文語短歌詠むほど我にうちとくる現代語から古語引く辞典
秋は空冬は雲こそをかしけれ 冬めく色と呼びたき曇り をかし〔おかし〕=趣がある 「こそ」の結びで已然形の「けれ」
腕立て伏せする人間のさまをしてバナナ一本キッチンにあり
石川島播磨の会社に勤めたし「わじま」「はりま」の韻の良ければ
雨音のうらに鳥の鳴き声のなければいちにち雨と知りたり
人間の足で語れば舟状骨(しゅうじょうこつ)あたりに位置する葡萄園かな
ホオズキを腕いっぱいに抱へゐてベトナムの人通り過ぎゆく * 赤坂二丁目辺りのこと。あれは明らかにお花の稽古の帰りの女性だった。ベトナムの方だ。ベトナムの方がお花をされるのが嬉しい。
短歌同人サークル「諷詠乃集」 https://note.com/fueinotsudoi/n/n8db19f76a8f6 .
限らるる時と言へども道なくは 泥のごとくに棄つるほかなし
諷詠乃集/はじめに https://note.mu/fueinotsudoi/m/m9b6e9f96b281/edit
我立てと己にしひて立たれぬは 我が過ちとさらに我責む 心なく力も見えぬ者ならば 人のそしりも否むべきかは 明日の飯憂へねど今日食ふことは 少なし餓を恐るまじくや
海の底空の果てをも極めたる 人の旅路を骨は閉ざしつ 恨みある人に恵を施すも 恨まるる末見えて悲しも
血も汗もいでてはけがすものなれば 衣に涙落としぬべくや
折節のたけき凍えと暑さとに 星に情のなきぞ知りぬる 天地のひとかけらだに変へられぬ 人に愚かさ嘆くはいかに
落つる日を嘆くも乗せて行く国に 立ちては乗りて栄ゆるもあり
生き行けば知らぬ楽しみあまたにて 人の心のなほ捨てがたき
親しめば疎くなるこそ望まねど 痩さしき人は耐へがたきなれ 恐るれば必ずとこそ言ひやまね 口に誓へばまた破りてむ 過ちを繰り返さじと心得ば 露も残さじ種たち末を
我が人に異なるまじと思ふ時 心劣りを許さじとてか 心劣り…実際に見ると思っていたのより劣る、という感情。 三人(みたり)もて二人愚かとみる世かな 角立たぬ者まれなるがもと 生くる間は酔ひは覚むまじ人の国 物に聡きは酔ひ覚めがたし
かげろふの命と変はるものあらば 我もいにしを悔いてかふべき 家満たし取り集めたるこの文もかの文もまた消えぬべきなり
新たなる命を注ぐ光道 新たかといふこともあらじを 昔見し心地のするはいつはりか 夏の駅舎の夢のたたずみ
日の沈み昇るだに見ぬ人多き この星の末 星喜ばじ 人の種限りあるべしやがてくる 定めに果てよ後な願ひそ 良き子にはあしき親ありあしき子に 良き親もあり庭の教へか やがて…すぐに。 庭の教へ…家庭教育。
試みは百度千度受けしかど 覚えしことは教へにあらず 昨日にはいかに多くを忘れけむ 起きしことみな背負ひてやある
憂へなく心地安けくゐる時も 恨みは深く忍びけるかな
金もなき人助くるに金なくは あるべからねば富は求めよ
語らへば語るものなき身の上の うつろなるこそ悲しかりけれ 必ずと言ひてしことぞ忘れぬる 覚えたりとは傲りなるべし 思ふより見分けがたきは形なり 顔よりは声 声より言葉 正しさを言ひてしやまず人そしる さのみ言ふこそ幸に満ちぬれ
あまたたび失すとも人に鳴り響く 古き心は消えやらぬかな 変はりたることもなき日を許さぬが 人も時をも貫きにける 苦しめば鍛へらるべく思ひなす 世のたはぶれにげにとは言はじ 人のため言ふにはあらず我がくぶさ 欲しければなり他こそ知らね くぶさ…利益。 #短歌 #tanka