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ほんのひととき編集部が気になった記事

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ここでは、旅と本のウェブマガジン「ほんのひととき」の編集部が気になったnoteをまとめています。おもに、旅や文化歴史にまつわるもの、本や書店を紹介したもの、ほんのひとときの記事を…
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記事一覧

「おむすび、ぶらり旅」、今回は渋谷編です

「ほんのひととき」さまで短期連載をさせていただいている、「おむすび、ぶらり旅」。 mg.編集長かわかみとリレー形式、イラスト五嶋奈津美のタッグでお送りしているこの連載も、 今回で4回目。私に2度目の番がやってきました。 再開発が進む渋谷。 初めましての商業施設に戸惑い、何度となく使った渋谷駅が迷路のように感じられて出られなかった日の焦りや孤独、劣等感などが忘れられなくて、それをいつか文章にしたくて、今回のおむすびを探す地に選びました。 結果、「焼むすび」という、目に新しい

選ばれなかった僕らが描く虹は何色か? 18年後のthe pillows

図工の授業で絵を描くときに、筆をバシャバシャ洗うバケツがあった。あのバケツには「筆洗(ひっせん)」という名前があるらしい。画用紙に描かれる鮮やかな絵の具とは対照的に、筆洗はどんどん濁っていく。描き進めるうちに混沌を極める、色のゴミ箱。 2001年、僕は中学生だった。バラ色の日々、みたいな表現があるけど、あの頃の僕の毎日を色に例えるなら、まるで筆洗のようだったと思う。 団体行動が苦手で、ストレートに学校が嫌いだった。授業を受けるのも、体育で行進するのも、合唱を歌うのも、耐え難

【オランダ旅】未来の私が振り返った時に、きっと笑ってくれる旅だった。

2022年がもうすぐ終わる頃。 ずっと一緒に育ってきた犬が亡くなった。もうすぐで18歳だった。 2023年。 失恋もした。 仕事も友人関係にも恵まれ愛しい日々を送る中で、失うことが続いた時期でもあった。なんとなく想像していた未来がひとつ無くなってしまったようだった。 そんな中でも周りに恵まれ、なんとか日々を続けている中で感じる、自分の立つ地盤のゆるさ。 15歳で一人でイギリスで演劇留学をすると決めて渡英し、4年半を過ごしきったあの頃より、今の私はずっとゆるい。 日本で

鷽替え神事

1月25日。これが何の日かご存知でしょうか。 初天神とよばれ、菅原道真を祀る天満宮では毎月25日が例祭であり、年が明けて最初の天神祭なのです。 この日に一部の天満宮でおこなわれるのが「鷽替神事」。 鷽(うそ)という鳥を模した木の人形が授与されます。 「うそ」という名前をもじって、前年授与された木鷽と交換することで、前の一年の嫌なことを「嘘」に変え吉事を招くという意味が込められます。 福岡の太宰府では1月7日、その場で「替えましょ、替えましょ」と参拝客で交換し合うそうですが、関

人と触れ合うことで得られる大切な感情

旅行にほとんど行くことができなかった私だけれど、旅先でしか出会えないと思っていた景色や文化に、自宅にいながら触れることができる。 「ほんのひととき」さんのnoteは、そんな素敵な世界を毎回届けてくれます。 それが今回は、タイトルに私の知っているお店の名前があって、とてもびっくりしました。 散歩をするようになってから、地図をよく見るようになって、気になるところがあれば、いつか行ってみようとチェックしています。 そんな中のひとつに「らいおん商店」さんがありました。 地図に「

関東を守護する巨石と雨降り伝説の山 大山阿夫利神社へ(下社編)【登山記】

 年の瀬に迫った頃、伊勢原市の大山(おおやま)に登ろうという話になった。大山は、標高1252M、丹沢山塊の一つであり、古来より修験道の聖地とされ、雨降山という別名もある。また、修験道以前の縄文期の遺跡も見つかっているようであり、古くから祭祀が行われていたようだ。  大山は、山岳信仰の神として石尊大権現がおり、そして大山阿夫利神社の神としては、大山衹大神(おおやまつみのおおかみ)、大雷神(おおいかずちのかみ)、高龗神(たかおかみのかみ)がいる。  阿夫利神社の「あふり」は聞きな

文学フリマにはじめて行って感動が止まらない人の日記

文学フリマに憧れてはや数年。2024年12月1日のきょう、念願かなって初参加しました! 出店はせず、遊びに行くだけですが、そもそも文フリ自体未経験で、膨大なわくわくと少しの緊張。パートナーを連れていくには遠いし私の趣味に寄りすぎているので、ひとりで行くと決めてチケットをとり、当日を迎えました。 実は、どうやってまわればいいのか、コツも作法も何にもわかっていなかったんです。だからあまりに不安で事前にnoteまで書いたんですが(出店しないのに書くひと、いるんか?)、結論、そん

