★極道学園(576)
甘江野幸三(アマエノ・コウゾウ)という二十歳の若者が工藤組に入りたいと青葉組長を訪ねてきた。青葉組長は就任して初めての採用案件なので俺に電話で相談してきた。聞けば全くのカタギで、新聞報道で栗駒キャンプのことを知り強い興味を持ったという。かなり体格が良くて人物も好印象だと彼女は述べた。俺は迷うことなく太田と二人で仙台に行き彼と会うことにした。
甘江野は岩手県出身で高校は盛岡だった。家が貧乏で大学には行けず盛岡で仕事を探すも良い会社がなく、たまたま高校の恩師の紹介で仙台の運送