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#本好きな人と繋がりたい
売れる本ってナンダ!【#推薦図書】
ひとつ前のnoteで、書店がどんどん失くなっていくというグチを延々書いた。
書店減少を食い止めるために、ただの読者好きにできることは何か。
考え続けている。
そんな時に出会ったのが、額賀澪・著『拝啓、本が売れません』である。
この本が、めっぽう面白い!
本づくりに携わるさまざまなプロフェッショナルたちに、著者が話を聞きに行くのだが、改めて本をつくるのに、これだけ多くの人の思いが詰まっているん
人生の後半戦にさしかかっているあなたへ【#読書感想文】
思えば、私の恩師は独善的な人だった。
小学生の頃、当時40代半ばだった女教師の彼女から、勉強することの面白さ、努力することの大切さを学んだ。とても感謝している。
だがそれ以上に、理不尽だと感じる場面も多かった。
かつて彼女の発案で、夏休みに学校へ呼び出されたことがあった。登校日でもないのに。
電話口で「今から来なさい」と言うのである。
私は、何の疑問も抱かず小学校へ出かけていった。
クラスの
キュンキュンだけが恋じゃない【#恋愛小説が好き】
「他人は自分を写す鏡」
とは、よく言ったものである。
柚木麻子・著『伊藤くんAtoE』を読みながらこの言葉を思い出して、久しぶりにページをめくる手が止まらなくなった。
容姿端麗だが、プライドが高く毒舌なボンボン・伊藤くんとその周囲の女たちを描いた短編集である。
まぁ、この伊藤くんという男が、ホントしょうもない。
職業は予備校の国語教師だが、それだって親戚のコネ。シナリオライターになりたいら
運命の1冊に出会いたいなら【#新書が好き】
切実に、壊滅的に、本との出会いがない。
いや。あるにはあるが、ないのである。
最近、書店でちょっと気になった作品を手にとって、それが思いがけなく面白い作品であった喜びを味わう機会が少ない。
学生時代は、スーパーにでも行く感覚で書店に足を運んでいた。
小さな書店も、そこそこ大きな書店も。
通学路の途上に2、3店舗は存在していて、ここで手に入らなかったら、「じゃあ、あそこまで足を伸ばそう」という選
原作本で補完する【#電本フェス2022冬読書】
映像化作品にハマったら、原作本を読みたくなるタチである。
先日、映画『かもめ食堂』をみた。
フィンランドを舞台に、食堂をはじめた日本人女性のお話。
北欧の雰囲気よし、出てくるごはんが美味しそうでよし、登場人物がまた肩の力が抜けてて、ゆったりとした時間が流れている楽しい作品だ。
ずいぶん前に勧められて、最近ようやく観たところ、
「なんてステキな作品だろう!」
と、まんまと夢中に
なんでヨメに行かなきゃいけないの?【#2021年のおすすめエッセイ】
「この行かず後家がっ!家から出ていけっ」
同居している高齢の父に、凄い剣幕でなじられた。
決して仲は悪くない私たち。だが数年に一度、父はこうやってカンシャクをおこす。
…行かず後家ってさ。
『終身嫁せずして独身生活を営む女のことをいふ。嫁にゆかないで未亡人になつたといふ意味からいつたもの。』
隠語大辞典には、そう書かれている。
なんか凄い表現だな。
子なし、40オーバー、シングル。ついでに
黙って待ってたって、幸せなんてこない【#読書感想文】
「ずっと待っているのに、私の番がこないんです」
決して大声ではないのに、批判的な声が聞こえてきて、本を読んでいた私はヒヤッとなって顔を上げた。
自分が非難されたワケでもないのに、なぜかドキドキする。
その日、定期検診で病院にやってきた私。
受付をすませて、診察まで待合室で待機していた。
その病院は、事前予約を電話やwebで行う。
患者は予約で得た整理券番号の順番が来たら病院に出向き、受付を済ま
もやもやの答えを求めて本を読む【#読書の秋2021】
恐ろしい本を読んだ。
この本の感想は、何を書いても、どう書いても己の底の浅さを露呈してしまう。
取り繕わず、素のままで書くしかない。
上野千鶴子 鈴木涼美 共著『往復書簡 限界から始まる』。
私は元々、朝日新聞に寄せられたいろんな方の人生相談に上野千鶴子さんが答えた『身の下相談にお答えします』が、大好きである。
例えば『成人した娘に、自立して結婚してほ
お酒好き料理好きのあなたにオススメする小説【#読書の秋2021】
食欲の秋だ。
読書の秋でもある。
職場の先輩から、『何か面白い本、なぁい?』とリクエストがきた。
アラフィフの彼女。
最近目が疲れやすいのか、字が大きくて読みやすい本がいい、という。
加えて彼女の好みは、ハッピーエンド、ほっこりする話である。
明るくて、職場でもみんなのお姉さん的な存在。常に前向きで、いつも周囲に笑いが絶えない人だ。
お酒も大好きで、お料理好き。
以前ご馳走になったパエリアや
書店員でもないのに、身近な人に本をすすめまくってきた話【#読書感想文】
子どもの頃から、本を読むのが好きだった。
そして布教するのである、自分が面白いと思った本を。
他人にとっては、いい迷惑だろう。
だが本を多く所有しているため
「面白い本、紹介して!」
と言われることもしばしば。
ありがたいことだ。
好きな本を共有すると、もっとその人と仲良しになれる気がする。
内心しめしめと思いながら、
「どんな本が好きなの?」
と聞いてみる。
作者の名前を言ってくれる方は、好
書店が似たような顔をしているから【#読書感想文】
最近、書店に置いてある本が、似たようなラインナップに思える。
私の身近で大型書店が軒並み消えて、わりとこじんまりとした書店にばかり足を運んでいるせいだろうか。
小さな書店の限られたスペースに置かれている書籍は、
・人気作家の新刊本
・映像化された作品
・受賞作か、書評で取り上げられた作品
の、どれかだ(おおむね)。
自然、どこの書店も似たような顔をしているように見える。これからの季節、来年に向
言葉の力で世界を変える【#私の好きな原田マハ】
言いたいことは、簡潔に。
大切なのは『心』
かつて毎週月曜日に行われる会社の朝礼が、大の苦手だった。
お偉いさんが話す、今週のスケジュールや会社の業績。振り返りアリ、叱咤激励アリ。
まぁ正直、面白い話などあるはずもない。
だから必要事項だけを3分くらいで、さっさと話し終える上司に、心の中で拍手喝采をおくっていた。
ある時、話の長い支店長がいた。
彼は、普段から雑談好き。人あたりもよく、私自身も
逃げ出したい、ここではないどこかへ【#私の好きな原田マハ】
すべて片がついたら、ひとりで旅に出よう。
誰も私のことを知らない場所。
そうだ、海辺の街がいい。
静かな波の音に耳を傾け、日がな1日海を眺める。なんて素敵なんだろう。
ずいぶん昔、私はそんなことを夢見ていた。
当時の私は、闘病の末、意識不明となってしまった母親を抱えていた。
フルタイム勤務の後に、物言わぬ母を見舞うため、病院へ向かう。
無力感と闘いながら、疲れた身体を引きずり洗濯物を抱え、父の待