(姓)くもは (名)ばき
休筆中のBL作家・くもはばきがリハビリのため三十八歳の誕生日から始める週刊エッセイです。毎週月曜日朝9時頃更新。執筆テーマ、質問、感想大歓迎! DM・マシュマロ・質問箱よりお寄せください。
商業発表作の後日談とか番外編です。
カメラ男子先輩とオタクランナー後輩の長い初恋の話。(完結)
小説、エッセイ、漫画、etcetc……創作には様々あるが、これを読んでいる創作をされる方々はいわゆる作業用動画ないし作業用BGMを活用されるだろうか? 以前の私は小説を書いている時には専ら作業用BGMをリピートしながら書いていたが、この週刊エッセイを初めてからというものぱったりと執筆中に音楽を聴くのをやめてしまった。 理由は単に「集中力を削がれるから」であるのだが、小説を書いている時はむしろ音楽を聴いている方が文章に集中できていたような気がする。おそらく小説を書く時の
言うまでもなく、私にはBL趣味がある。そしてBL趣味のある私が「ナマモノには要注意」というと、その意味は腹壊しとは全く異なる意味合いを持つことがあるのを同好の紳士・淑女の方々ならご理解頂けるだろう。 私のBL以外の趣味は、主に陸上競技観戦と競馬だ。どちらも純粋にスポーツとして楽しんでいる。……ということにさせて頂くほかない。 何故なら「ナマモノ」即ち「実在の人物」をして己がBL妄想をあけっぴろげにする行為は他者を徒に性的消費することであり、非常に、全く非常に行儀の悪い
ここのところ鬱の底を這いずり回っており、1日の大半をベッドの上で過ごしている。1日の大半というのは文字通りほんとうの大半で、起きている時間など24時間の内4時間程度なものだ。 朝は6時に一応起きて7時には夫を送り出し、すぐさま二度寝。次に目を覚ますのは12時頃でプロテインと安定剤を飲んでまたベッドに潜り込み、19時頃に起きて夕食の支度。20時過ぎに夫と夕食を摂り、9時前には就寝する。そんな毎日をここ1週間程度続けている。まさに「概ね寝てたまに起きる日々」である。 この
10月14日の出雲駅伝を皮切りに、今年も駅伝シーズンが幕を開けた。そしてその五日後、10月19日に東京立川市にて行われたのが第101回箱根駅伝予選会である。 拙著「ロングディスタンス」でも再三触れている様に、この予選会はハーフマラソンのタイムトライアルで行われ、各大学の上位10名のタイムを足した上でそのタイムが短い順に1位から10位までが箱根駅伝の出場権を獲得できる。また、11位以下に脱落してしまったチームから成績上位者の内、箱根駅伝本戦を走ったことのない留学生以外の選手
この記事を認めている今日現在。新居へ越して来てから12日が経った。 幸いなことに荷解きはほとんど終わっており、私は仕事場となる私室でもって記事の執筆に励んでいる。 が、やはり旧居から持ち込んだ荷物は新居にはあまりに多く、膨大な量のゴミと不用物を排出することになった。 まずは私の荷物。二週前の記事「引っ越しブルー(荷造り編)」で私は自室の荷造りについて「意外とイージーモードであった。」などとのたまっておったがこれがとんだ大間違いであった。 私の行った荷造りは自室にあ
2024年9月29日。中山競馬場。この日、この場所で、新たな王が生まれた。 その名はルガル。 シュメール語で“王”の名を冠するこの馬はスプリンターズSを制し、初のGⅠ制覇を成し遂げ名実共に王となった。 鞍上は西村淳也騎手。 騎手歴七年の彼もまた、奇しくもこのレースが自身初、悲願のGⅠ勝利。 そして私。競馬歴約3年のビギナー競馬ファンで、西村淳也騎手、そしてルガル号のファンである。 2024年9月29日。 この日は私のこの先の競馬歴の中でも、最も輝かしい
さて、この記事が投稿されている九月三十日。私は現在の自宅を引き払う総仕上げに励んでいることだろう。というか、励んでいてもらわなくては困る。何故ならこれを書いている九月二十六日現在、リビングと水回りの荷造りが芳しくないのだ。 幸い、自室の荷造りは八月の内に済ませてある。これは意外とイージーモードであった。何せ全ての物の取捨選択権は私にあり、何を捨てるも捨てないも私の権限一つで済んだからだ。 しかしリビングや水回りといった夫婦の共有スペースはそうもいかない。引っ越し先へ
我が夫は5人きょうだいで、下にひとり妹がいる。我々夫妻は中学の同級生同士なので、二つ下の義妹は私の中学の後輩にもあたる存在だ。なので今でも彼女は私にとって「義理の家族」というより「中学の後輩」という意識が強い。そしてそんな彼女は当時から、私にとって憧れの存在だった。 私が中学三年、彼女が中学一年に上がる時。義妹(仮にYちゃんとしよう)はスラックスの制服を着て入学してきた。今ではさほど珍しくはない女子生徒のスラックス制服ではあるが、二十余年前の我が母校では恐らく初のことで
九月二週目現在、七月初旬以来の鬱サイクルに入っており、引っ越し目前だというのに日がな一日横になっていることが多い。主治医からも「周期的なものだから今はとにかく休みなさい」と指示を受けているが、引っ越しやその後の手続き、荷解き、果てはそのまた先の復職のことまで、見通しのつくものから全くつかないものまで考えがごちゃごちゃと浮かび、休むに休まらないので困ったものである。 頓服の安定剤を服用して眠ってしまうのが私としては最善なのだが、昼寝をし過ぎると夜に眠れなくなり生活が昼夜逆転
小説の書き方を指南する本がこの世にはごまんとある。私も愛読し参考にしてきたものが数冊あるがそのどれもに書かれていないが重要なこと、否、書きようもないが重要なことがあるように私には思われてならない。 即ち、幸せな人間と不幸せな人間、どちらの方が作家に向いているのか。 これは持論でしかないが、私は作家はみな人間性にある程度の貪欲さと憤怒を持っているように思う。スタバの店員が皆スタバの店員たらんとする人間なように、作家になろうとする人間は皆、多かれ少なかれ作家になろうとす
のっぴきならぬダイエットのため酒を極力控えている私(詳細は第17週「肥満からの脱出」を参照)であるが、たまには飲みたい夜もある。 健全な理由としては友人らとの食事の場や、所用あって新宿二丁目のバー「A day in the life」ほかを訪う時。 そして不健全な理由としては、同業のBL作家たちの輝かしい活躍にジュワッと目を焼かれた時だ。 そうした訳でSNS等では刺激の強そうな情報をなるべくシャットアウトするなど対策を練ってはいるのだが、極稀に私の警戒をすり抜けて眩
我が家の食卓を支えるスーパーは、主にロピアと業務スーパーだ。大体2週に1度くらいの頻度でもって車で買い物へ赴き、食材を買い溜めする。 ロピアはもともと精肉店だったという経緯もあり、肉類の品揃えが豊富すぎるほど豊富だ。ここで私は頻繁に、味付け済みの肉のパックを複数購入して冷凍庫にストックしている。割安のジャンボパックも多いので、何かと使い勝手の良いしゃぶしゃぶ用の豚バラ薄切りや挽肉、鶏胸肉などにお世話になることもしばしばだ。 一方の業務スーパーでは、主に冷凍野菜を頼り
2023年某日。身長149cm、体重68kg、BMIは30,6。私はあまりにも肥満体だった。原因は過度の飲酒。主にストロング系缶チューハイだ。小説の執筆中はほとんど常にこれを呷っており、翌日に原稿を読み返してみれば記憶のない文章が綴られていることもしばしばだった。誰もがその言葉を忘れかけていたであろう2023年にあって、私は未だストゼロ文学の亡霊だったのである。 そんな私がダイエットを決意、否、強いられたのは同年の11月。ODで緊急搬送された先の病院でのことだった。
音楽が好きだ。ゲームや漫画、アニメもまあまあ好きだ。陸上や競馬も然り。 しかし私はどれも上澄みの浅い部分だけでちゃぷちゃぷしているのに過ぎないので、どの分野でも深く突っ込まれると困る。 数年前、上司との雑談の中でエヴァが話題に上った。確か「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」の公開直後のことだったように思う。エヴァファンを自称する私に上司は「じゃあ何号機が好き?」と尋ねて来た。私はどのエヴァが何号機なのかさっぱり分からず言葉に詰まってしまった。 結局その場は「アスカ
小田原への引越しが十月一日に迫っている。あと二ヶ月あるので「迫っている」というほどでもないのでは? と思われる方もいらっしゃるかも知れないが、掃除と整理整頓が壊滅的に不得手な私にとっては二ヶ月の期限というのはなかなかどうして逼迫した状況と言えるのだ。一刻も早く引越しに纏わる作業へ手をつけなければ、この家を出る数日前からほぼ徹夜で荷造りと掃除をしなければならなくなる。(引越しの一ヶ月前まで作業に手をつけなかった前回がそうだった) なので今回は、前回の反省をもとに出来得る限
地元が北海道にあるので、国内の長距離移動は新幹線よりも飛行機の方が私にとっては身近だ。新幹線で旅行したことがあるのは山形と京都のみ。 しかし、旅行ではなくスポーツ観戦のためには年に一度、新幹線を使っていたことがある。そう、箱根駅伝である。 「そう」と言われてもなんのこっちゃと思われるだろうと察するので補足すると、私はミーハーな駅伝のオタクである。どのくらいミーハーかというと「箱根のコースから近いから」というのを決め手の一つに小田原へ移住を決めたほどである。ここ数年は専