くしんどそうなのでホテルの送迎バスが出る時間に合わせた。 玉造温

展覧会レポ:京都・福寿園のアートスペースで行われる完全予約制の展覧会とは?

【約1,200文字、写真13枚】  京都の福寿園で開催されている完全予約制の展覧会に行ってきました。茶葉や枝を素材としたインスタレーション作品が展示されており、まるで森の中にいるかのような感覚を味わえます。 茶室でつなぐ  エレベーターでアートスペースに到着すると、優しくも力強い香りが広がっていました。  今年オープンしたばかりのこのスペースでは、木工芸職人・アーティストの中川周士氏による『茶の杜に惑ふ ‐ 個細胞が見る夢 ‐ 』が開催中です。  今回の展示は、森や

奈良旅。 |人の手で灯される奇跡、《なら燈花会》を歩く夜

《なら燈花会》とは、1999年に始まった奈良の夏の行事。 世界遺産の古都・奈良で、夏の間のわずか10日間、無数のろうそくに灯りが灯されます。 「燈花」とは、灯心の先にできる花の形をした蝋のかたまりのこと。 仏教で縁起が良いとされる燈花に「会える」場所、それが《なら燈花会》です。 奈良公園に赴くと、そこにはろうそくの花畑が一面に広がっていました。 訪れた人に幸せが訪れるよう願いを込めて、ひとつひとつ人の手で灯されるという、《なら燈花会》のろうそくの灯り。 1万を超え

泊まれる本屋?「松本十帖」元旅館の大浴場が本箱になった!

また見付けちゃった! 泊まれる本屋「松本十帖」。 泊まれる美術館、泊まれる公園、泊まれるテレビ塔など、「泊まれるホニャララ」を巡っているんですが、今回は、長野県松本市にある「松本十帖」。 最近は、古い旅館や古民家をリノベーションしたホテルなども多く見かけるようになりましたが、「松本十帖」の前身となったのは、なんと江戸時代創業の旅館。 しかもユニークなのは、ブックホテルであること。 そして元々大浴場だったところが本箱になった光景がすごかったんです! 読書好きな友人と行って

久多:北山友禅菊

久多は、京都市左京区の最北端に位置する、豊かな自然と伝統文化が息づく山間の集落です。 特徴 北山友禅菊:左京区久多地域に自生していた野生菊である朝鮮嫁菜(キク科の宿根草)の系統の中から特に強健で栽培しやすい系統を選抜したもので、平成9年から左京区久多地域で栽培されています。 自然豊かな環境:四季折々の美しい自然に囲まれ、特に秋には紅葉が素晴らしい景観を作り出します。また、久多川が流れ、釣りや川遊びも楽しめます。 伝統文化の継承:平安時代から続く花笠踊などの伝統行事が今