短歌(2024年3月)
天の原昏き雲ぞ掃き出でらるるちひさきちひさき三日月冴ゆ
荒れ狂ふ波に飲まれじとおほきなる白き翼になる夢をみる
(2024/5/6 神戸新聞文芸・入選)
透きとほる水、日を慕へばテーブルにうつろふ虹のまどかなるかな
(2024/6/24 神戸新聞文芸・入選)
真白き雲みなの思ひを吸ひ込みてふわんふわんと丸くふくれゆく
車の下しづかに咲ける花たちのちひさきたましひ世のあはひに立つ
おほきなる鳥わが腕を掠めしとき祖(そ)の恐竜立ちあらはれたり
高齢の父母とじゃんけん挑み合う三すくみの襞今日もつつがなく