シェア型書店にて、一箱だけの小さな本屋さんをはじめました。

本を読むのが好きなのはもちろんだけど、小さな街の書店に立ち寄り、背表紙をゆっくり眺めながら本を選ぶ時間も同じくらい好き。ハッと惹かれる一冊との出会いは、その本屋さんに足を運んだからこそ得られるもの。その時の気分や読みたい本によって選び取る本が変わるのも、好きなポイントの一つだ。 いつか、小さな街の本屋さんを開いてみたいな、と密かに思っている。この世の中に数えきれないほどある本でも、なぜか分からないけれど私にとって惹かれる一冊。その一冊ずつの積み重ねを経て、いまの私の思考が作

ひなたの道を旅しながら -西脇順三郎の詩の魅力

  【水曜日は文学の日】     詩の喜びの一つに、バラバラになった言葉の印象があると思っています。   鋭い決めフレーズやうらぶれた嘆きの言葉も勿論素晴らしいけど、何の物語もドラマも創らない言葉の断片全体が集まって、一つの空気を創りあげることの魅惑。   西脇順三郎の詩は、私にとって、そうした言葉が連なって乾いた空気を感じさせるのが魅力的な詩です。 西脇順三郎は、1894年新潟生まれ。家は代々名士の出で、画家を最初は目指すが挫折。大学時代は、フランスやイギリスの象徴派の詩

京都・祇園で時の流れを感じる、1番好きな過ごし方。

京都で好きな場所は、どこですか? 私が聞かれたら、「祇園の八坂の塔」って答えると思う。 本当はこういう時は、誰も知らない秘境とか言えたらかっこいいけど...笑 京都の中でも、王道の場所。 でも、そこから見る景色が1番好き。 清水寺で京都らしい写真を。 午前中は別の場所で京都を楽しんだ後、祇園に降り立ち、清水坂を駆け上がる。 参拝を終えて、下っている人とは逆方向。 そして、清水寺の境内へ。 清水寺から山に向かって進んで、折り返し地点。 そこから階段を少し上がった先に

昭和記念公園の探鳥会に参加してきた!

いつも東京蚤の市の後に昭和記念公園で探鳥している私ですが、公園が広すぎてどこを見ればいいのかわからない。探鳥会に参加してみたいな〜!と この記事でも言っていたんですが、調べてみたらちょうど11月開催の申込日が近かったので申し込んで行ってきました!なんと参加費は無料です。公園への入場料がかかるのみ。 昭和記念公園にはいくつか入り口がありますが、西立川駅からすぐの西立川口が集合場所でした。いつも立川駅から来るから公園までが遠く感じるけど、こっちは駅直結で感動!蚤の市じゃない日

【京都ぶらり】ようやく秋本番 見頃を迎えた南禅寺天授庵の紅葉

2024年南禅寺天授庵の紅葉が見頃に 2024年11月20日撮影 今年は、紅葉が遅く、ようやく京都も11月下旬になり紅葉も見頃を迎えています。南禅寺天授庵の紅葉が素晴らしかったのでお届けします。 南禅寺天授庵は南禅寺の開山第一世 大明国師 無関普門禅師を祀っています。南禅寺の開山塔であり、山内でもっとも由緒のある寺院です。 南禅寺大火、応仁の乱と二度の火災により、すっかり荒廃したまま130年が経ち、慶長年間になり当時の南禅寺住持玄圃霊三和尚が、戦国武将で歌人でもある細川 幽

呼ばれないと行けない玉置神社のこと【奈良県吉野郡十津川村】

険しい山、何度も同じような道を進み、いつの間にか高いところまで上っていた。少し開けたところに車を停めて窓を開けると、高い調子の笛の音のような、鹿の鳴き声がこだましてきた。今回の旅は、なにかと鹿に縁がある。 「呼ばれないと行けない」と言われている神社がある。奈良県、和歌山県、三重県の堺目にある、玉置(たまき)神社もその一つだ。何かの機会で神社の存在を知る。次にその神社に行こうと考える。そして神社の場所を調べると山奥や僻地にあることがわかる。そのうえで実際に足を運べるかどうかを

営業情報 2月|本と豆料理 豆千

(2025.2.17更新) 本と豆料理 豆千は、 「ビールが呑める大人の図書室」 をコンセプトにした、埼玉県川口市の小さな本屋です。 取り扱う本は食べ物にまつわる古書を中心に約1,000冊。本の購入だけでなく、ビールやコーヒー、カレーやあんこなどをお供に、読書もお楽しみ頂けます。 不定期営業のため、営業予定等はこちらからご確認ください。 【今月の営業予定】・2025年2月21日(金)19:00〜22:00 (ラストオーダー21:30) ・2025年2月22日(土)14: