葉っぱの坑夫が2024年5月末から連載する短編小説集、アフリカの新世代作家によるコンピレーションです。ナイジェリア、ガーナ、ウガンダ、南アフリカ、カメルーン、ザンビア、ケニアの英語作品を翻訳して紹介します。チアヌ・アチェベの孫世代、子供世代はいま何を、どう書いているか、どうぞお楽しみください。Photo by James Cridland (CC BY 2.0), Accra, Ghana
ひょんなことで、MAZZEL(マーゼル)というボーイズグループ(アーティストグループ by Wikipedia)の『MISSION×2』という動画シリーズを見ることになりました。これはMAZZELを結成するために、BMSGという音楽プロダクションが行なった発掘オーディションの記録です。30分少しの動画がシリーズで12本(最後の4本は1時間越え)。
まずはMAZZELに注目するきっかけとなったことを少しだけ書きます。ローリング・ストーンという日本の音楽誌(元はアメリカ発)があ
わたしの言語プロフィール:
第1言語:日本語(母語:熟語は苦手)
第2言語:英語(ほぼほぼ or そこそこ or まだまだ)
第3言語:スペイン語(スタート地点)
第4言語:ズールー語(Duolingo登録)
来年1月くらいからスタートしたいと思っているプロジェクト(Cuentos del universo/宇宙民話)のオリジナル言語がスペイン語なので、スペイン語の勉強を最近始めました。
え、順番が逆だろ、って? 確かにそうです、普通は。
でも葉っぱの坑夫は普通ではないこと
noteの中学生ライターの記事に影響されて、いま『博士と狂人』(原題:The Surgeon of Crowthorne/クローソンの外科医)という本を読んでいます。OED(オックスフォード英語大辞典)がどのようにして生まれ編纂(へんさん)されたのか、を記した1998年出版(日本語版は1999年、早川書房)のノンフィクションです。(メル・ギブソンとショーン・ペン主演で、この本を原作とする映画も作られた模様:2019年)
*タイトル画像:『博士と狂人』より(作者不明:原著にもク
COMPILATION of AFRICAN SHORT STORIES
アフリカ短編小説集 もくじ
トタン屋根の穴から漏れる光で、今日もナマニャは目を覚ます。少しの間ぼんやりとし、背中の痛みを感じて寝返りをうち、我にかえった。背中がもうやめてと悲鳴をあげていた。古着の山に屈みこむのを、市場での値段交渉を、化学薬品のツンとするニオイを嗅ぐのを、額を太陽にさらすのを、擦り切れた靴うらで砂利を踏むのをやめてくれ、と。今週3日間休んで楽にはなったものの、今日また仕事に出なければな
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アフリカ短編小説集 もくじ
[ Summer break essays and more … ] no.1 no.2 no.3
二人はカフェの窓際にすわり、彼女は楽しそうに相手の男と話している。わたしの席から、大きな窓ガラスをとおして二人はよく見える。彼女は男の冗談に笑い崩れている。彼女の愛すべき心からの笑い。それがいま、くちびるからこぼれる宝石のような笑い声が、わたしの耳に聞こえはしまいか、、、
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アフリカ短編小説集 もくじ
[ Summer break essays and more … ] no.1 no.2 no.3
私は自分の人生がもっと悲劇的だったらなあ、と思うことがある。それはアフリカの作家である私に対する読者の期待が、飢餓や戦争、大きな惨事・災害の物語だったりするからだ。去年の9月に、ミネソタ州の小さな町のアーティスト・レジデンスで、ある女性ネットワーク・グループに招かれて話をす
朝比奈秋さんの『サンショウウオの四十九日』が先月、芥川賞に選ばれました。癒合(結合)双生児の姉妹の物語です。この発表があったとき、わたしは「新世代作家が描く小説のいま From Africa!!!」というプロジェクトで、同じ題材による短編小説を翻訳していました。それで朝比奈秋さんの小説がどのように書かれているか、興味が湧きました
Title photo by love_K_photo (CC BY-NC-ND 2.0)
癒合双生児とは、一卵性双生児がお母さんのお腹の中で分離
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[ Summer break essays and more … ] no.1 no.2 no.3
アフリカ文学のためのケイン賞(2014年度)の候補になったのは、22歳の時だった。当時、南アフリカで身に合わない不法就労をしていて、友だちの家に居候して、あっちへこっちへと毎週のように移り住んでいた。そのときまで、自分は本物の作家にはなれない、あるいは作家を長く続けることは