明日はバレンタインだが、今日は俺の誕生日。家中にある沢山のチョコレートの中での主役はバースデーケーキだろう。そして俺は自らケーキを用意する。ありがとな千弦、お前のニコニコが見たくて、鬼丸が好きそうなやつを何ヶ月も前から予約するんだ。それが俺には何よりも嬉しいプレゼントなんだぞ。
珍しく外で待ち合わせ、しかし出がけに急用が重なり既に遅刻気味。上着あとケータイ、財布、家の鍵。犬のリイコに留守番頼んで外に出る。急いで待ち合わせ場所に行くと馴染みの猫と楽しそうに遊ぶ千弦の姿を見て、ほっと力が抜けて笑えた。俺の為に待って欲しくない、そんな拘りが溶けてなくなる瞬間。
旧友からの頼まれごとで、急遽ハルに渡欧してもらった。行く先々で必ず連絡を入れてくるのに今回はまばら。なかなか時間が取れなくて、ハルにしては珍しい理由だが無事ならいい。せっかくの休暇ですしお土産を買ってきますね、用事を頼んだのに。こんな時のハルのあの天然さは実に愛すべき長所なんだ。
雪が降りそうな夕方、庭師の仕事が一段落した優羽を迎えに。運転久々だからちょっと緊張する。卓こっちこっち!駐車場の辺で手を振る優羽が手招く先に空き発見。広くていい場所。車停めてドア開けると草の匂い。お迎えありがと!きっと柴犬ってこんな感じだろうな、助手席でキラキラ目の俺の黒柴。