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#エッセイ
” 上手く生きられない ”っていうのが ” 生きてる ”ってことだ
人間向いてないなぁと思うことが何度もあるので、前世は猫だったのかもしれない。
大晦日に何言ってんの?って思われるかもしれませんね。
でも大晦日だからこそ、したい話があります。
人間向いてそうな人って、多分前世も人間だったと思うんですよね。
一度人間を経験してるからなのか、なんかこう、要領が良いというか。
そういう人いるじゃないですか。集団の場にすぐ馴染めたり、仕事を効率よくこなしたり、
誰かの言葉に呪われない
まだ社会がこんな状況になる少し前、前の職場の人と飲みに行った時のことだ。
ちょうど1年ほど前に私はその会社を辞めたのだけど、職場の人たちとは結構仲が良くて、今でも飲みに行ったり遊びに行ったりする。その日も定期的に飲みに行くメンバーで予定を合わせていたのだが、直前になって一人から連絡がきた。
『Iさんも誘っていいですか? 来たいって言ってて』
Iさんというのは、私のひとまわり年上の女性社員だ。職
世界がひらける言葉の話
中島みゆきさんの歌に、こういう歌詞がある。
『失えばそのぶんの、何か恵みがあるのかと、つい思う期待のあさましさ』
はじめて聴いたとき、わたしは心の中で膝をちいさくかかえるようにして過ごしていた。「あのときこうしていれば何か違ったのか」「そもそもわたしの道は全て間違えていたのだろうか」なんて思考をぐるぐる回して、半ばふてくされながら世界を恨めしい目で見つめ、実家の近くにある川をよく眺めていた。ま
大切な人を亡くしたときに
家族を失って立ち直れないという話を聞くようになった。
よく書いているが、私は8歳の時に母をがんで亡くした。幼い頃から、従姉妹、祖父母、友人など、なぜか人を弔うことが多い。2年前も大切な人を亡くし、その時はさすがに死んでしまおうかと考えた。とはいえ父はまだ存命で、自らの人生を不幸だとは思わない。
死別は人が生きていく上で経験するかなり大きな絶望だ。回数を重ねれば慣れるものでもなく、精神が強くなる
いつだって、「できごと」より「考え」のほうが怖い
臆病なので、昔から意味もなく「怖い」と思うことがたくさんあった。
失敗することが怖かったし、ひとりぼっちになってしまうことも怖かった。時計の秒針が1秒ずつ時を刻むごとに「ああ、1秒ずつ死が近づいている!」と本気で考えこんでしまい眠れなかったこともある(今思うとヤバい)し、小学生や中学生の頃は、誰かに嫌われることが本当に怖くて、周りにいつも合わせるように生き、自分の意見をなかなか言い出せないような