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映画の感想

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映画・アニメ・MV・映像・ドラマ……とにかく芸術の発露媒体としてリリースされたムービーやその市場について書き残したnoteを集めたものです。
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#デンゼル・ワシントン

『ピアノ・レッスン(今年の映画)』「ポケモン・ショック(1998?)」

『ピアノ・レッスン(今年の映画)』「ポケモン・ショック(1998?)」

ポケモンショック的演出の極端さ『ピアノ・レッスン』における演出の中で、特に山場での「ポケモンショック」的な表現は大きなポイントだ。この一見過激な演出が、映画全体のテーマやメッセージにどう結びついているのかを考える。

1. ポケモンショック的表現とは何か

視覚的な過剰さ

「ポケモンショック」とは、視覚的な刺激が観客に直接的な衝撃を与えるような演出を指す。『ピアノ・レッスン』では、ストロボのよう

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『ピアノ・レッスン(今年の映画)』遺産、家族、ギスギス、修羅場

『ピアノ・レッスン(今年の映画)』遺産、家族、ギスギス、修羅場

『ピアノ・レッスン』を観てぼくが最初に感じたのは、「またか」という疲労感だった。

映画の裏にデンゼル・ワシントンの影が見えるとき、その結末には一種の覚悟が必要だ。デンゼルが裏方で関与した映画に共通するのは、視聴者の心を一切容赦せず、息苦しいまでのリアリズムと圧倒的な修羅場を提示することだ。

『フェンス』や『マ・レイニーのブラックボトム』で描かれたような、家族や社会の中でのギスギスした緊張感が、

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デンゼルとイーサンとアンソニー・キーディスとマハーシャラ・アリとチャドウィック・ボーズマンとヴィオラ・デイヴィスとか

デンゼルとイーサンとアンソニー・キーディスとマハーシャラ・アリとチャドウィック・ボーズマンとヴィオラ・デイヴィスとか

アメリカン・ギャングスターの感想の続き。ヘッダ画像をお借りしてま!w

前回はおすぎ風にいうとこんなことを言いました。

デンゼル・ワシントンの「アメリカン・ギャングスター」観ちゃったわよ!

デンゼル・ワシントンが出演しているなら絶対観るわよね!彼が演じるフランク・ルーカスは麻薬帝国を築いた男なの。もう、デンゼルの演技力が炸裂してて、感情移入しちゃうの。ラッセル・クロウが演じるリッチー・ロバーツ

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アメリカン・ギャングスターは現代のゴッドファーザーだ

アメリカン・ギャングスターは現代のゴッドファーザーだ

デンゼルワシントンのアメリカン・ギャングスターを見る。ヘッダ画像をお借りしてまし。

見たのは23時間ぐらい前でしたでしょうか。もうなんていうんですかね。下のぼくの映画生の寄せ集めを見てもらえばわかるでしょうが、デンゼル・ワシントンには並々ならぬ思い入れがある。

デンゼルが出るなら見る、ぐらいの心持ちが今やある。映画の文の寄せ集めの最初期なんて、出てる奴で映画なんか見るかよぐらいの気持ちだったが

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キャプテン・フィリップスとハドソン川の奇跡のトムハン

キャプテン・フィリップスとハドソン川の奇跡のトムハン

昨日に引き続きキャプテン・フィリップスについて。別に昨日を読んでないと意味不明みたいなことはないですが、無理に読む必要なんてない。ヘッダ画像をお借りしています。

これは演劇だから実際には相手が襲ってこないというのは織り込み済みだからトムハンだってあのような果敢な演技ができるのだろうし、これは内容ばれを絶対に知らないようにしようとしているぼくが受けてしまったばれなんだけど、最後の10分間に論点があ

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デンゼルの原西性について

ぼくは最近デンゼル・ワシントンについてのエントリをよく書いてるんですが、それは映画をやたら観るようになったからです。ヘッダ画像をお借りしています。

しかしながらデンゼルの良さには気づいておらず、数日前のエントリを見ていただければ分かる通り最初は「何やねんこのいたずら親父は」と悪態をついてしまうほどの印象を抱いてしまった。

結果的にそれは人をそういう気持ちにさせるのが主目的の映画だったのであり、

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枝葉末節・エコライズ

枝葉末節・エコライズ

ぼくは倍速視聴をやり玉に上げ、やれZ世代がどうのとかファスト映画で物事を消費した気になってる層と一緒くたにする自称知識人さまがたのその暴論について気息奄々たる思いで枚挙に暇がなくなるわけですが、唯一等倍で見る映画のある部分がある。ヘッダ画像をお借りしています。

