マガジンのカバー画像

映画の感想

232
映画・アニメ・MV・映像・ドラマ……とにかく芸術の発露媒体としてリリースされたムービーやその市場について書き残したnoteを集めたものです。
運営しているクリエイター

記事一覧

マイ・インターン(3回目)

マイ・インターン(3回目)

出先で流れてたのを見ただけだし、ちゃんと見たわけじゃないし、過去に何度も書いてるからあれなんだけど……

マイインターンといえば最後のシーンですよね。もうこれから俺たちは何を焦って始めることはない。ということにジュールズが気づく。ベンは毎日こんなことをしていたのか。確か冒頭にもありますよね?見逃してしまった

マイインターンといえばよくサムネイルに使われるベンがジュールズに試算表だかなんだかを提言

もっとみる
明るい映画を探す明るくない話

明るい映画を探す明るくない話

レイクビューテラスを見てクソみたいな気持ちになっていたところ、また黒人が活躍する映画が見たくなったんだけど好きなクイーン・ラティファの話はラブコメぽかったり、あとは世界が滅亡する系とか、あとは振興アフリカ系のすーごい身体を持った女のひとたちが自己実現しようと努力するはずが男の凄まじい浮気とかに合うような話がなんだかいつもより体感すげー多くて探すだけで疲れてしまった。

そのような中でメリル・ストリ

もっとみる
No Sorry, ONE TEAM

No Sorry, ONE TEAM

レイクビューテラスを見終わった。パルプ・フィクションやその他いろんな映画で鬼かっこよかったサミュエルエルジャクソンがどんどんオワっていくぶっ壊れていく話だった。

パルプ・フィクションでのジュールズは何度も言ってるが相対評価にすぎないとぼくは思っている。偉そうなものいいで悪いとは思っている。

だが、ほかがアホすぎる。雑魚すぎる。ただボスとブルース・ウィリスはもらい事故と言わないといくらなんでも可

もっとみる
バースデー・パトロール 後悔する3つ

バースデー・パトロール 後悔する3つ

レイクビューテラス危険な隣人を見てる。サミュエルエルジャクソンの映画である。2009年前後?ぼくにとってはサミュエルの映画はなんであろうと新しいが、この年代のってそう新しいとは言えないのか。

途中まで見ててよくわからん。いわゆる何が起こるかわからんものはスリラーとか呼ばれるんだろうなと思いながら見ている。主人公のサミュエルが警官なのでやってることはクライムサスペンスになろうという感じか。ともあれ

もっとみる
テンション復活

テンション復活

田口浩正について何の好きもない演技者だと思ってたし、るけど、よく言えば隙だらけのタ田口を初めて見た。悪く言えばプライドの塊といえばいいのか─────どんな言い方をしてもおそらく本人に否定されるだろうというこの感じこそがまさにぼくが受けた印象だ。

言うなれば、「予め自分について一定のマイナス評価を持っているという前提の母集団の輪の中に、後から入らなければならない」という状態の人がやってきて、額面通

もっとみる
きみは戦闘狂美少女

きみは戦闘狂美少女

病気になる前に病気になってもおかしかない内容の映画を見た。日本名はプライベートアイダホあたりで、ちゃんとした名前はmy own private Idahoだったと思う。この違いはなんだかわからん。

そして特筆すべきことに、マイプライベートアイダホどころかその周辺の映画の事情にめっちゃくちゃ詳しい人が、ゼロから100までこのサイト内で徹底的に話している。多分20000~30000文字ぐらいある。あ

もっとみる
戦争をエンターテインメントにしろ

戦争をエンターテインメントにしろ

注意としては映画が人を選ぶ。味方であれ敵であれ、暴力は即否定する向きの人には向いていない。そしてぼくもそれを否定しない。いついかなる場合でも暴力を受けたとて暴力で返したら同じである、という意見が存在することを尊重する。ぼくも同調するケースもあれば、しない場合もあるだろう。

映画が人を選び人も映画を選ぶが、とにかくクソ以下のカス野郎が一匹出て来、そいつの「活躍」という胸くそ芸に付き合わねばならない

もっとみる
ケーパー・リテルター(デンゼル利休ワシントン)

ケーパー・リテルター(デンゼル利休ワシントン)

