★国語教師(75)
ちきりんさんの「自分の頭で考えよう」を教材にしてグループWorkを続けています。生徒たちにも評判が良い本なのでしばらくはこの本をベースに論理思考の授業をやっていこうかな、と考えています。
もう一冊、「マーケット感覚を身につけよう」(ちきりん著)はどうだろうか。これまた良書です。企業で企画部門に勤務している人には必携の書じゃないですか。高校生向けと言えるかどうかは微妙ですが書いてある内容は決して彼らの無駄な知識にはならないはず。でもまあ、当面は論理思考の授業を続けようかな、と。
ずいぶん前に、あるハンバーグチェーン店に対して変な噂がありました。あそこはミミズの肉を使っているらしいよ、と。
僕はさっそく食用ミミズについて調べてみたんですね。そうしたらハンバーグにミミズを使うのは通常の肉を使うよりコストがかかることが分かったんです。さらに言えばその会社は工場の衛生管理が素晴らしいということで国から表彰状を貰っていたんですよ。果たしてそのような会社がわざわざミミズを使って料理を作るだろうか。僕はこの噂は非常に疑わしいと感じました。
これはおそらくその会社のライバル店が流した噂なんでしょうね。昔、マクドナルドについても同じような風評被害があったと湯川先生が言っていました。
明確な根拠がないのに、その話を信じるというのは実に愚かなことだと思いますけどね。でも世の中には根拠のない噂話が氾濫してるんですよ。
では、血液型関係の話はどうだろうか。O型とB型は相性がいいとか、AとBは相性が悪いとか、いろいろあるじゃないですか。血液型による性格分類を強く信じることを僕は血液型信仰と呼んでいますが、これは一種の宗教みたいなものじゃないですか。
血液型のことをあれこれ言うのは世界八十億の中で日本人だけ、と言われています。この事実ひとつを見てもこの考え方が科学的とは言えないことが分かります。もし科学的に何らかの裏付けがあるなら世界中で血液型による性格分類が支持されると思うんですよね。
B型はマイペースと言われてまして、どちらかと言えば「わがまま?」みたいなニュアンスがあります。我が家は僕がO型で、睦美がB型です。睦美はマイペースなところもありますけど決してわがままではありません。僕の父はA型です。A型は神経が細かいと言われていますが、父はけっこうアバウトと言えば良いのか、細かいことをあれこれ言わない性質です。
このように、血液型による性格分類についてはいくらでも否定の事例を出せますけど血液型信仰が強い人に対していくら反論を述べても無駄でしょうね。
人間の性格がどのようにして形成されるのか、というのは非常に興味深いテーマですが僕はその人の周りの大人というか、育った環境がたいへん影響力を発揮していると思いますね。何故石上先生があれほど他者に対して細々と文句を言うかというと彼女自身がそのように育てられたからじゃないですか。よくまあ、あれほどしょっちゅう怒れるもんだと感心します。(笑)
性格は理性により一定の傾向を抑えることができると思いますね。例えば短気な人は理性の力によりその気質を封印することができる。
野球観戦が大好きな父に聞いたのですがプロ野球で活躍した横浜高校の愛甲投手は高校時代、ある試合で自分の投球の不甲斐なさに憤慨し、ベンチに戻ったらグローブを地面に叩きつけたそうです。それを見た渡辺監督が愛甲投手を激しく叱った、二度とそんなことをするな、と。それ以来、愛甲投手はどんな場面でもポーカーフェイスをして感情を表に出さない努力をしたそうです。そしたら「愛甲投手は高校生らしくない」とメディアに揶揄されちゃった。(笑)
人間それぞれいろんな性質、考え方、価値観を持っており、日々いろんな感情を胸に抱きながら生きている。アフリカで暮らすライオンもそれぞれ性格が違うんですかね。かなりずぼらで熱心に狩りをしないライオンって、いるんですか。短気ですぐ他のライオンに噛み付くライオンとか、いるのかなあ。機会があれば調べてみたいです。