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報道とジャージャリズム

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報道とはジャーナリズムとは、何か、どうあってきたのか、今どうであるのか、今後どうあるべきか、考える際に有益であると感じた記事をここに集めようと思います。
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記事一覧

ドキュメンタリー時評、はじめます。

ドキュメンタリー時評、はじめます。

これまでも新聞やweb媒体でドキュメンタリーについて記事を書く機会がありましたが、文字数の制限や締め切りなどの制約があったので、noteで書くことにしました。テレビや映画のドキュメンタリー、メディアのことについて不定期に記したいと思います。第1回は、フジテレビについてです。

ドキュメンタリー時評  第1回(2025年1月23日)フジテレビへの提言

私は元フジテレビ社員です。1995年4月1日に

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政治左翼と文化左翼 アベガーに堕した日本の左翼を「区別」しよう

政治左翼と文化左翼 アベガーに堕した日本の左翼を「区別」しよう

アベガーとか、国葬反対とか、で過激化する人たちは「左翼」と呼ばれるし、私もそう呼ぶけど、あれは「本当の左翼」ではないんだよなあ、と心の中ではいつも思っている。

(念のために言えば、安倍晋三批判や国葬批判そのものは悪くない。必要以上にそれを言い立てている人、という意味だが、それがどういう人たちかは分かってもらえるだろう)

昔の左翼はもっとましだった。真面目に労働運動をやっていたのだ。

昔の左翼

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「大学の左翼」と「エリートメディア」の敗北

「大学の左翼」と「エリートメディア」の敗北

トランプと共和党の勝利については、共和党が勝ったというより、民主党が嫌われた結果なのは、さまざまな数字から明らかですね。

民主党のバーニー・サンダースが総括したように、

「労働者のことを忘れた左翼は、負けて当然」

というわけで。

それについては、リチャード・ローティの「大学の左翼」「文化左翼」批判などが引用され、日本でもさまざまに解説されていました。

ローティの議論ふくめ、いわゆるポリコ

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2025「ポリコレ」予想 保守の勝利が定着するか、左翼が巻き返すか

2025「ポリコレ」予想 保守の勝利が定着するか、左翼が巻き返すか

トランプ勝利で「言論の自由」は蘇るのか

noteを毎日のように書いていると、たしかによい記録になる。

この5年ほど、SNSがどのように変化していったか、自分の記事によって後づけることができる。

たとえば、2020年末には、私はツイッターの左翼偏向にうんざりし、いったんはSNSから離脱する決意をしている。以下の文章で「今度の大統領選」と言っているのは、2020年の大統領選のことだ。

今度の大

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キリスト教団とマスコミの同時左傾化

キリスト教団とマスコミの同時左傾化

以前にも取り上げたことがあるけど、日本のキリスト教・プロテスタント派の左傾化を告発している、小林拓馬という人がいます。

彼のYouTubeチャンネルの番組を、昨日はいろいろ見ていて、考えさせられることが多かった。

とくに注目したのは、プロテスタントの左傾化と、マスコミの左傾化が、似ている点ですね。

キリスト者学生会(KGK)元総主事の大嶋重徳氏の左翼的思想が学生に与えた影響を証言します。(小

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問題が明るみになった団体だけを、メディアが名指しすることの限界…

問題が明るみになった団体だけを、メディアが名指しすることの限界…

こんにちは。
私は宗教2世問題に関しては、こう見えて「いい子ブリッコ」しながら書いていました。
具体的に言うと、メディア批判を控えてきたんです。伝統宗教2世問題について、マスコミに取り上げてほしい思いもあったから…。

しかし実際に取材を受けたり(不採用)、マスコミやジャーナリストのやってきていることを見ている中で、
「今後宗教2世が話題になることも少なくなってしまう(悔しい方は、本当に多いと思う

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「傍聴ブロック」スクープの背景には記者たちの「見えざる連携」があった!尾行して取材した記者の知られざるエピソード

「傍聴ブロック」スクープの背景には記者たちの「見えざる連携」があった!尾行して取材した記者の知られざるエピソード

5月23日に『裁判の「傍聴ブロック」を教育委員会が組織的にやっていた!わいせつ教員事件裁判の裏で行われた工作を暴いた執念の取材』というタイトルの記事を配信しました。