ウィットな殺人それがエコライザーにおけるデンゼルの殺傷シーンだ。
ぼくはエコライザー2を観ました。

エコライザー1を観た時の

エコラ

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映画ベケットのかんそうとジョン・デヴィッド・ワシントンオンマイマイン

映画ベケットのかんそうとジョン・デヴィッド・ワシントンオンマイマイン

ヘッダ画像をお借りしています。理不尽な逃走劇を観た。逃走とはすべからく理不尽なものだ。

その道は尊い。なぜなら逃走とはすべての瞬間において命をつないでいるから。命を狙う、その逃走すべき根源的理由に出くわしてしまえば終わりだから。

正義のために逃走をする必要がある。そして驚いたことに主役はジョン・デヴィッド・ワシントンでありブラック・クランズマンの主役と同じであることに何ら気づけなかった。

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そりゃデンゼルも出世しますワ

そりゃデンゼルも出世しますワ

映画トレーニング・デイの感想です。ヘッダ画像をお借りしています。

見た人はわかるかも知れませんが、サラッと話の動きが変わるところがあります。で、内容のばれを徹底的に避けながら生きているぼくはもちろんそんな映画だとは知らなく、嬉しいビビリ散らかし体験ができた。

だから映画として最上級に飲み込まれたのでいい映画だったとしか言えない。

最近なんか急にせわしなくなって(←忙しいアピする変な人みたいで

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かつてありんことも戦った勇敢な「熊」

かつてありんことも戦った勇敢な「熊」

映画イコライザーの感想です。ヘッダ写真をお借りしています。

このような感想を持つに至るまでの経緯

記号論
イコライザーを観るに当たって、ぼくらは老人と海という本を読んでいたほうが良いことがわかります。

でも、なんとなく「そういう展開だからそういう聞き方をしたのね」的情緒が伝わってくるのでどちらでも良いかも知れない。アメリカの空気感の造り方が効果を発揮している部分です。

奥さんの遺産として読

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ジョンウィックの失望からユーザを解放する映画「イコライザー」

ジョンウィックの失望からユーザを解放する映画「イコライザー」

ヘッダ画像をお借りしています。

何かをくさして何かを褒める的なことがしたいわけではないのですが、ぼくはジョンウィックをヒューマンドラマだと思ってたらそうではなかった2話目以降に打ちのめされたことがありました。あまりに悲しかったため、1話を褒め称えるnoteを含めて5つぐらい「ジョンウィック2話目以降の何がつらいのか」といった趣旨のnoteを書きました。

それはカリフォルニア大教授の言葉を借りれ

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「クソゲー」「クソ映画」等は、業界通ぶりたい何も解ってない人がファッション代わりに着る言葉なのか?

「クソゲー」「クソ映画」等は、業界通ぶりたい何も解ってない人がファッション代わりに着る言葉なのか?

戦前から連なる黒人への扱いがテーマである映画をやたら見てしまった話を続けています。ヘッダのテーマをサイト内機能でお借りしています。

そのうちの1つ「フェンス」が、それまでぼくが一方的に、勝手に抱いていた黒人男女問わずへの思い「気高く、純粋で、格好いい」というイメージを著しく損なった。

それはデンゼル・ワシントンが演じたトロイという男の所作によるものであり、それ自体がこの映画のテーマなんだろうか

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届くかどうかは配送業者次第

届くかどうかは配送業者次第

黒人が出てくる映画の話をしています。思う処あって最近、サイト内機能でヘッダ写真をお借りするアレを利用させてもらっています。

黒人が登場する映画3連発ぼくはフェンスを観終わった後に、気分を変えようと
スティーブ・ジョブズ

マ・レイニーのブラックボトム

The Mercy(黒い司法)
を見ました。

フェンスであまりにもローズがトロイ(デンゼル)に傷つけられたからです。彼女が報われるべきだっ

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気持ちの良い女達が上京

気持ちの良い女達が上京

映画の話、特に黒人が出てくる映画が好きみたいな話をしています。ヘッダ画像をお借りしています。

黒人映画が好きすぎて毎日1つは観たいと思っています。実現できているか?それは難しいところです。なんたってYouTubeで娯楽は完成できてしまうから。

特にモーガン・フリーマンやマハーシャラ・アリみたいに時として脇役にもなる人達に異様に惹かれてしまう。

その中で、今日の1つとしてこの前選んだフェンスは

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