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#読書感想文
おいしいコーヒーの入れ方 Second season Ⅸ ありふれた祈り 村山由佳
待ち焦がれた最新刊が、最終巻で、四半世紀の恋が、ここに完結した。
私がおいコーに出会ったのは、高校生の時。図書室の司書教諭から、
「ほろほろの砂糖菓子のような」
といって勧められたのがきっかけだった。
寝ても覚めても恋愛ごとに飢えている JK には絶大なパワーワードだった。この推薦言葉は、その後、今日に至るまで、いや、今後もおいコーの表紙を見るたびに、私の「おいコーとは」を表す一言として刻
ストーリーを語りだす 世界のデザイン・マップス
昨日、書店で一目惚れをして購入した。
原書はドイツの出版社・ゲシュタルテンから出ているとのこと(表紙裏の内容紹介より)
実在する街町や国の地図ばかり集めた作品集なのだけれど、デザインに重点を置くことで、地図というものがこれほどに個性豊かで物語性にあふれた作品に仕上がるのだということに驚く。もう、一度開いたら夢中になってしまって、ページを繰る手が止まらない。一周見るだけでは止まらない。
緊急事
誰も気づかなかった 長田弘
告白をいたします。
先に、もう一つ同じタイトルで記事を書いていたのですが、あまりに長田弘さん(の作品)への想いが溢れすぎて表題作品の感想文ではなくなったため、、その記事についてはいずれまた、別記事として公開をしようと思います。
今は、そのくらい長田弘さんが好きだ、ということだけ、言っておきたい。
そして、没後5年にして新刊を届けてくれたみすず書房の皆様に心から感謝を申し上げたい。美しい本を、本当
1日10分のごほうび
小説は、長編よりも短編が好きだ。
短いエッセイも好きだ。
集中力が昔から短くて、200ページほどの文庫本を一日で読み切ることが出来ないことがコンプレックスだった。短編集なら、一話読み終わったところでその日は終わりにしても、罪悪感が無い。
一日一冊、寝る前の一時間で読み切れる友人たちに心底憧れている。
ひとりの作家による短編集ももちろん好きだけれど、アンソロジーも好きで本屋で目につくと手に取っ
食べる小説 江國香織「きらきらひかる」
江國香織さんの『きらきらひかる』は私にとって特別な作品だ。
江國香織さんの『きらきらひかる』が、私が初めて読んだ小説だった。
12歳の時に古本屋で文庫を手に取った。なぜ『きらきらひかる』の文庫を手に取ったかは、それはそれで別の、捉えようによってはまぬけなエピソードがあるのだが、それは秘密。
それまで弟と一緒に絵本ばかり読んでいた私には、『きらきらひかる』はあまりにもセンセーショナルだった。
食べる男もかわいい エッセイ編
昨日勢い余って下記のようなタイトルで書いてしまったので、「これは男性編、小説編も続けなければ…?」と勝手に使命を感じている昼下がり。
しかし、今まで小説を読むときに「ものを食べるシーン」をあまり意識せずに来たために、小説編でこれがいいよねって言うのが思い浮かばない。
なので、先に男性作家のエッセイ編をつづけたい。
父の趣味で、開高健さんや辻静雄さんといった昭和の大作家、グルメと呼ばれる方々の書
食べる女はかわいい エッセイ編
いっぱい食べるキミが好き、と軽快なリズムで歌うCMが懐かしい。
しかし、あのCM以外でいっぱい食べる女性が好きだと公言する男性に出会ったことがないのは、私の世界の狭さが故なのだろうか。
(男性歌手が歌う歌が、女性モデルを起用したCMで使われていたから、男性が女性に贈った歌だと思っているけれど、逆のパターンもあり得る。しかし、いっぱい食べる男性を好きな女性には会ったことがあるんだよな)
私はいっぱ
百合と葱坊主 くどうれいん「うたうおばけ」を読んで
書肆侃侃房から、くどうれいんさんの『うたうおばけ』が刊行された。
下記書肆侃侃房のnoteに掲載されていた連載が元となる一冊である。
2020年5月12日現在も、noteの連載分は無料記事として読むことが出来る。
とっても太っ腹な事である。
『うたうおばけ』という題名の由来となるエピソードが書かれた
『第1回 うたうおばけ』も、初回から読後の満腹感が気持ちいいのだけれど、私が(noteで公開さ