しかしその後、指摘を受けて調べたところ、東京新聞ではなく、共同通信のスクープであることがわかりました。ただ、それでも東京新聞の記者の取材はその価値が決して色あせるようなものではなく、熱意と執念で取材した記者たちの「見えざる連携」とも

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フォローフォロワー時代の終焉

フォローフォロワー時代の終焉

先日、起業家のけんすうさんがこんなツイートをしていた。

さすがけんすうさんだな、と唸った。まったく同感である。

実際、私は今TwitterとTikTok(そのショート動画を掲載するためにInstagramとYouTube)にコンテンツを投稿し、それぞれ6万弱と14万弱のフォロワーを獲得しているが、急速にそのフォロワー数の意味を感じなくなっている。TikTokに至っては「まったく意味を感じない」

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原稿料を上げたくなる「すごいライター」はここが違う

原稿料を上げたくなる「すごいライター」はここが違う

なんだか連日、いろんな方からの反響をいただきありがとうございます。ほくほくしております。お金ライターの三浦さんから、引き続き熱いネタをいただいているので、取り上げたいと思います。ほくほく。

なるほど。ありがとうございます。

僕の編集部では現在進行形でたぶん50人くらいのライターさんと契約しており、過去やり取りをした方々まで含めると、結構な人数のライターさんとご一緒しています。今回はその中でも「

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「クオリティは当たり前。スピードが伴って、初めてプロなんだよ」

「クオリティは当たり前。スピードが伴って、初めてプロなんだよ」

今も人の原稿を直していると、昔自分が言われたことを、イタコのようにそのまま話しているな…と思う場面が多々あります。ネットニュース編集者としてのキャリアを振り返ってみるシリーズ、今回は僕自身が新卒時代に言われ、今なお脳裏に鳴り響いている言葉を、ご紹介します。

▼前回記事

「じゃあこのページを見て、記事を書いてみて」

ひょんなことから編集部に配属され、いきなりニュース記者になった僕。「とりあえず

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ノア・スミス「バズりグラフにだまされない方法」(2023年9月13日)

ノア・スミス「バズりグラフにだまされない方法」(2023年9月13日)

第1部: 誤情報・まちがい・無意味データを見つける方法2020年の終わり頃にこのブログを書き始めたとき,「こんな記事を書こう」というアイディアをあれこれと用意していた.そのひとつは,「バズりグラフにだまされない方法」という記事だ.有名なグラフをいろいろと準備万端にリストにまとめてあった.でも,ちょっとワケあって,その記事は後回しにした.それからの年月で,ネタになるグラフのリストは増える一方で,記事

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新聞社で使われる〝業界用語〟とは…

新聞社で使われる〝業界用語〟とは…

 こんちにはド・ローカルです。

 今回は趣向を変え、われわれ新聞社で使っている「業界用語」について書いてみたいと思います。〝隠語〟とでも置き換えた方が分かりやすいでしょうか? 警察、消防、役所など取材先の担当者が仕事で引用している言葉が、いつのまにか、新聞業界でも当たり前のように使われるようになりました。今回は警察取材で使われる用語を中心にご紹介したいと思います。

 新聞紙面の見出しや記事上に

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キャンセルカルチャー:ホーリーランドのその先に

キャンセルカルチャー:ホーリーランドのその先に

キャンセルカルチャー:著名人をはじめ特定の対象の発言や行動を糾弾し、社会的制裁を加えて排除しようとする動きのこと。

東京オリンピック開会式の楽曲を担当する小山田圭吾氏が過去に雑誌上でいじめ加害を告白、その凄惨な内容に激怒した日本人が彼の辞任を求めている。一部でこれを「日本版キャンセルカルチャー」とする向きもあるが、同意しかねる。米国のキャンセルカルチャーは、その暴力性や社会的背景を鑑みても今回の

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衰退し続ける伝統的なメディアの風景

衰退し続ける伝統的なメディアの風景

元記事はこちら/Original article here

1920年代のラジオ、1950年代のテレビの時代を経て、世界のニュース収集の中心であったはずの新聞業界は、インターネットという競争に直面し、その面目は丸つぶれになってしまった。

インターネットは新聞社にとどめを刺したようなもので、予算は減り、社員数は減り、既存の新聞の数は減り、実際の新聞のページ数は減っている。

その証拠に、今日の日

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