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最近思ったこと、考えたこと

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ブログサイトで書いてきたジャーナルを、2020年6月からnoteで発表することにしました。テーマはその時々関心をもったこと、もう何年も続けています。葉っぱの坑夫の出版活動と直接的…
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アイドルとアーティストの間にある(ない)ものを探してみる

アイドルとアーティストの間にある(ない)ものを探してみる

ひょんなことで、MAZZEL(マーゼル)というボーイズグループ(アーティストグループ by Wikipedia)の『MISSION×2』という動画シリーズを見ることになりました。これはMAZZELを結成するために、BMSGという音楽プロダクションが行なった発掘オーディションの記録です。30分少しの動画がシリーズで12本(最後の4本は1時間越え)。

まずはMAZZELに注目するきっかけとなったこと

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伝統は忘れて。世界各地のローカル楽器が出会い、出自不明の音楽世界が!

伝統は忘れて。世界各地のローカル楽器が出会い、出自不明の音楽世界が!

音楽家にとって新たな楽器との出会いは、大きなインスピレーションの元、と言われます。音を出すもの=楽器、と捉えれば、素朴で単純なつくりの民族楽器から、億の値がつくような精巧な名人技のヨーロッパ発の楽器まで、同等です。料理用の鍋や皿、バケツでさえ、ときに楽器になります。

西洋クラシック音楽でつかわれる楽器は、ある意味、制度の楽器かもしれません。ピアノ、バイオリン、オーボエ、ティンパニー、、、どれもコ

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第3言語の学び方:日本語→英語→スペイン語 → ズールー語 →・・・

第3言語の学び方:日本語→英語→スペイン語 → ズールー語 →・・・

わたしの言語プロフィール:
第1言語:日本語(母語:熟語は苦手)
第2言語:英語(ほぼほぼ or そこそこ or まだまだ)
第3言語:スペイン語(スタート地点)
第4言語:ズールー語(Duolingo登録)

来年1月くらいからスタートしたいと思っているプロジェクト(Cuentos del universo/宇宙民話)のオリジナル言語がスペイン語なので、スペイン語の勉強を最近始めました。
え、順

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辞書はどのようにして作られるのか(中学生からのおススメ本を読んでます)

辞書はどのようにして作られるのか(中学生からのおススメ本を読んでます)

noteの中学生ライターの記事に影響されて、いま『博士と狂人』(原題:The Surgeon of Crowthorne/クローソンの外科医)という本を読んでいます。OED(オックスフォード英語大辞典)がどのようにして生まれ編纂(へんさん)されたのか、を記した1998年出版(日本語版は1999年、早川書房)のノンフィクションです。(メル・ギブソンとショーン・ペン主演で、この本を原作とする映画も作ら

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タコス ❌ 独立記念日、スペイン語と日本語とAI翻訳アシスタント

タコス ❌ 独立記念日、スペイン語と日本語とAI翻訳アシスタント

9月15日、メキシコの独立記念日のイブにホームメイドのタコスを作って食べました。メキシコシティに住む友人が、タコスで祝ってほしいと言ってきたから。で、どうせならと、トルティーヤを含めてすべて手作りで、と決めました。スーパーマーケットでtaco kitを買って作ったことはありますが、手作りというのは初めて。うちにある材料のみで、なんとか作ってみようと。(あ、トッピング用のチーズがない、けどいいことに

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こんなの短歌じゃない(💢)、とあのお方はいう いや私は好きだけど(❤️)

こんなの短歌じゃない(💢)、とあのお方はいう いや私は好きだけど(❤️)

この三つ、たまたま見つけた短歌です。それほど意味はありません。
*タイトル画像の短歌:上と右/西村曜、下/青松輝

俳句はまだ、少しは知っていましたけれど(といっても外国語の俳句なんですが。あ、あと小林一茶を少し)、短歌にはほぼ馴染みがありませんでした。現代短歌を含めてです。

それが、最近、短歌の面白さを発見したのです。正確にいうと、短歌の「読み」の面白さです。短歌というのは、読みおいて一つのの

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ChatGPTに聞いてみた。なぜ日本の(一部)出版社は電子本の最適化をしないの? 例:文學界 vs. 文藝。

ChatGPTに聞いてみた。なぜ日本の(一部)出版社は電子本の最適化をしないの? 例:文學界 vs. 文藝。

電子本で本を読みますか? 
はい、わたしは結構早い時期からのKindle読書人です。日本にKindleが入ってきたのが2012年ですが、その前にアメリカのアマゾンで買ったKindle端末で本を読んでいました。その端末は今ももっていて、audibleも聞けるので、過去に買った音声作品をいま聴くこともあります。