日本の歴史と文化に深く根差した茶人・千利休と、アメリカ映画『エコライザー』の主人公ロバート・マッコール(演:デンゼル・ワシントン)は、一見すると無関係な存在に思える。

しかし、漫画『へうげもの』に描かれた千利休が最期に見せた乱心と呼ばれる最強のもてなし的な振る舞いを読むと、その中にデンゼル・ワシントンのカリスマ的なキャラクターを重ね合わせることができる。

利休が茶の美を追求する姿勢と、マッコー

もっとみる
余った時間でレディー・ガガ どうもーLa.おかきでございます

余った時間でレディー・ガガ どうもーLa.おかきでございます

セレンディピティという映画のさわりだけ見た。なんといえばいいのか……
ここまで験担ぎを信じて生きている女に執着する男がずんのやすトークライブに髪があるバージョンに見えてしまった。いずれ有名な演技者なのだろうが、初めて見たので名前を失礼する。

またこの異常な女も異常にきれいな女だった。こちらも名前を知らんので失礼する。あとで調べてタグにでもする。

だけどマジで女と男の出会いをこんな感じにするって

もっとみる
ピアノ・レッスン(今年の映画)傍白

ピアノ・レッスン(今年の映画)傍白

アメリカの人種史をピアノが語ってる『ピアノ・レッスン』が単なる家族の争いを描いた物語に留まらないのは、ピアノという象徴を通じてアメリカの人種史に深く切り込んでいる点だ。
舞台である1930年代のアメリカは、大恐慌の余波と人種的抑圧が色濃く残る時代。
この文脈を踏まえると、ピアノに刻まれた家族の歴史がどれだけ重い意味を持つのかが見えてくる。

1. 奴隷制の記憶が残した傷跡

家族史を彫り込んだピア

もっとみる
『ピアノ・レッスン(今年の映画)』「ポケモン・ショック(1998?)」

『ピアノ・レッスン(今年の映画)』「ポケモン・ショック(1998?)」

ポケモンショック的演出の極端さ『ピアノ・レッスン』における演出の中で、特に山場での「ポケモンショック」的な表現は大きなポイントだ。この一見過激な演出が、映画全体のテーマやメッセージにどう結びついているのかを考える。

1. ポケモンショック的表現とは何か

視覚的な過剰さ

「ポケモンショック」とは、視覚的な刺激が観客に直接的な衝撃を与えるような演出を指す。『ピアノ・レッスン』では、ストロボのよう

もっとみる
『ピアノ・レッスン(今年の映画)』遺産、家族、ギスギス、修羅場

『ピアノ・レッスン(今年の映画)』遺産、家族、ギスギス、修羅場

『ピアノ・レッスン』を観てぼくが最初に感じたのは、「またか」という疲労感だった。

映画の裏にデンゼル・ワシントンの影が見えるとき、その結末には一種の覚悟が必要だ。デンゼルが裏方で関与した映画に共通するのは、視聴者の心を一切容赦せず、息苦しいまでのリアリズムと圧倒的な修羅場を提示することだ。

『フェンス』や『マ・レイニーのブラックボトム』で描かれたような、家族や社会の中でのギスギスした緊張感が、

もっとみる
映画を数字で評論するほど無意味なことはない

映画を数字で評論するほど無意味なことはない

『ノクターナル・アニマルズ』論考

『ノクターナル・アニマルズ』という映画は、非常に多層的なテーマと物語構造を備えた話であり、その解釈や評価が単純な「点数」では到底語り尽くせないことを痛感する。

美と醜、愛と裏切り、復讐と救済の狭間に立つこの話は、観る者を深い考察へと誘うが、同時に強い不快感や混乱がガーンと来る点で議論を呼ぶ。

ぼくがこの映画を観て感じたことを、以下に多面的に掘り下げていく。

もっとみる
ルーガルー人狼を探せのかんそう3

ルーガルー人狼を探せのかんそう3

本来なら、世代間の価値観の違いっていうのはもっと複雑で多層的なもののはずだ。

若い世代が持っている価値観は単なる「新しいもの」ではないし古い世代の価値観がすべて無意味になったわけでもない。Z世代が人前で褒められるのを嫌がるのは出世を望んでないからではなく、SNSと同じく公開やっかみの恐ろしさを知っているからだ。だから人前で無神経に褒め倒す、叱り散らす上司とはそれだけで無価値だ。

それぞれの世代

もっとみる