2012年に日本のアマゾンでもKindleを扱うようになって、それ以降は自分が本を読むと

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小説の中の結合双生児:直近の芥川賞作品から江戸川乱歩まで

小説の中の結合双生児:直近の芥川賞作品から江戸川乱歩まで

朝比奈秋さんの『サンショウウオの四十九日』が先月、芥川賞に選ばれました。癒合(結合)双生児の姉妹の物語です。この発表があったとき、わたしは「新世代作家が描く小説のいま From Africa!!!」というプロジェクトで、同じ題材による短編小説を翻訳していました。それで朝比奈秋さんの小説がどのように書かれているか、興味が湧きました
Title photo by love_K_photo (CC BY

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ルチャン・バン&マット・マネリ『トランシルバニアン舞曲』から「Poor is my Heart」がプレリリース(ECM)

ルチャン・バン&マット・マネリ『トランシルバニアン舞曲』から「Poor is my Heart」がプレリリース(ECM)

先日プレビュー記事を書いたニューアルバム(8月30日リリース)の第1曲目「Poor is my Heart」がプレリリースされました。
Title photo by Dani Amariei

Poor is my Heart:トランシルバニア舞曲より
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民謡は世界の音楽をつなぐ「結合組織」。バルトークの発見に新たな視点! 『トランシルバニア舞曲』 8月30日リリース(ECM)

民謡は世界の音楽をつなぐ「結合組織」。バルトークの発見に新たな視点! 『トランシルバニア舞曲』 8月30日リリース(ECM)

『トランシルバニア舞曲』(Transylvanian Dance)は、100年前にハンガリーの作曲家、ベーラ・バルトーク(1881〜1945年)が収集した民謡や舞曲のtranscription(採録・採譜・編曲)を出発点としています。
2022年にティミショアラ(ルーマニア西部トランシルバニア地方の都市 )でライヴ録音されたもので、1909年から1917年にかけてトランシルバニアでバルトークが収集

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言語の可能性を押し広げるのが文学の役割(by 李琴美)であるとき、翻訳は何をすれば? 言葉のUpdateについて

言語の可能性を押し広げるのが文学の役割(by 李琴美)であるとき、翻訳は何をすれば? 言葉のUpdateについて

いま、李琴美さんの『透明な膜を隔てながら』を読んでいます。日本語を学ぶようになった中学生時代の話、日本語で書く小説のこと、台湾から日本への移住、台湾での学校時代の出来事、さらには自身の性的嗜好(指向)と作品への反映などを綴ったエッセイ集で、興味深く読んでいます。

李琴美さんはあるとき日本語を学ぶことを思いつき、コミックやアニメ、JPOPなども利用しつつ、大学で学ぶようになるまではほぼ独力で言語を

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日本の小説が英語小説になるとき 『穴』『工場』

日本の小説が英語小説になるとき 『穴』『工場』

前回、英文テキストの段落はなぜあんなに長いのか、について書いたとき、最後のところで日本の小説にも段落の長いものがあった、と書きました。小山田浩子さんの小説『穴』だったり『工場』だったりで、その流れで各小説の詳しい解説が英語版ウィキペディアの項目にあることを発見しました。

これが、ちょっと読んでみると、えっそういう小説だったの?というような解説で、改めてすでに読んでいた『穴』をパラパラと読み返し、

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英語 → 日本語で起きる様々な不具合。英文はなぜ、あんなに段落が長いのか?!

英語 → 日本語で起きる様々な不具合。英文はなぜ、あんなに段落が長いのか?!

アフリカ出自・在住の作家たちの作品を翻訳していて、英語のテキストと日本語のテキストの違いについて、改めて注目しています。

ガーナの作家ニイ・パークスの巻頭エッセイを訳していたとき、パラグラフ(段落)の取り方の(日本語との)違いに気づいたのがきっかけでした。

と、ここまで書いて、上の二つの段落は英語のテキストであれば、間違いなく一つの段落に収まるはず、と。しかしわたしは二つに分けました。一つには

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まもなくnoteでスタート! 【新世代作家が描く小説のいま】 From Africa!!! 第1回作品は、ナイジェリアから

まもなくnoteでスタート! 【新世代作家が描く小説のいま】 From Africa!!! 第1回作品は、ナイジェリアから

タイトル写真はアクラ(ガーナ)の空撮写真、手前はわたしのスマホの世界時計。ここのところ、アフリカの作家たちとメール交換をしているので、それぞれの居住都市の時刻を登録しています。メールを書いてからこれを見て、あ、もうすぐ起き出すな、といった具合。
Photo (landscape) by Livvy Adjei, Accra, Ghana(CC BY-NC 2.0)

アフリカは広いので東のケニアと

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